湿原連携ワークショップin北摂 2015
日時 2015年8月22日(土) 場所 ・逆瀬川・「アピアホール1」の5階 ・丸山湿原・松尾湿原 主催 兵庫県阪神北県民局 北摂里山博物館運営協議会 武庫川流域環境保全協議会 後援 環境省近畿地方環境事務所 宝塚市 三田市 |
100名の募集だったが、申込日開始早々数百名の申し込みが有り急遽250名に増やして 締め切ったとのこと。10時から12時半は満席のアピアホールでの座学である。 1.基調講演として「生物多様性の観点から見た全国の湿地の現状と保全・再生の特徴的 な取り組みの紹介」を厚生省自然環境局自然環境計画課事業係長の高下翼氏の講演。 2.事例発表として「北摂周辺6湿原における取り組み」を兵庫県立大学名誉教授の服部 保氏のコーディネーターのもと下記6湿原の現状と取り組みを実際活動をされている方達 からの興味深いパワーポイントでの発表と質疑応答があった。 多くの資料も頂いたので、じっくりと読んで学びたい。 *丸山湿原(宝塚市)丸山湿原群保全の会 *松尾湿原(宝塚市)宝塚エコネット *皿地湿原(三田市)三田市環境・省エネ推進課 *甲山湿原(西宮市)こども環境活動支援協会 *地黄湿原(大阪府能勢町)大阪みどりのトラスト協会 *あびき湿原(加西市)あびき湿原保存会 午後13時半からはA班からH班に分かれてバスに乗り、丸山湿原群と松尾湿原に行って 現地での見学会。森林インストラクター兵庫会や大阪会の方達も多数参加されていた。 丸山湿原には3年ぶりに来た。松尾湿原は初めて訪れた。 |
サギソウが丸山湿原に沢山咲き誇っていた頃と違い、本当に保護活動が大変な労力である ことがよくわかった。僕ら夫婦はA班だったので服部先生の説明をすぐ横で直に聞けた。 以前、服部先生の書かれた「武庫川流域に残る2つの湿原」という文を読んだことがある。 湿原に行くまでに足もとにツチアケビが顔を出していた。クロモジの木も生えていた。 |
「ウラジロの裏が白いのは何かご存じですか」という服部先生からの質問。 ライターであぶると緑になる。ロウ質なのだ。だから雨でも水をはじいて濡れない。 だから、山火事にはウラジロやコシダが多いという。 シダ愛好家は、ほぼすべての種類のシダについて栽培が試みられているが、ウラジロは コシダとともに、栽培が非常に難しいことでも知られている。 |
ヌマガヤが沢山生えてしまうと背の低いサギソウは競争に負けて生えなくなる。 ハンノキが直ぐに生えてきてどんどん増えてしまう。それらを伐採しないとならない。 ネザサ(イナノササハラ・・・)は刈り取られない場合には高さ3m近くにまでなる。 養分が多くなると育たない。貧栄養になるように斜面の落ち葉も集めて取る。 風化した非常に細かいシルトが供給されないと湿原は形成されない。 |
湿原には山頂や斜面のはげ山が良い。湿原には粘土(シルト)と水の供給が大きな要素となる。 「山の緑化運動や草本や木本の保全とは反対なのですね」と言うと「そうなんですよ」と服部先生。 神戸や宝塚、三田に分布している特殊なアリマコスズという高さ30~50cmの綺麗な笹がある。 一見するとミヤコザザに似ているが、ミヤコザザは無毛で桿の節が丸くふくれている。 ミミカキグサもあったし、ヒメアカネやハッチョウトンボもいた。 |
いつも三田に抜けて行く道の直ぐ横に松尾湿原がある。丸山湿原ほど広くはないが、 サギソウやサワヒヨドリ、ハッチョウトンボがすぐ近くで見られる湿原であるところが良い。 保護活動の方々のおかげで再生した湿原とも言えるしハッチョウトンボも30数年ぶりに 帰ってきた湿原である。 湿原は里山と同様に人の手が入らないと荒れて消滅してしまう。 |
この1つ前は「【北摂】五月山(池田市)西面ルート」の記録です |