【奥美濃】3年ぶり残雪の野伏ヶ岳から薙刀山


【山 域】 奥美濃/野伏ヶ岳1674.3m.・薙刀山1647.2m
【日 時】 2013年3月23日(土)
【コース】 白山中居神社横-和田山牧場跡・拓牧碑-ダイレクト尾根
       -野伏ヶ岳-薙刀山-和田山牧場跡-白山中居神社横
【メンバー】MICKEY、矢問
      (薙刀山からの下山ルートはkasayaさん、kitayama-walkさん、
       クロオさんも同行下山)  
3年前の2010年4月3日に行った野伏ヶ岳にMICKEYを連れて行く予定の今年はどこも雪解け
が早いので10日ほど早く行くことにした。
家を20時頃に出た。途中で雨が降り出した。土曜日0時からの高速の50%割引を効かすべく、
瓢ヶ岳PAで車中仮眠し、0時過ぎに白鳥ICを出る。3年前の教訓で冬タイヤのままで行ったが、
道路脇の残雪はあるものの3年前より格段に量が少ない。満天の湯から先の道路上にも
積雪はなく「ホッ」として安心して下ることができた。気温は4℃。
石徹白川・だいしん橋(左岸)道路脇の駐車スペースに行くと、2台ほど停まれるだけの除雪
しかされておらず、広いスペースは雪で入れない。車は1台も停まっていない。
白山中居神社のトイレ横に戻り車中泊。ここも1台もまだ停まっていない。
空には沢山の星が出ていた。「明日は晴れてくれよ」

4時過ぎに起床。車が2台来た。まだまっ暗。星は見えたり見えなかったり。風がすごくキツくて
時々パラッとみぞれが降る。「天気、回復してくれよ」
ゆっくり朝食を車中で食べて、アイゼン、ピッケル、スノーシュー、ツェルト、無線機等の出発準備。
お隣の軽自動車の男性と「おはようございます」と挨拶。あちらも出発準備開始の様子。

5:10
「まだ暗いけど雪の締まっている時間に登りたいので出発しよう。小白山谷に架かる橋手前
までは除雪されていると思うし知ってる道。そのあたりでうっすら明るくなるよ」と僕。
だいしん橋を渡り右に歩いて行くとすぐに除雪は終わっていた「ゲッ。ここまで?」
そこから雪の上に登り小白山谷に架かる橋手前へ目指すも気温が高いせいか雪がカチン
コチンまでには締まっていない。月明かりで歩いているが、足が少し沈み歩きにくい。 
   
林道のショートカットは斜面を登る   もうすでにTシャツ1枚のMICKEY
「3年前の4月はずっとアイゼンを履くくらい固かったのにな・・・。」欄干より積雪の
ある小白山谷に架かる橋手前で早くもスノーシューを履くことにした。やや明るくなった。
   
「 ここを登れば展望が開けるよ」  「うわ~、スゴイね!」
ここからも長い林道を3年前に下り帰路で通ったショートカットルートで和田山牧場跡
へと向かう。北進から北西にかわる尾根が終わる頃、白く輝く山が見え始める。
「うわ~、綺麗ねぇ」とすでにTシャツ1枚で登っているMICKEYの感嘆の声。
   
 左が野伏ヶ岳、右が薙刀山  ダイレクト尾根に向かう
6:40
左手奥に拓牧碑が頭を出している。和田山牧場跡に出た。野伏ヶ岳から薙刀山の雄大な
景色が眼前に広がる。「すごいね~!」とMICKEY。晴天にはまだならず曇っているが
真っ白な雪原と白い山々がMICKEYの目にはまぶしく輝いているようだ。
今日は昼頃晴れて夕方曇る予報だが、3年前も一日晴天予報だったのに山頂で曇り、強風
と吹雪になった。なんとか今回は薙刀山まで行きたいのだが・・・。

山頂からの展望があるうちにと、野伏ヶ岳のダイレクト尾根を目指す。
風が冷たくてアンダーシャツの上に雨具をはおる。
   
 ダイレクト尾根への斜面「ガンバ!」 ダイレクト尾根に乗った 
3年前は尾根の下部から登ったが、今回はもう少し上から登ることにした。急な斜面を
後に続くMICKEYのために足場を蹴り込みつつ登る。ザラメの滑りやすい斜面だ。
「頑張れよ」と僕「ザラメで滑るね・・・」と遅れるMICKEY。

7:40
尾根筋に乗った。素晴らしいブナの尾根だ。3年前に上部の雪壁の突破に少し怖かった
記憶がある。上部で滑ったら止まらない。まだ傾斜に慣れていないMICKEYにはスノー
シューよりアイゼンの方が安定するので、傾斜がきつくならないここで、アイゼンに履き
替えることにした。3年前ほど雪面は固くはないが、安定して登れる。 
   
