【鈴鹿】「鈴鹿の上高地」で「やぶこぎネット・第2回オフ会」


「やぶこぎネット・山のフォーラム」のオフが、昨年に続いて第2回目のオフが開かれる
という。
よく知らない鈴鹿の山域だが、地図読み、単独行好きの人が多いオフだけに、行くルート
は沢でも尾根でも谷でも自由で、「ランチタイムに集合し、楽しく顔合わせしよう」という誰
でも参加自由型のオフだ。何人集まるかもよく分からないのも面白い。
【日 時】2007年9月9日(日)
【山 域】鈴鹿中部 神崎川上流域
     第2回オフ開催地は「鈴鹿の上高地」といわれるところで正午集合
【ルート】朝明−カクレ谷左岸尾根−P946m・ブナ清水−P1081・キノコ岩
     −県境尾根−山桜の尾根−「鈴鹿の上高地」にてオフ会
     −タケ谷・根の平峠−伊勢谷−朝明
【天 候】曇りのち雨、のち曇り、のち豪雨
【メンバー】山日和、Y夫妻、piccolo、しょこたん、矢問(+やぶこぎネットの仲間達)
オフ会場は「鈴鹿の上高地」と言うところ。通称といえどもそそられる。
前日から1人でテン泊しながらのんびり行こうかとも考えたが、天気も怪しいし、ヒルと
寝るのもいやなので、昨年と同じく山日和さんと朝5時半に合流すべく、家を4時過ぎに
出て、Yご夫妻も合流し4人が1台の車で行く事になった。

朝明の広い駐車場にはまだ4〜5台の車しかない。集金のおじさんが近づいてきた。
隣の先着車から声がかかった。昨年も参加された「養老の三角点」ことGさんで、今日
は水晶の西尾根からオフ会場へ向かうという。

続いて到着したのは、piccoloさんとしょこたんさんだ。山日和さんがトイレに行ってる
間に、御池杣人さんが到着し、緑水さんも到着。一年ぶりの再会である。
鈴鹿をよくご存じのお二人も、それぞれオフ会場へのルートどりは違うようだ。
先に行くpiccoloさんとしょこたんさん 「緑水さん、御池杣人さん、お先に」
8:20
山日和さん、Yご夫妻、そして僕の4人はカクレ谷左岸尾根を目指して出発。
ブナ清水、キノコ岩という2大観光スポット経由を山日和さんはプランニングしてくれた。

腰越峠への道に入ると、先に出発したpiccoloさんとしょこたんさんに追いついた。
「ブナ清水へ行ったことがないんで行きたいと思っている」とのことなので、我々のルー
トを共に行くことになった。これがしょこたんさんの地獄の始まりに・・・・・
いよいよ山日和ルート? 「ちょっと蒸し暑いなぁ」
谷沿いにしばらく進む。堰堤がある。そしてまた堰堤。またまた堰堤を巻く。
いきなりのバリハイでみんな息が上がってしまった。特にここ1ヶ月ほど山から遠ざかっ
ているYご主人の発汗はスゴイ。「こりゃ、初っぱなからなかなかきついなぁ(^^;)」
「尾根に取り付きましょう」 「きっつい登りや〜!!」
8:55
林道終点手前から沢を飛び石で渡り、カクレ谷左岸尾根に取り付く。
渡ったところで9時の定時無線。各局のコールサインを呼んだが誰も応答なし。

みんなは先に急斜面をヒーハーいいながら登っている。僕もあとを追ったら、Yご主人が
バテておられた。苦しい登りをのあとにはシッカリした踏み跡のある尾根に乗れた。

僕の後ろのpiccoloさんが「矢問さ〜ん、ヒルにやられたよ〜。塩水持ってる?」と。
ディートのスプレーで、足の血を吸い始めたヒルを撃退。それを見ていたしょこたんは
「ヒルはいやです〜!!」と大騒ぎ。二人の足元にも予防のスプレーしておいた。
しかし、ヒルスイッチの入ったしょこたんさんは靴の中の違和感に過敏に反応開始。
「うわ〜、ヒルです〜!・・・あっ・・・違った・・・」と何度もチェックで立ち止まる。

