【南アルプス】仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳


【行き先】 仙丈ヶ岳(3032.7m)・甲斐駒ヶ岳(2967m) 
【期 日】 2004年8月8日(日)〜9日(月)
【メンバー】MICKEY・矢問
【コース】 8日:仙流荘(6:15)−バス−北沢峠−北沢長衛小屋テント場(7:30)
          −(8:45)大滝頭−(9:40)小仙丈ヶ岳−(10:30)仙丈ヶ岳
          −仙丈小屋−藪沢小屋−(13:00)テント場・泊
      9日:テント場(4:10)−(4:55)仙水峠−(7:20)甲斐駒ヶ岳
          −(9:10)双児山−(10:15)北沢峠−(10:30)テント場−北沢峠
          −バス(13:00)−仙流荘
今年のアルプスはどこに行こうか迷っていたら、大阪梅田の山用品店「好日山荘」
でもらった今年の商品パンフ51ページのイラスト地図に目がとまった。
「らくちん・テント泊で百名山×2」という案内イラストだ。これにしよっと(^^)v

前夕刻発。中央道の駒ヶ根手前で1時間ほど強烈な雷雨。MICKEYの運転・・・。
ワイパーも全く効かない豪雨+激しい雷。歩くような速度でしか進めない。
ここ数日、不安定な天気が続いている。目の前で稲光が繰り返し光る(;;)
駒ヶ根SAで雨も上がり、午後10時には「仙流荘」の無料駐車場に着いた。
下の駐車スペースは空きが大変多く、テントを張って寝ることができた。
バスの始発を待つ仙流荘バス停 バス停付近はツバメの巣が多い
1日目・(8月8日(日))  < 仙丈ヶ岳へ登る日 >

朝、4時に起きて、テント撤収。5時から3人目でバス停に並ぶ。
バス停の登山案内図や登山届けのルート図には「甲斐駒ヶ岳」は「東駒ヶ岳」と
書かれているので少しとまどっていた人もいた。甲斐駒は甲州側からの呼称で
ここ信州側からは伊那谷を隔てた木曽駒ヶ岳と対峙させて甲斐駒を東駒、木曽駒
を西駒と呼んでいるのだ。
もうしっかり明るい。登山届けをバス停の登山届けポストに入れる。
バスは6:25の始発定時の10分前に出た。少しでも早まってうれしい。
一人1100円+荷物200円。心配した朝の薄雲も消え始め晴れだした(^^)v。
昨夜の雷雨でぬれた北沢峠 長衛小屋前のテント場
北沢峠に6時55分到着。テント場への坂を下り、長衛小屋でテント受付。
小屋の横には古いトイレと新しくて綺麗な水洗のトイレがある。水場も蛇口が多い。
昨日は夕方から雷雨が7時間続いたとのこと。テントを張って出発準備。
バスの時間に縛られての遅い出発は、ある意味、のぼるガスとの戦いだ。
それに昨日の雷雨で水蒸気が多くてガスの上がりが早まるだろうし・・・。

7:30
仙丈ヶ岳へ出発。甲斐駒ヶ岳は、ガスが出るのが早い山でも知られているので
明日の早朝発にしたのだ。
仙丈ケ岳へは、テン場とバス林道との交差地点から二合目への道がある。
二合目までの登り坂で早くもバテ気味。ガスが出るまでに登りたい。
明日登る甲斐駒がよく見える 谷間にはテント場が小さく見える
8:45
大滝頭。五合目だ。樹林帯を抜けて振り返ると明日登る甲斐駒が綺麗に見える。
谷間には僕たちのテント場も小さく見える。う〜ん、登りがしんどいなぁ。
小仙丈ヶ岳にて、仙丈ヶ岳をバックに 下には仙丈小屋が見える
9:40
小仙丈ケ岳(2855m)。朝早く小屋を出た人たちが沢山いた。
これから行く仙丈ヶ岳もよく見える。北岳も綺麗に見える。\(^o^)/
東の小仙丈沢カールは緑が多い。ここからMICKEYが先に行く。
太陽が出て暑い。どんどんMICKEYに引き離される。
ここからのだらだらとした登りもなかなかこたえる。汗が出てくる。
ずっと先にMICKEYが見えて手を振っている。早いなぁ・・・(^^;)。
休んでいた男性に「先に行かれたのは奥さん?すごいペースで元気ですね」と。
もうMICKEYは最後の登りを登ってる 仙丈ヶ岳 山頂
10:30
仙丈ヶ岳(3033m)。MICKEYが待っていた。沢山の人が展望を楽しんでいる。
15分もしないうちにガスが登ってきてぼんやりした展望になった。
「展望がきいて良かったね(^^)」「3時間で登った甲斐があったなぁ(^^)。」
食事をして、どんどん厚くなるガスとわき出てくる雲。
雷雨注意報が気になるし、途中に3つの小屋を通るルートで下山するのが安心。
下に見える仙丈小屋をめざし「仙丈=千畳」の名前の由来である藪沢カールを下る。
仙丈小屋前で小休止
11:00
仙丈小屋。小屋でコーラを飲む。300円。肌寒いくらいの気温だ。
小屋の水場に続く下り。花も多い。雷鳥の親子が元気に歩いている。
先週、アルプス全体で雷鳥の個体数が激減している報道があったばかりだ。
馬の背ヒュッテ 藪沢小屋
11:25 
馬の背ヒュッテ。いまから登り出す人達。もう展望はガスの中なのに・・・。
途中で沢を横切る。水を飲んでいる中学生のグループ。寒いのか雨具を着ている。
11:40 藪沢小屋。あたりのガスが濃くなった。テン場まで雨にならないことを祈る。
5分も歩くとまた細い滝を持つ沢を横切る。

