2016年夏の地黄湿地自然観察会
-湿地に舞う純白のサギソウ-


【行き先】 能勢・地黄湿原
【日 時】 2016年7月31日(日)
【ルート】 能勢電・山下駅-能勢けやきの里-地黄湿地
      -野間の大ケヤキ-山下駅
以前、森林インストラクター大阪会での活動があったが、予定があり行けなかった家から
ほど近い地黄湿原。
大阪みどりのトラスト協会が、7月末に地黄湿地で自然観察会をするようなので、MICKEYと
申し込んで参加することにした。

昨年の夏は「湿原連携ワークショップin北摂 2015」に参加して、丸山湿原や丸尾湿原で
色々学んだので、我々にはその続きの勉強とも言える。
   
朝9時に能勢電・山下駅で受付。1人500円を支払う。貸し切りバスに乗り出発。
まずは、能勢けやきの里に寄って買い物とトイレ休憩。

そして、堀越峠から地黄湿地へ。バスには厳しい細さの道であり駐車するにもキツイ所だ。
能勢町地黄区にある面積1haに満たない「貧栄養の湧水湿地」で、97種類もの多様な植物が
自生し、湿地特有のさまざまな生き物が生息しており、大阪府緑地環境保全地域に指定され
ているので、柵から中には鍵が無いと普段はなかなか入れない。
   
   
   
近年、湿地の陸地化による環境の変化、盗掘等による人為的な影響によって、湿地生態系の
崩壊が懸念されるようになり、この協会ではこの湿地を守るために平成10年より下記のような
保全活動を行っておられるが、本格的な活動は昨年から開始されたらしい。
 □ ススキや樹木の掘取りによる陸地化の防止
 □ 地下水位のモニタリング
 □ 立ち入り防止柵の改修
 □ 湿地性動植物の調査
 □ 特定外来生物ウシガエルの駆除

今年は花の開花がここでもやや早いらしい。トキソウも今年は早く咲き、6月の観察会の
時には数輪しか残っていなかったらしい。蛇の抜け殻があった。
   
   
   
 サギソウはあちらこちらにもきれいに咲いていた。湿地を踏みつけないように板を置いて
下さっているが、細い板1枚置きで、行き違いが出来ずに見学しにくく先端へは躊躇した。
他にミミカキグサ、ヌマトラノオやモウセンゴケの花などいろいろな花も咲いている。
ノギランは終わりかけ。ウメバチソウの花はないがハート型の葉がみえる。
ヒカゲカズラもある。チダケサシもある。
チダケサシ(乳茸刺)は、やや栄養分の多い湿原、林縁、湿った草原などに生育するので、
この湿地は「貧栄養」とは言えなくなっているのでは・・・。危ない状態かもしれない。
   
   
   
周囲の樹木ではリョウブの白い花が沢山咲いている。樹皮に鹿の食害が無いところを見ると、
このあたりはそれほど鹿がいないのか、他に沢山食べるものがあるのかも知れない。

周囲に赤松やリョウブなど色々な木本類が有り、落ち葉も多くなかなか貧栄養を保持する
には難しそうな環境でもあるように感じた。
シルトの定着も難しいようで、水止めや水路にも工夫されていた。
保護活動するボランティアも募集されていた。

予定より半時間以上早く地黄湿地の見学が終わり、野間の大ケヤキに移動。
ここで弁当タイム。特にあとは予定が無いようだ。
「これなら、このまま山下駅で解散でも良いくらいね」とMICKEY。同感・・・・。

ベンチは暑いのでケヤキの横の日陰にMICKEYと移動。
つい先日までいたアオバズクは巣立ったのか、見当たらない。
   
いつも4月から5月に子育てにやってくる。トイレ横の資料館にいけば写真も剥製もある。
資料館では、ケヤキのやどりぎの事も学べる。宿り木が樹木に張り出す根の跡には驚く。

予定より1時間半ほど早い1時過ぎに山下駅で解散。
寄付にもなるサギソウのバッジをトラスト協会の方から300円で買って、付き合ってくれた
MICKEYへプレゼント。
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