【兵庫県】多田銀銅山からソエ谷峠経由で武田尾まで

視覚障害者の登山サークル「山ネット」のハイキングサポート


【山 域】 兵庫県・多田銀銅山からソエ谷峠経由で武田尾まで
【日 付】 2007年5月13日(日)
【コース】 阪急梅田駅−川西能勢口【矢問は川西能勢口で合流】
       阪急バス−白金2丁目−多田銀銅山・青木間歩と資料館
       −ソエ谷峠−玉瀬−JR武田尾駅
【メンバー】山ネットの方々(視障者15名+晴眼者33名)&矢問
阪急電車の川西能勢口の改札口で、阪急梅田駅から来る山ネットのみんなを、ご近所の
笹森さんや大阪府にある某社会福祉専門学校に通っている学生さん達と待った。
学生さんは今回7人参加してくれるという。
今日は視覚障害者15名とサポーターの晴眼者33名の、合計48名の参加者である。
どぼたんやオリーブさんとも久しぶり らせん階段を下る
どぼたんやオリーブさんとも久しぶり らせん階段を下る
9:20
川西能勢口から阪急バスに乗る。
今日の引率リーダーである芦田さんの待つ猪名川町の「白金2丁目」バス停へ。
バスの車中、どぼたんと無線談義。視障者のどぼたんはアマチュア無線の3級で、僕が
初めて無線機を買った頃の良きアドバイザーであり、囲炉裏村の村民としてもアマチュア
無線でも、歳は僕より若いけれども「大先輩」である。

「白金2丁目」バス停からは、あうんの呼吸でのサポート体制で、多田銀銅山へと向かう。
白金から川沿いの道へと行くには螺旋階段を下ることになる。「ええっ、どこまで降りるの
だろう。地下にでも行くのかいな」と視覚障害者の方達は何が何だかわからない様子。
白金が台地なので川沿いまでは螺旋階段をぐるぐると下りるのだ。
高札跡の珍しい灯籠 代官所跡で5班に分ける
高札跡の珍しい灯籠 代官所跡で5班に分ける
10:20
銀山橋のところに以前ナイトンやMICKEYと来たときには見覚えのない真新しい建物が
できていた。これが「多田銀銅山資料館」であるらしい。4月にできたばかりとか。
そりゃ、僕も知らないわけだ〜。

資料館を左に見て銀山橋を渡ってすぐ左手の高札場跡に祠とおもしろい灯籠がある。
そこを川沿いに入ると代官所跡の広場である。石柱があるが文字は分からない。
古井戸跡もある。

この広場で宗近さんの号令で5班に分けた。僕はフリーで全体を見ることになった。
ここで「コーヒータイム」とし、ゆっくりするらしい。
全員に行き渡るようにコンロ2つでお湯を沸かし、お茶タイムで休憩する者、青木間歩の
坑道跡を見学に行く班、資料館に行く班に分かれた。