 ここからはアイゼンで安定歩行重視 MICKEYのペースがあがる 
「日が照り出すとズボズボになるので早朝は登りやすいね」とMICKEYの速度が上がりだ
した。薄いガスが飛ぶが青空が出始めた。「晴れろ!晴れろ!!。」風がとてもキツイ。

傾斜が急になり、途中でクレパスがあった。右に行くが上はもっと大きな口を広げていた。
「風でバランスを崩さないようにしっかり3点確保で体勢を保てよ」「了解」
後続のMICKEYに「左へ回れ」と指示して、僕は慎重にクレパスをまたぎ左へと行く。
   
 「待ってくれ~」 最後のクレパスを越える 
3年前に最後の乗り込み部分のすごく傾斜がきつくなったところは、またまた広い口を
大きく広げて笹藪が少し出ていた。やはり雪が少ないのだ。崩れない箇所を選んで抜ける。
   
 あとは山頂まで一直線! 「野伏ヶ岳の山頂に着いたね」 
あとは傾斜もマシになり、山頂へ一直線だ。「青空に向かってGo!」
かけ声はいいが、休み休み登る。「風がきついなぁ」
下を見るとダイレクト尾根を3人ほどが登って来るのが見える。
   
 「あれが薙刀山への稜線なの?」 野伏ヶ岳山頂から北へ下る 
9:10
野伏ヶ岳山頂。3年前より30分ほど遅い時間で山頂に着いた。360度の最高の展望だ!
「すごいねぇ。真っ白な山々!8年前に登った大日ヶ岳はあれよね」と、展望を楽しむMICKEY。

そして北には、薙刀山への稜線が白く輝いている。僕はそちらを集中して見ていた。
3年前は吹雪いて断念したルートだ。「野伏ヶ岳で2箇所クレパスがあったぐらいだから、
薙刀山への尾根にもいくつか有るのは確実だろうなぁ。行けるところまで行ってみるか」と僕。

北への稜線を下る斜面はダイレクト尾根とは違いカチンコチン。アイゼンではがれた表面の
薄い氷がカラカラと音を立てて斜面を風に飛ばされ転がっていく。 
   
「 素晴らしい展望ね!」  クレパスも難なく渡れた
「ゆっくりでいいから、慎重に下れよ」「了解」。
傾斜の緩くなったCa1520m辺りの風の弱い木の近くで、軽く行動食をとり休憩。

心配した大きなクレパスは2箇所ほど有ったが、雪が締まっていて難なく通過できた。
クレパスの所では「僕から3m以上離れろ。一緒にはゴボッと首までまったらお互い
助ける者がいなくなって困るし」とMICKEYに言った。「了解」とMICKEY。
Ca1481m辺りで後ろを見ると山頂の3人の人影もこちらへ下っているのが見える。
   
つららだらけの クレパスの横を通過 雪庇が崩れて大きな雪塊が斜面に 
時間もたっぷりあるし、何よりも天気がどんどん良くなっていくので安心だ。
スピードをグンと落として素晴らしい展望の稜線歩きをゆっくり楽しむ。風はキツイ。
先ほどいた野伏ヶ岳を振り返ってみるとなかなかどっしりとしていてかっこいい。
「気持ちの良い、素晴らしい山よね~♪」とMICKEY。「天気のおかげだね」と僕。

薙刀山を見上げると上部の首あたりに一部笹が出ていて雪が割れているのが見える。
なんとなく登りにくそうなのを察知して「もうここから下山してもいいのでは」と
MICKEYがいう。「下山はこの辺りから南東斜面を下る予定だけど、行けるさ」と僕。
先行してそのいやな感じの部分にステップを作る。ここは下りには崩れたりズボッと
はまったりしそうのザラメ雪で太陽熱でとけ始めている。
   
もうすぐ薙刀山の山頂  山頂でやぶこぎ仲間3人に遭遇 
10:30
そこを抜けるとテーブルのような山頂が広がった。薙刀山の山頂だ
「やった~!3年前に天候の急変で叶わなかった山頂に立てた~!」と僕。
しばらく展望を楽しみつつ「よく頑張ったね」とMICKEYと握手。願教寺山が大きく近く見える。

下から3人のウチの1人であろうサングラスの男性が登って来た。
「ここが山頂ですか?」と聞き覚えのある声。「はい、薙刀山の山頂ですよ」と僕。
「あれっ?矢問さんじゃない?kasayaです!ということは、横はMICKEYさんかな?」
なんと、やぶこぎネットでの知人のkasayaさんだった。

「えっ、知り合い?」先週の金糞岳の山頂ではりんご畑さんに遭遇し驚いていたMICKEYは、
こんなことが2週連続で起こってさらにびっくりしていた。

そのあとに登って来たのは同じくやぶこぎネットでの知人のkitayama-walkさんと、一眼
レフのクロオさんだった。「わ~!先に登っていたのは矢問さんだったの!」と二人。
健脚の3人は6時過ぎにスタートしたらしい。なんと世間は狭いのだろう!
   