蜘蛛の巣が木の枝の間に、あちらこちらに雪のように付いている。
「矢問さん、この花は芦生にも咲いていますよね」とY夫人。「名前は知らないんです」
とこたえると、Y夫人にママコナだと教えていただいた。山日和さんか写真を撮っている。
「山日和さんが、花の写真を撮っている姿はどうもピンとこないよなぁ」

尾根はかなりの急傾斜である。「なんで山日和さんはペースが落ちないんですか・・」と
しょこたんさんが魂の抜けたような表情になってきた。「もう少しって一体あとどれくらい
登るのかしら・・・」と山日和言葉を素直に聞く彼女に、「真実」を翻訳して教えた。
「ええっ、まだそんなに登るのですか!これ、初心者にはキツイですよね・・甘かった」
と言いつつもなかなかの根性があり、必死で登っている。歩き方がややぎこちなく感じた
ので聞くと、踵にマメが出来ている上に、靴がまっさらで馴染んでいないという。
「こんな岩場あったかなぁ」 「木の根っこをはしごにして」
9:50
なんとか持っていた空からついに雨が落ち始めた。そんな時に、大きな岩の積み重なった
岩場を登ることになった。右から浮き岩に気をつけつつ巻き登り、最後は岩に這う根っこ
をうまくハシゴ代わりにして登る。ロープは不要だったが、根っこのはしごに助けられた。
しかし、Yご主人の調子はどんどん下降気味。汗が止まらず、かなり苦しそうだ。

無線機で10時の定時交信をした。NKF局・とっちゃんが応答し、傘を差しながら泳い
だりして沢ルートを楽しく登っているという。CND局・洞吹さんも応答があり、伊勢谷
を歩いており、もうすぐ徒渉地点とのこと。沢筋の増水に注意を呼びかけた。
PJM局・通風山さん、EPP局・てくちんさんとはうまく繋がらず交信できなかった。
「なんか良い感じの所」 「ヌタ場? 池?」 「もうすぐブナ清水」
10:30
尾根が急に広がり、ヌタ場というか枯れかけの池のある疎林となり、ブナも現われ始めた。
右手からの緩やかな谷を少し下ると「ここがブナ清水ですよ」と山日和さん。
「ブナ清水の水はウマイ!」 「ここを登るのか・・・」
大きなブナの木があって横に水場でもあるのかと思っていたので、大岩の下から清らかな
水が湧き出しているところとは驚いた。とても良い雰囲気の所だ。渇いた喉を潤した。
piccoloさんに記念写真を撮ってもらいつつ一休み。涼しくてスーッと汗が引いた。
「ここも、またきついなぁ」 「あ〜、しんどい」 「あと一息ですよ〜」
10:45
汗が引いたのもつかの間。山日和ルートを甘く見てはいけない。ブナ清水の大きな岩の横
の斜面をジグザグに登り、再び尾根に復帰しなくてはならない。「先に行ってください」
とYご主人は疲労がピークのようだ・・・。膝高の笹の斜面を登る。
通風山さんがすでにオフ会場に到着して誰かと交信しているのがワッチできた。
オフ会場に、通風山さんがちゃんと到着しているのが確認できたのは無線機のおかげだ。

11:10
尾根に復帰したものの、最後に登ってこられたYご主人はかなり苦しそう。
青岳の登山道に出たところでついにリタイア宣言。山日和さんから車のキーをもらって、
根の平峠から下山し、車で待っていますとのこと。ああ・・・残念・・・。
地図が読め、この地を知っておられるY夫人が付き添って下山されることになった。
お二人に別れを告げて「ちょっと遅刻しそうかな」とオフ会場へ4人は急ぐ。
進むルートに水たまりが点在しているが、しょこたんさんは「ジャブジャブ」とど真ん中を歩い
ていく。「なんか、やけくそのように歩いてるね」「足も痛いし・・・もうどうでもいいんです」
鏡餅みたいに重なった岩 「キノコ岩」 少し晴れ間も出てきたが・・・
登山道を進んでいると「キノコ岩に寄りましょうか」と山日和さん。
「遠いんですか?」とpiccoloさんが言うと「直ぐですよ」「では行きましょう」
すこし右へはいると岩が積み重なっている。これがキノコ岩かと思ったらその先の岩場を
登ったところに、これこそが「キノコ岩」というものがあった。S氏の慰霊プレートもあった。
これまた奇妙な岩だ 「こんな所を下るの??」
変わった岩の多いところだ。しかしよくもまあこんな形になったものだと感心する。
「雲がやや薄くなってきましたね。晴れそうかな。」

