沢【若狭】耳川−折戸谷水系・割谷から寒風


【山 域】 若狭:耳川−折戸谷水系・割谷から寒風
【日 時】 2009年5月30日(土)
【コース】 新庄−松屋−折戸谷−割谷−割谷ノ頭(P859m)−寒風
      −P841m−P727m−鉄塔・巡視路−湯ノ花谷出合
【メンバー】山日和・とっちゃん・たろー・矢問
    (大阪、兵庫、滋賀、愛知の4府県各1名の混成パーティー)
先週の甲森谷から庄部谷山に続いて、同じく耳川の折戸谷水系へと前夜発し、途中で車中泊。
朝3時過ぎから小降りの雨が降っている。
天気予報は回復基調ではないが、止むだろうか・・・・。
7時半の待ち合わせ場所へ行きみんなと合流。たろーさんとは冠山の登山以来久しぶりだ。
霧雨も上がった。

松屋から粟柄谷林道に入り、折戸谷の林道へ。割谷にかかる橋の手前に駐車して準備開始。
ジムニーに乗った女性3名がさらに林道の奥へと入っていった。
山日和さんもとっちゃんも僕も同じ瓜生氏の本で割谷のことを見ている。山日和さんとた
ろーさんは某山の会の溯行図も見ているので「同じ谷とは思えないくらい違うなぁ」との
感想。「どちらの方が今日の現実に近いか検証するのも楽しみ」と山日和さんと僕。

8:15
「待避所D」の立て札のある割谷にかかる橋の右横からスタート。
橋の下に見える滝はパスして入渓。雨後で水量も適度に見える。
「シャワーか・・・巻きます」 階段状の小滝が頻繁に 「上の倒木が邪魔やなぁ」
くの字に水が落ちる滝へ山日和さんが取り付くが「朝のひんやりした時間にシャワーは
ツライから巻く」と戻る。たろーさんもチャレンジするが「僕も巻きます」と。
4人とも右から巻いた。1〜2mの小滝が続き、朝のウォーミングアップには丁度良い。
「のんびり行けるね」 「よし、左から登るぞ」 「思いっきりシャワー」
2mの滝で山日和さんは水線左を登り、たろーさんは中央をシャワーをもろに浴びて登る。
まだ体の温まらない僕ととっちゃんは簡単に左から巻いた。
まだまだ階段状は続く つぶれた石積みの堰堤
石積みの壊れた堰堤を過ぎると左岸に石垣が長くある。昔の道の斜面だろうか。
左が滑り台のように崩落した広い斜面見ながら、ホイホイ行ける小滝が続く。
いつかは伏流になりそうな地帯・・ 右俣へ入ると癒しの沢筋
8:40
水量につられてまっすぐ行きかけるが、二俣になっておりルートは枝にかくれた右俣。
岩を超えると、立派なトチの木や炭焼き窯跡が点在する緑の美しい沢筋となる。
2mほどの小滝が3段続き水圧とぬめりあり。山日和さんがとっちゃんにお助けロープ。
7mの滝の左岩肌を山日和さんが登る。続いてたろーさんととっちゃん。
僕は右から巻きつつ、登って行くたろーさんととっちゃんを横から激写。
そのあとも簡単な2m程度の小滝が続き、のんびりと楽しめる。
最大?の8mの滝 壁を登って落ち口へ行く山日和さん
この割谷最大?の8mの滝。直登は難しい。左岸の草の生えた壁を登って巻き落ち口の所
へ行く。トップで山日和さんが慎重に登る。最後の木の枝の所の乗り越しがやや難の様子。
ロープが投げられ、とっちゃん、僕、たろーさんと続いた。僕のロープマンUのセッティングが
うまくいかず、ブレーキがかかってしまい、途中で身動きがとりにくくなり再セットもできず、
「ええぃ、腕力で!」とゴボウ同然で腕の力で登ったため、山日和さんに要らぬ加重をかけて
しまい申し訳なかった。最後の細い木の乗り越しがやや不安定。
(少し戻って右岸の支尾根を滝の左からぐるっと巻いても落ち口の先に下りられる感じ)
ミニゴルジュも楽しむ ナメっぽい小滝の連続
その後も小滝が続きあきない。小滝を持ち左へゆるやかに曲がるミニゴルジュも楽しむ。
しばらく平流のような癒しの空間となり、立派なトチやミズナラの木が点在する。
またやっとナメっぽい小滝の連続。その右手へのわかりにくい三宝への分岐が割谷ノ頭へ
南から突き上げる沢筋らしいが、今日は本流をもう少し進み、寒風と割谷ノ頭の間の鞍部
へと詰め上げる予定。
掘り割りのような沢筋 明るい笹っ原に出た〜
11:20
二俣。ここで他の三人は水補給。本流と分かれて右俣へと進む。
掘り割りのような感じになり、水も枯れる。「あっ、鹿の角」とたろーさんがゲット。
4歳の鹿の角のようだ。雪の頃に沢の斜面を滑落したのだろう。沢筋では良く拾う。
次の二俣を左又へと入り詰めると膝より低い笹原となる。パッと明るい笹原で「うわ〜、
赤木沢の詰めみたい」と言うと「ちょっとオーバーだけどプラス思考で見るとそうとも言
えるね」と山日和さん。「鈴鹿の感じにも似てる」とたろーさん。
藪もなく、泥壁もなく、明るくて楽な詰めは嬉しいものだ。
水涸れた沢中へ 寒風と割谷ノ頭の間の鞍部はブナ林
11:50
右岸を歩くが木の枝がうるさくなりまた涸れた沢中へ入り詰めあがると、寒風と割谷ノ頭
の間の鞍部。ブナがあり、ホッとするいい雰囲気。
「割谷を詰めたのだから、割谷ノ頭にも行きましょか」と5分で行ける割谷ノ頭へ。
割谷ノ頭(P859m) 縦走路を「寒風」へと向かう
割谷ノ頭(P859m)は展望も良くなくて、記念写真を撮るだけにして、高島トレイルの
コース上でもある「寒風」へと向かう。
誰もいない「寒風」で展望を楽しむ 「ブナ林でランチにしましょう」
12:05
寒風。誰もいない。ときおり雲が飛び東のマキノの町や琵琶湖の展望が開ける。
「ではブナ林でランチにしますか」と山日和さんのオススメ場所へ。