12:00
朝通った五合目の大滝頭に着いた。ここからは下れ、下れ、だ。
13時丁度にテント場に到着。薄日がさしてきた。さあ、お昼寝タイム(^^)。
14時くらいから雨が降り出した。15時には雷も。止んでくれよ〜。
17時に雨は上がり、テン場から見える甲斐駒の白い頂が夕日に照らされて、
それはそれは綺麗だった! テント場の人たちほとんどがボーッと眺めている。

カレーを作り、きつねうどんも作り、満腹。また1時間ほど雨が降った。
明日の天気が不安だなぁ・・・。小屋では明日も雷雨予報という・・・。
気圧を2時間ごとにとる。明日は暗いウチの出発を決めた。
夜中に月と星が出た。それほど多くないが、天候の回復を期待したい・・・・。

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2日目・(8月9日(月))  < 甲斐駒ヶ岳へ登る日 >

3:00
起床。星に雲がかかったり全く見えなくなったり・・・・。悩むなぁ・・。

4:10
「雨が降り出したら雷をさけて戻ろう」と決めて、ヘッドランプをつけて出発。
途中、仙水峠手前の岩がゴロゴロしている地点あたりで明るくなればいいのだ。
小屋の前の橋を渡り、川沿いに登る。小屋泊まりのヘッドランプで歩くのをな
れていない人はペースが遅いようで、途中で先行の7名ほど抜いた。
途中で丸太の橋を2カ所ほど渡る。真っ暗なので慎重に、慎重に・・・。
急な登りの上には仙水小屋の明かり。テントも数張りあった。
樹林帯を進む。うっすら明るくなり出した。小鳥が鳴き始める。気持ちいい。
岩がゴロゴロする地帯にはいる。まだ履き慣れていない靴に痛みを感じた。
テーピングをして靴擦れを防ぐ。仙水小屋からの出発者が15名ほど来る。