県境縦走路からしばらく根の平峠方面へと進む。左斜面の崩落地にも奇妙な岩がある。
やや掘れた道を雨水が流れているのだが、我々4人がその水流の先端に追いついた。
「これこそ源流ですね」とpiccoloさん。足元を見て、水の先頭部が流れている様を見た
僕も「ホントホント」と納得する。
洞吹さんから無線でコールがあり、もうすぐ会場に到着するという。みんな早いなぁ。

「山桜の尾根」への分岐を山日和さんが探っている。よくもまあ分かるものだと感心する。
「楽に歩ける道ともまたおさらばかな」と思っていると、しょこたんさんが「ええっ・・・また
こんな所を下るのですか・・・」と不安そう。「あとはオフ会場下るだけ。頑張ろう」
ニセクロハツっぽいのやら、赤いのやら変なキノコが多い斜面だ。
「そう言えば5日の朝日新聞に大阪の摂津峡でニセクロハツを食べた男性が1名死亡し、
2人の男性が入院した記事が載っていたなぁ。クロハツと見分けがつきにくい・・・」

この尾根は思ったほど歩きにくくはない。雨も止んで、空には晴れ間も見え始めた。
しかし、足に疲れがたまっていたしょこたんさんは「休みたい〜」とダウン。
piccoloさんが「山日和さんと、矢問さんは先に行ってください。GPSもあるし大丈夫」
と付き添って休憩するという。「あとはこのまま下れば会場だし、先に行ってますね」
と2人と別れ先行した。
「6人いたのに2人減り、また2人。次に僕がダウンしたら山日和さん1人になるよ」と
二人でニガ笑いしながら下る。「しばらくぶりのYご主人や、しょこたんさんには今日の
ルートはちょっとキツかったかな・・・」とやや反省気味の山日和さん。
登山道に出て確認中 炭焼き窯跡 もうすぐ「鈴鹿の上高地」
この尾根の下部もとても気持ちのいい雰囲気の疎林が続く。「あちゃ〜、1本はずした。
さっき確認したのに・・。左の尾根が正しいけど、このまま下りましょ」と山日和さん。
タケ谷と上水晶谷を結ぶ登山道を横切り、また尾根を外してしまったというが、大したは
ずしでもないし、このままスーッと左へ谷沿いに進めば「鈴鹿の上高地」に到達できる。
途中には炭焼き窯跡があった。

広々とした神崎川右岸台地の一角に出たとき左手から伊勢さんらしき声が聞こえた。
左前方を見るとヘルメット姿の一団が歩いている。ヤマメさんの「おさないグループ」の
沢装束のパーティらしい。また声がした。声がかかる方を見ると青いシートが見える。
今回は女性も多いよ〜 多くのオフ先着組
12:20
伊勢さんが大きな声で「「遅〜い」と叫んでる。もっと河原近くかと思ったが、違ってやや
台地の所。ブルーシートが置いてあったので活用してタープ会場を設営したという。

伊勢さんに「はい、受付のサインをしてね〜」と言われ、マジックで手ぬぐいに到着番号
とハンドル名を記す。僕は13番目だった。これが参加者名簿になるのだ。

シート・タープの中には、昨年もお会いした顔や、初めての顔が見える。
「通風山さん、やっと会えましたね」と握手した。
「矢問さん、遅かったなぁ〜」と、もうできあがっているSHIGEKIさんに声をかけられた。
「山日和さんと矢問さんと僕(SHIGEKIさん)は同い歳なんよ〜」と紹介してくれている。
SHIGEKIさんは、いま発売されている岳人の「秋山」に沢山写真が載った今やスターだ。