 野伏ヶ岳方面に少し戻る  斜面を南東へと下る
10:50
下山開始。ここからは少し戻って南東へと斜面を下って推高谷の上部の崖マークの間を
通り谷を対岸へ渡り、3年前に野伏ヶ岳から下った東尾根を巻くようにトラバースして
3年前と同じルートを和田山牧場跡へいく予定にしていた。
kitayama-walkさんもその予定とのことで、一緒に下山することにしてコンパスで方向を
定めてセットし先に下った。思ったより下りやすい。3人はスノーシュー。
MICKEYは斜面のスノーシュー下りが苦手なので、僕らはアイゼンのまま下る。
「東尾根を巻いたところでスノーシューに履き替えればいいよ」と僕。
   
 風もないランチ場所 薙刀山の山頂北側に人影あり 
11:15
風のない雪原で5人ともランチタイムとした。「お腹が空いてペコペコ」とMICKEY。
今日は雪スコを持たずに来たので、テーブルづくりは無し。
薙刀山の山頂を見あげると2~3人の人影が山頂の右(北)で動いているのが見えた。

雪に埋もれた推高谷を渡る所でMICKEYは尻セードでズボッと雪にはまりクロオさんが
少し戻って助けて貰っていた。尾根をトラバースして巻く僕、登って越えるkitayama-walk
さん。うまく野伏ヶ岳の東尾根も巻けて和田牧場跡への南東ルートに乗れた。あとは楽だ。 
   
 良い天気だし眺めも良いし最高♪  「暑くなってきたわ」とまたTシャツ
3人に先に行っていただき、僕らは少し休憩し、スノーシューに履き替えて、3人のトレース
よりやや南側ルートを進んだ。
   
 まったりお茶タイムの健脚3人  野伏が岳をバックに
13:00
前方にお茶タイムをしている3人を発見。「まだ時間が早いしね」とkitayama-walkさん。
野伏ヶ岳の斜面を見ていると、山頂からスキーで次々に滑っているグループが見えた。
僕らも少し休憩し、「ゆっくりペースの僕たちは、先に行ってますね」と先に僕らは出発。 
   
「また来たいね」とMICKEY  和田牧場跡を去る
和田牧場跡の拓牧碑近くに緑のテントが2張りあった。テント泊を楽しむ人のようだ。
「この展望ともお別れね」と振り返るMICKEY。
後ろを見ると、3人もこちらに向かってきているのが見えた。

林道を朝と同じくショートカットして下る。10人くらいの年配女性の多いグループが
登って来た。テント泊のような大きなザックだった。午後から曇りの予報だったが、
どんどん良くなって晴天だ。明日も良い方向に変わっていく様子に思えた。
   
 健脚3人と再合流 橋の積雪もまだたっぷり 
   
 晴天に恵まれた1日だった  カッパドキアのような岩上残雪
途中で3人が追いついてきた。流石に早足だ。そこからはまた5人で下山。

14:25
車のある白山中居神社横に到着。朝と大違いで満車状態。マイクロバスまで停まっている。
歩数計は24,821歩、脂肪燃焼79.4gと出ていた。

みんなで「満天の湯」に行き、そこで3人と別れた。「またお会いしましょう!」
(3年前は白鳥ICすぐ横の「美人の湯・しろとり(650円)」で汗を流したが、MICKEYは
8年前の残雪の大日岳の登山の時以来となるので「満天の湯」に久々に行くことにした)

道の駅「しろとり」でおみやげを買い、つぎにある「源助さん」でウマイそばと
そば稲荷を食べて、関SAで飛騨牛コロッケをほおばり、高速50%割引が効くように
22時過ぎに高速を出るべく、多賀SAで夕食をとり21時過ぎまで車中でぐっすり寝て
23時に帰宅

今回は3年前と逆に天気に味方され、薙刀山にまで行けて残雪期の野伏ヶ岳から薙刀山の
気持ちの良い雪の稜線を楽しめた。本当に素晴らしい展望の山だった。
 本日のルート(青)/赤は3年前の軌跡
 
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