【但馬】明延川・千葉渓谷から須留ケ峰(1053.5m)


【山 域】但馬・千葉渓谷(センバケイコク)から須留ケ峰(1053.5m)
【日 付】2006年8月13日(日)
【コース】和田(田淵)登山道起点−千葉渓谷−2段8m滝−せんばの滝
     −2段20m滝−20m滝−須留ケ峰(1053.5m)
【メンバー】MICKEY・矢問
盆休みで高速も大渋滞らしいので、暑いときには渋滞知らずの兵庫の沢登りに行こう。
5年ぶりの「須留ケ峰」今年の「岳人」4月号に載っていた「せんばの滝」のある沢筋が
とても気になっていたのでチャレンジしてみることにした。
細かいホールド、嫌らしい巻き、わかりにくそうな下山路・・・心配はあるが・・・。
和田(田淵)登山道起点 鉄メッシュの古びた丸太橋
6:40
田淵の「おおさこ橋」の横に広い駐車スペースと「和田(田淵)登山道起点」の登山道の
説明看板。看板の絵地図を見ると1/25000地形図にはない林道と交差している。
「千葉渓谷(せんばけいこく)」へはこの登山道から入り進む。
登山道を進み、鉄メッシュの敷いた丸太橋を慎重に渡り左岸へ。
左に堰堤を3つと左への橋を見ながら登山道を進み左の沢へと入りやすいところから
入渓。小滝を3つ4つ過ぎると、谷は左に曲がる。狭いゴルッジュ帯で溝状3段9m。
「よいしょっと」つっぱったりしながら通過。その上には4m滝、溝状2段3m滝が続く。

正面に細い7m滝。進む谷は左に曲り3mナメ滝、溝状のナメを過ぎると右に曲って、
林道下をくぐる。「ここまで登山道で来て入渓してもいいね」「いままでの小滝も良い
準備運動になったし、気持ち良かった」「それもそうね」
 ※(下山時は左岸の上部についている登山道からこの林道との交差地点へ出る)
小滝が続くね 溝状は足をつっこんで 2段8mはシャワーで登る
7:20
この先もゴルジュが続き、簡単な小滝が続き溝状5mナメ滝を登ると、2段8mが目を引く。
「頑張れば登れそうだな」「でも完全にシャワーやねぇ」「右からへつって行って滝中を
シャワーで左へ移って左の水際を上ればいけそうに思う」「じゃあ、行ってみる」
MICKEYが先行。右からうまくへつって滝中をシャワーで左へ移動を試みるも、水流の中の
足場探しに苦労しているのかシャワーの中でしばらく停止しつつ、左へ抜けた。
「やった〜!最高に気持ち良かった!」あとは左の水際をうまく登り切った。
まず、右からへつって 水流の中の足場へ シャワーをかぶりながら
左へと抜けたよ 左水際を上るわ 「滑るから慎重に登れよ」
僕があとに続く。シャワーで停止したのが理解できた。「よく頑張ったな」「このシャワー
クライム、本当に気持ち良かった」ととても満足そう。「あんなに滝の中で停止していて
息苦しく無かったか」「息止めは別にそれほどでもないよ。ノープロブレム」感心感心。
上段は僕が先行した。「滑るから慎重に登れよ」「わかった」
右から釜をへつれば楽勝 ホイホイ簡単
その上の3mナメ滝などを通過し、1mの下のやや大きめの釜を右からへつっていく。
右からの支流が入り、右からの登山道と交差し登山道は左へと登っている。
「下山はこの登山道を下りる予定」「なんか荒れてる道の感じがする・・・」
導水管の岩壁から冷気が出ている 「せんばの滝」
7:40
ゴルジュも終わり平流を歩くと、「イヤに冷たい冷気が吹いてくるね」と上を見ると黒い
導水管が谷を横切り左岸の導水管の通る穴から冷気が吹きだして霧になっている。
そこを過ぎてすぐ右から滝が落ちている。正面はゴルジュになっていて、5m位の滝。
この右からの滝が「せんばの滝」だ。まずは休憩しつつ偵察。
せんばの滝の右岩面を登る せんばの滝上段にも滝が続く
「右手の岩盤を木の根をつかみ登ってみる」と僕が先行。MICKEYも続く。上には2m、
3mと続き、右側の壁にへばりつくようにへつって通過する。
Y字5mの滝を登るわよ ホールドが細かい!
ナメ床が続き、Y字5mの滝。MICKEYが果敢に挑戦。右手の流れの中に「足場がなか
なか無いのよ〜」と苦労している。ホールドが細かい上に、流れに足を飛ばされるらしい。
やっとのことで足場を見つけて通過。「あんたはスゴイ!」
「2段20m、大きいね」 右を巻きつつ眺める
ナメ床と小滝を過ぎていくと「大滝が見えたよ〜」とMICKEYの声。
「おおっ、すごいなぁ」ゴルジュに2段20mが堂々と待ちかまえている。
2mを越えて右に支流を見つつ進むと、滝直下。大きな釜を期待していたが無い。
ここからは、上の10mは見えない。休憩しつつ周囲を見渡す。
上段に続く10m滝 これも巻きつつ眺める
「右手のリッジから大きく巻くか」と岩と木の根をつかんで登っていく。
綺麗な樹林帯が広がった。滝から離れないように登る。MICKEYが滝そばに回りこんで
行くと「1段目の落ち口に降りれそうよ」「たしか、その2段目は左の方を登ったという滝」
「私たちとはレベルが違うし、私は巻くわ〜」「ホールドはあるらしいけど・・・僕も巻くか」
下を見ると高度感がスゴイ。怖がり2人組は巻くことに意見が一致した。
「20mの滝がまた出たよ」 「向こうに滝が見える」
12mナメ滝に続いてその先に20mの滝がまたまたあった。
右手のリッジに木の根をつかんで取り付いて巻き始める。
20m落ち口に向かって行くも、斜面通過がある。こういう所が得意のMICKEYが「行
けそうよ」と先行。斜面に滑りそうになりながらも何とか行けた。
沢の水でMICKEYは余裕で顔の汗を流している。4m、7mナメ滝、5m斜瀑と簡単に
登れる滝が続き、15mミゾ状ナメ滝、2段6mナメ滝、7mの右を登ると、Y字6m。
これは右を巻く。
「修行できそうな滝ね」 「う〜ん、最後の一手が・・」
9:05
続く3mを越えるとナメ床の先にすだれ状の二条8mが落ちている。
左を簡単に巻けるが「登ってみよう」とMICKEYが右の水流を目指して右からに取り付
く。が、どうも下から見るとの違って難儀している。僕が交代して試してみるが左手の
ホールドが無いのでバランスが取りにくい。「う〜ん・・・悔しいが・・」ビビリが入る。
「やめて左から巻こう」「そうね、簡単に巻けるのに無理して落ちたらバカみたいだし」
先に僕が下りて左から簡単に巻いた。MICKEYも続いたが、下りるのに苦労している。
滑床がしばらく続く 「最後の4mの滝ね」
しばらくナメ床をのんびり歩くと、もう水もチョロチョロになった。
黒い鹿よけネットがどこからか流されてきている。最後の4mの滝を登る。