12:15
ブナ林でランチ開始。まずは沢靴から登山靴に履き替える。「あ〜、スッとした」
ときおり日も差してブナの緑が美しい。鳥の声も多くてうっとりする時間だ。
「今日の溯行では、瓜生氏の溯行図の方が今日の沢の状態に近かったね」とみんな一致

寒風へ向かう3人の人影が見えて女性の声が聞こえた。
赤坂山への縦走路を北へ進む 縦走路から西へ入り、P727mをめざす
13:25
下山に向けて出発。赤坂山への縦走路を北へ進み、途中で縦走路から離れ、P841mへと
西へ入り、P727mをめざし、鉄塔からは巡視路を拾おうという計画。
縦走路では男性2名とすれ違った。
「なかなか歩きやすい」 「立派なブナも点在するね」 写真を撮るのに忙しい

13:50
縦走路を離れて西のP841mへと進む。P841mからは北北西の尾根に乗るのだがコンパス
を見るとどうも南へ向かっている。軌道修正。

素晴らしいブナ林が始まる。そして点在する立派なトチの木。
歩きやすいしこれは良い癒しの尾根道だ。右へ左へと巨樹、巨木を写真に撮る面々。
「なんか臭うと思ったら・・」と子鹿の死体をとっちゃんが見つけた。

P727mでしばしの休憩 山日和さんが小さく見える
14:30
痩せた尾根を過ぎて左へ行くとP727m。
えらく日が差してきたが、木陰で涼しい。休憩タイム。バイケイソウの群落。
おきまりのようにトリカブトも多い。鹿が食べないこの2つは幅をきかせている。
ブヨ(ブユ・ブト)も多く飛んでいて右のこめかみあたりをやられた・・・。
僕は体質的にこれに弱く、やられたとしたら、また明日ぐらいに大きく腫れる・・・
次には「ブーン」といやな羽音・・・。黄色スズメバチが飛んできて怖かった。
たろーさんが細く見える 急斜面のジグザク巡視路

ここからの下りには大きなトチの木が点在している。
山日和さんはあっちへこっちへと大きな木を見ては写真を撮っている。
600m地点から北へ下ると鉄塔付近だが、左手の尾根に立派な木々が見える。
「あっち(左)へ行って、途中で右へとトラバースして鉄塔に向かおう」と決まった。
大きなトチを計測していたらガスが出始めた。トラバースして鉄塔のある尾根に。

15:15
鉄塔。巡視路偵察の山日和さんから「あったよ」と声。とっちゃんも以前に湯ノ花谷に来た
ときに巡視路があって谷へと続いていた気がするとのこと。ジグザグの消えかかっている
巡視路で、尾根をそのまま送電線沿いに北西に下るのではなく、北東の急な斜面を縫う
ように湯ノ花谷へと下っていく。「徒渉はないだろうか・・・」と言うと「林道にそのま
ま出るから徒渉はなかったと思うよ」と、とっちゃん。

15:35
林道。「待避所I」の立て札。ここから車に戻るまで左手斜面を見ながら歩いたが、先週
と同じく、斜面が立っており、最も良いところに降り立ったようだった。
「2週続けてラッキーな着地点でしたね」と山日和さんと笑った。
雨に遭わず、楽しい溯行と素晴らしい尾根を歩くことが出来た。

林道を歩いていると、朝見たジムニーの3人が会釈をしつつ通過していく。
「この時間に下りてくるという事は赤坂山ピストンではなく、沢登りだったのかな」

15:50
車に着いた。山日和さんたち3人は敦賀方面へ。
僕は先週と同じく三方の「きららの湯」で汗を流し、小浜で食事をして名田庄経由で帰宅。
小浜からの帰路で小雨が降ったり止んだりし始めた。なんともラッキーな一日だった。

本日のコース
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