「どぼたん、行かないの?青木間歩の坑道跡は入れるし涼しいよ」と久々に再会した
どぼたんに声をかけたが、「ここでゆっくりコーヒータイムしておくわ〜」と草むらにあぐらを
かいて座り込んで休憩モード。
甘露寺への参道 金山彦神社への参道
甘露寺への参道 金山彦神社への参道
階段と木橋のサポート 青木間歩に入る 青木間歩の内部
階段と木橋のサポート 青木間歩に入る 青木間歩の内部
まずは坑道へ行く班に同行した。代官所の門を右に、そして左に甘露寺を見ながらしばらく
行くと分岐。右に鳥居がありその上は金山彦神社だ。坑道は台所間歩や瓢箪間歩もあるが、
安全に視覚障害者とともに入れるのは周囲にアオキが茂っていたことから名付けられた
青木間歩だけなのだが「涼しいねぇ」と感動の声。
多田銀銅山は、奈良時代から昭和48年の閉山まで長きにわたり採掘されてきた。
多田銀銅山の資料館「悠久の館」 解説をしてくださる女性
多田銀銅山の資料館「悠久の館」 解説をしてくださる女性
次に僕も入ったことのない資料館へ。「悠久の館」というらしい。先ほど休憩した代官所跡
から発掘されたものや坑道で発掘されたものが展示されている。採掘の最盛期の代官所
跡の模型もある。資料館の女性に展示物や歴史の詳しい解説をしていただく事ができた上
に、鉱石なども資料館のご厚意で、視覚障害者の方々には手で直に触れさせていただくこ
とができたのはありがたかった。
川沿いの木陰道 「道がえぐれだしました」 初サポートを頑張る学生
川沿いの木陰道 「道がえぐれだしました」 初サポートを頑張る学生
12:00
代官所跡の広場でのコーヒータイムでのんびりしたあと、5班にわけたグループごとに近畿
自然歩道を通って、ソエ谷峠へと向かう。途中に西進2.9キロの道のりと立派な道標もある。
やや、岩や石が足元に出だした。無線機で各班と連絡しつつ、拡声器で休憩の号令も送った。
「ここは歩きやすいですね」 「右の方が安全ですよ」
「ここは歩きやすいですね」 「右の方が安全ですよ」
一の谷池を過ぎるとオフロードバイクの進入を禁止にしている道にもかかわらず、オフロード
バイクに乗った人にであう。オフロードバイクの走りで土がえぐれ、ややぬかるみがひどい
ところもあり、足幅ギリギリのコンクリートの上をしばらく歩く所もある。視覚障害者の白杖が
つきにくい注意すべき箇所である。

僕は一段下りて視覚障害者をサポートロープで引率する学生さんたちのサポートの足の進
みをさらにサポートをして視障者を安全に通過してもらう。

川沿いとは言いつつも谷間は風が無くて日陰なのに今日は天気が良くてやや蒸し暑い。
橋を渡るとだんだんとソエ谷峠への傾斜がはじまる。今日の登りはこのちょっとした登りが
唯一とも言えるのでみんなは気が楽なようだ。
「ソエ谷峠」 ランチタイムの楽しいひととき
「ソエ谷峠」 ランチタイムの楽しいひととき
13:15
ソエ谷峠は、川辺郡猪名川町と宝塚市の境界。
今日のハイクでは最も高いところとなる。ここで昼食タイムとなった。
無線機に六甲山からのCQが入感した。丹波のたぬきさんややまあそさん、OAPさんと
もお知り合いというIPAさん。僕は初めてであったがしばらく楽しくQSOした。
頑張った専門学校の学生チーム 田植えでやむなく車道へ
頑張った専門学校の学生チーム 田植えでやむなく車道へ
14:20
ソエ谷峠での集合写真も終えて、玉瀬を経由して武庫川沿いに進みJR武田尾駅へと
向かう。この道は「山陽自然歩道」とある。田んぼでは田植え作業が真っ盛りで、あぜ道を
通れずやむなくアスファルト道をずっとあるくことになってしまい、車の通過にも気を配る。
アスファルト道で足が疲れた人も出たので、途中の満福寺で休憩した。

16:10
武田尾駅へ無事到着。いろりの廃線跡ハイクのオフ参加者村民とも会えるかと思ったが、
もう帰宅したあとのようだった。今日は山ネットには珍しい、ほぼ平地歩きの1日だった。

本日、最も疲れた表情をしていたのは、視障者ではなく専門学校の若手のみなさん。
不慣れな道に慣れないサポート、本当にお疲れ様でした。
「この匂いは何の花ですか」「この木は何という木ですか」「あの声は何という鳥ですか」や
石の大きさ、段差の高さ、溝の幅などを瞬時に説明をするのにはなかなか経験が要ります。
今回の経験が何かの役に立つことを願っています。またいつでも参加は大歓迎ですよ!
この1つ前の記録は「【兵庫】播磨側から藤無山」の記録です