9:30
右からの細いナメ支流を見つつ進む。両岸には膝高のサンショの木がずっと流れのそばに
続いていて良い香りがする。最近伐採したのか倒木が多くなる。
ゴロ岩のガレ沢筋を登る 「あと5分で山頂だぞ」
だんだんと岩がゴロゴロしたガレ沢になる。「御在所の沢を思い出すわ〜」とMICKEY。
ゴロ岩の沢筋も終盤になり緩い岩壁を登り次第に傾斜を増す斜面をあえぎながら登り樹林
帯の木をつかみながら「あと少し」と言い聞かせつつ登ると、スッキリした二次林。
大杉山がかっこいい 5年ぶりの須留ケ岳の山頂
11:00
二次林になると5分も登れば、5年ぶりの須留ヶ峰の山頂
山頂の草が減ってやや広くなっている。以前と同様に大杉山がかっこよく見える。
涼しい木陰で、昼食をとりつつ沢装束からハイキング姿に着替える。
ブト(ブユ)も蜂も多くてうるさい。アウトドア用の虫除けファンを試す。効果無し。
「やっぱり日本の夏は蚊取り線香が良さそうね」「今日は持ってきてない・・・」

「うわっ、ヒルがいる」と靴を履き替えてたMICKEYが叫ぶ。2箇所軽くやられていた。
ディート入りの虫除けスプレーを吹きかけるパッと離れて苦しみながら死んだ。僕はヒル
の被害なしだったのに、ブト(ブユ)に右耳たぶと左手首をやられ、腫れ始めた。
「下山路こそヒルがいるので注意しないと」と足元にしっかり虫除けスプレーをする。
「下山路が分かるか不安よね〜」 「シダで踏み跡が見えないよ」
11:35
下山開始。「登山道が分かるかなぁ・・・」「割れて落ちた田淵方面って札があるよ」
赤テープとピンク紐が所々あるのでそれを追って滑りやすい尾根道を下る。

北から西に進路を変えてガレた谷に降りていく。「ひどい登山道だなぁ。道とは言えない。」
「こんな道で登りたくないね」途中にクサリ場がある。ガレ谷下りだ。岩に白ペンキで丸印の
あるところから右岸に移りさらに下る。少し水が流れ出し、水を飲む。テープに従って左岸に
渡り返すと、「これより沢登り」の登山道の看板。こんな登山道ルートでの登りは楽しくもなく
お勧めできない。その先の腐りかけた4本丸太の橋をこわごわ渡り、木地師屋敷跡で休憩。
腐りかけた4本丸太の橋 「せんばの滝」の札と滝
その先には「せんばの滝」の札がついていて対岸に滝が落ちている。沢を横切り左岸の登
山道を下り林道へ。林道を左に少し進むと、右下に見える「田淵」の看板に従って登山道
に入り、沢の左岸を進む。堰堤が見えてきたらもうすぐ登山口だ。
「やっと林道に出たね!」 林道から右下への田淵の道標
13:20
駐車場へ到着。登山靴から普段の靴に履き替えると・・・・。「ひぇ〜・・・またいたよ〜」
MICKEYの靴から3匹、僕の靴から1匹のヒルが登場。スプレーで殺した。
今日も西からの沢で、暑くなくシャワークライムで快適だった。

がら空きの「やぶ温泉」で汗を流し帰路へ。思いっきり沢登りした後の温泉は気持ちいい。
近場の須留ケ峰で、こんな立派な沢登りが楽しめるとは思いもかけなかった。
ただ、下山ルートはテープが無くなると本当にわかりにくい廃道に近い登山道だと感じた。
本日の沢登りルート  赤:遡行ルート 青:下山ルート
この1つ前の記録は「敦賀:黒河川・口無谷から岩籠山」の記録です