4:55
仙水峠。先ほどの人たちがここでカメラを構えている。もうすぐショーだ!
ここからの日の出はとても綺麗なのだ。しばらくして「うわ〜綺麗」と歓声。
MICKEYも「大感激!こんな綺麗なオレンジ色の日の出は初めて(^^)」と。
僕もこの日の出には感激した。峠の左手に甲斐駒と摩利支天が見える。遠いなぁ(^^;)
ここからの樹林帯の登りはキツイが冷たい風が助けてくれる。
樹林帯を抜ける手前で先行のご夫妻を抜いた。ここから先は人の気配がない。
樹林帯を抜けると「うわ〜、北岳が見える!」「昨日の仙丈ケ岳が綺麗に見える!」
「うわ〜感激、富士山がよく見えるなぁ!」と展望を楽しみながらの登りになる。
遠くに富士山も見える 駒津峰(2750.6m) 駒津峰からの甲斐駒は逆光
6:10
駒津峰(2750.6m)
。正しくは「小松峰」。小松、つまり背の低いハイマツが
山頂近くまで覆っているところからそう呼ばれていた。
テントが一張りある。素晴らしい展望だ。
前には甲斐駒。岩尾根を一旦下ったりアップダウンが続く。
泥場に真新しい足跡が2つ。先行の人が2人いるようだ。
六万石 六万石を巻いたところ
6:30
六万石。巨大な花崗岩だ。不規則な方状摂理のため六方状なしていることから
ついた名という。大岩の右手を巻くようにして通ると分岐点。
上は「↑直登」と岩に書いてあり、右は「→」のみ。右は砂礫帯のまき道だ。
MICKEYは迷わず「直登」を選択(^^;)。大きな積み木のような岩のクライミングが続く。
ホールドは多い。足があがりにくい大きな岩もある。
「どっちに行ったの〜?」とMICKEYの声。岩で僕の姿が見えないのだ(^^;)。
風が冷たくて寒いくらい。長袖を着ようかと悩むがそのまま進む。
途中で先行のカメラを持った男性2名を抜く。寒さで雨具を着ておられる。
「直登」の岩尾根の登りにかかる やっと岩尾根を抜けた
つかむ岩がとても冷たくて手にこたえる。風は実に冷たく寒い。空は快晴だ(^^)
岩場を登り終えると砂礫の登り。足跡はないが、所々にペイントかテープがある。
甲斐駒・山頂。バックは仙丈ヶ岳 甲斐駒・山頂。バックは北岳 山頂から下ると駒ヶ嶽神社本社の祠
7:20
甲斐駒ケ岳(2967m)
。誰もいない。今日の山頂一番乗りのようだ。\(^o^)/
360度の展望は素晴らしいの一言。仙丈をバックに、北岳をバックに記念写真。
テント場も小さく見える。そこは谷間のためにガスがたまっているのも見える。
食事をしていると男性が1名登ってきた。直登コースを来たらしい。
七丈小屋の方からも男性2名が登ってきた。

少し下ると、「駒ヶ嶽神社本社」の新しい石の祠がある。
「大國主命」の丸柱、「駒嶽大権現」「駒嶽大神」などの古い石柱もある。
ガスののぼりは実に早い。下からみるみるあがってくる。
7:40には富士山は見えなくなった。北岳もガスがかかりだした。
「ラッキーだったよねぇ。早立ちのおかげやねぇ(^^)」とMICKEYは大満足
のようだ。昨日の仙丈でもガスとの競争でぎりぎりセーフだったし、今日の岩
登りもなかなかおもしろかった。あと20分遅かったらこんなに素晴らしい展
望には恵まれなかったのだから。本当に幸運な山行になったことに感謝した。
空との境界が直登で登った岩尾根

六万石までは砂礫帯を下る。分岐から10分ほどの摩利支天へも寄る予定にし
ていたが、展望も悪くなってきたのでパスすることにした。
ガスの中、どんどん多くの人たちが登ってくる。直登した岩尾根ルートが見える。
1時間ほどの違いで全く展望が変わってしまう。これがガスで有名な甲斐駒。

8:40
駒津峰
。先ほどとは全く別の所のようなガスの中に様変わり。休憩した。
ここからは尾根ルートで下る。石が多く滑りやすい。足に力が入る。
そしてまたえっちらおっちらと双児山へと登る。背に太陽があたって暑い。

9:10
双児山
。ここからは展望はないものの涼しい樹林帯だ。暑がりにはうれしい。
5歳と6歳の子供を連れたファミリーが頑張って登ってきた。親はすごい荷物だ。
「僕らの子供もあのころは、あんな風にして涸沢から奥穂や北穂に行ったなぁ」
と思い出す。お母さんは一生懸命に疲れたお兄ちゃんを励ましている。

10:15
北沢峠
。真昼なのにバス停の寒暖計は18度だ。涼し〜い!

10:30
テント場
。太陽が照ってきた。満足感の中、テントをのんびりと撤収。
まえに北岳から見た、仙丈と甲斐駒をいい天気の中、登れたんだなぁ(^^)v」
すぐ横に流れる沢で靴やスパッツを洗う。天気がいいのですぐに乾いた。

13:00発のバスには時間がありすぎるが、バス停のベンチに向かい待つ。
12時に臨時バスが来た。ラッキーと思ったら、ガ〜ン!!。列に並ばずにズルい
横入りの2名がいて、乗れるはずの僕らの直前で定員となり、次を待つハメに(;;)。
バスはすぐそばに待機しているのに、結局次の臨時は出ずに定刻13時に出た。
前の運転手はすぐ出すって言ったのに(ーー;)。バス窓から「渡り蝶」も見られた。

あ〜、下界はやはり暑い!! 高遠町の「さくらの湯」で汗を流す。
明日の予定は「木曽駒ケ岳」にしているのだが、不安定な天気も心配。
予定通り山頂で一泊にするか考えながら、ゆっくり駒ヶ根へ向かうことにした。

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