我々の到着に続いて、ハリマオさんや杣人さん、とっちゃんの沢遊びパーティーも到着。
通風山さんがワインをついでくださり、みんなで「乾杯〜!」をした。
しばらくしてpiccoloさんと、魂が抜けきってヘロヘロのしょこたんさんも無事?到着。
「ここが上高地ですか??イメージと違うなぁ・・・・」としょこたんさん。
またまたワインで「乾杯〜!」をした。山日和さんからもビールを少し頂いた。
総勢26名、いろんなルートからこれだけよく集まったものだ。

自己紹介と、それぞれが来たルートを説明した。兵庫県、大阪府、滋賀県、三重県など
いろんな所からの参加者が、独自のルートでここに集まったというわけだ。

いろんな方から、美味しい食べ物や飲み物のお裾分けが回ってきた。美味しいコーヒーも
頂いて、楽しい会話や合唱が続いた。「今年は女性が多くて嬉しいよ〜」と緑水さん。
シンボルの「大カツラ」 ハンモックでくつろぐzippさん 「記念写真を撮りましょう」
14:00
楽しい時間は過ぎるのが早いものだ。お開きの時間となり、「鈴鹿の上高地」のシンボル
である「大カツラ」の前で記念撮影。zippさんはハンモック持参で寝ころんでいた。
そして、来年の再会を約束して、それぞれの出発地へと散会となった。
最後の締めは山日和さんの挨拶 タケ谷を進む洞吹さん
昨年のオフの時と同じく、解散を待ってくれていたかのように再び小雨が降り始めた。
山日和さん洞吹さんと3人で伊勢谷をトップで歩いていたが、昼のアルコールが回ってき
た山日和さんが「先に行って〜」と休憩モード。洞吹さんと二人どんどん先に進んだ。
根の平峠 徒渉点はまだ水量は少ない
14:25
根の平峠。ここで土砂降りになり、大急ぎで雨具を着た。洞吹さんは傘をさした。

峠には案内板がある。「ここは根の平峠。滋賀・三重の県境の峠で、標高803m。
中世にはこの街道を多くの商人が利用している。古文書に「ねの上の善右衛門」
「ねの上宿太郎衛門」などが見られるように、かつて集落が存在していたという。
上水晶谷まで35分、朝明キャンプ場まで90分、杉峠まで135分。」

石がゴロゴロしている登山道を進む。堰堤があり、2度の徒渉点を過ぎ、黙々と歩く。

15:00
ガードレールで仕切ってある林道に出た。緑水さんのバイクがあった。
舗装路になり雨もさらにきつくなり、二人はスピードアップ。

15:15
駐車場に到着。朝と違い、駐車場はこの雨なのに車が満杯だ。
Yご夫妻が車で待っていてくださった。「お待たせしました」「ゆっくり寝てましたよ」
Yご夫妻も下山すると靴にヒルがいたらしい。

ずぶ濡れの服を着替えに、屋根のあるところへ行くと「ひょっとして矢問さん?」と若〜い
女性に声をかけられる。「・・・??」「コダマです」「あっ、コダマさん、初めまして!」
コダマさんは、Niftyのフォーラム時代から僕の発言を読んでくれていたらしく「なんとなく
雰囲気で矢問さんだと分かった」とのこと。ご夫妻で登山道の整備もされてるワンちゃん
好きの女性。 (※MICKEYはワンちゃん好きのコダマさんのホームページの愛読者)
タケ谷の出合あたりまで行ったが、「鈴鹿の上高地」の位置がわからず下りてきたという。
他にも分からず下山した人がいるらしい。山頂ではない集合場所は、やや分かりにくい。

山日和さんも到着し、じわじわと朝明に車を置いているオフ参加者が到着しだした。
「ヒルがいた」と山日和さん。結局僕ら6人パーティーでは僕だけがヒル被害無しだった。
次々に到着するみんなも、当然ずぶ濡れで着替えはじめた。

コダマさんご持参の自然破壊反対運動の署名に協力して、山日和号の我々4人はグリーン
ホテル(650円)で汗を流し、栗東IC手前で食事をして帰路についた。
また来年もみんなの元気な顔が見られますように! そして晴れてくれますように!

(温泉を出てから実家の母からの緊急電話が入り、焦りつつも安全運転で21:10帰宅)
本日のルート
この1つ前の記録は「【鳥取】伯耆大山・剣ケ峰から弥山 縦走」の記録です