【江美国境】残雪の音波山 872.6m


【山 域】 江美国境稜線:音波山872.6m
【日 時】 2010年2月28日(日)
【コース】 八飯・樫尾谷林道−P690m−県境尾根−音波山872.6m
      −北尾根−徒渉−樫尾谷林道・駐車地点
【メンバー】山日和、とっちゃん、ひい、バーチャリ、グー、kissyan、
       ふ〜さん、矢問
山日和さんの「スノー衆は行く」第2弾の、江美国境稜線の名峰・上谷山に参加するのは
大阪、兵庫、滋賀、三重、愛知、岐阜からの13名。しかし予定日27日(土)は天気が
悪そうで中止。翌日の28日(日)に福井県今庄に朝6時半集合となったため、参加者は
8名となった。

実家の用事を済ませて、名神高速をすっ飛ばす。
無線D-STARでJE3RLLさんが「気をつけてね〜」と声をかけてくださる。
杉津SAに23時到着。ここで仮眠。MICKEYから「雨が降り出したよ」とメールが来る。
1時間もするとこちらも雨が降り出した。「本当に予報通り朝6時から晴れるのかな・・」
チリ大地震の影響で大気の状態も変化するのでは・・・と、天気図を2時、4時・・・と
見ていると、朝6時からの降水確率0%が20%、30%と悪化。「ウソだろ!!」
雨はいっこうに止む気配がない。杉津SAから今庄の集合場所へと行った。

6時半にみんな集合するも、雨は全く止まない。「7時まで車内で待機」と山日和さん。
いっこうに止まない・・。「広野ダムまで行ってみるか」と出発。予想通りトイレまでの
除雪。行くはずの林道はまだ1m位の積雪があるが山の斜面の雪解けは早いようだ。
山スキーの人がテント泊していた。「8時まで様子を見よう」それでも止まない・・・。
8時45分、雨が止み始めたがもう1196.7mの上谷山へ登るにはキツイ時刻。
「今日は解散か・・・」「せっかくだから近くの山に行く?」しかし地図がない。
「音波山なら地形図は頭に入ってるし、3時間で山頂に行けるかも」「それにしよう!」
八飯の集落へ移動。林道入口のマンホールがとれていて進入禁止だったが、自己責任で
各車マンホールをまたぐようにして林道へと入る。堰堤手前で除雪が終わっていた。
昨日の雨と雪解け水の水量が半端ではない。ゴーゴーと音を立てている。雨は止んでいる。
雨後で雪解け水の勢いがすごい 巡視路の細い橋を渡る
09:20
代替え案の音波山へ出発。GPSで位置と予定ルートの確認。10分ほど右岸の林道を歩き
雪の積もった橋を渡り左岸を進む。下はすごい水量の雪解け濁流が音を立てて流れている。
お地蔵さんの祠を過ぎてから20分ほど歩くと巡視路の細い橋。これを渡り右岸へ。
5分ほど歩いた所の斜面を見上げる山日和さん。
後続も頑張って登る まだヤブがうるさい斜面
10:00
「こんな所登らないよね・・」とバーチャリさん。「ここの斜面をスノーシューで」号令。
斜面は雪が少ないので所々藪が顔を出しているのと昨日の雨でズルズル滑る。
「こりゃたまらん」と途中で一旦スノーシューを脱ぐことに。そしてさらに登る。
藪がうるさくて右へ左へ。雪を踏むルートで山日和さん。すぐ右手の仕事道を進むバーチ
ャリさんと僕。みんな服が藪やツルで引っかかり格闘している。
そして雪がつながった地点で再度スノーシューを履く。
尾根の雪が歩行を楽に 鉄塔横からの眺め
11:20
送電線鉄塔Ca550m地点。標高差300m登ってきた。隣の斜面に林道が見える。
「もうここでテーブル作ってみんなを待ってるわ〜」とバテ気味のグーさん。
「待っててもここを通って下山しない。もうすぐブナが始まるし頑張って」と山日和さん。
ヤブがマシになった 林道との交差地点
20分ほど登ると林道と交差。地形図からこの林道を右に行けば進む尾根筋と合流するが
山日和さんがそんな事をするはずがない。尾根筋斜面にぶら下がっている残留ロープの所
から土壁をスノーシューのまま登り、みんなもそれに続いた。登ると反射板があった。
おいしそうなキノコが木になっている。ツキヨタケではない。
ムキタケと見たが、だれもキノコに自信がないので昼の時間に食べようとは言わない。
ブナが出だしてみんな元気になる 穴のある古木
12:00
フクロウか鳥の巣になりそうな穴のある古木を過ぎると地形図のP690m三角点の地点。
「一つの三角点はクリアーしたな」雪の下で三角点は見あたらない。
P690m三角点の地点 右が切れている地点
右が切れている地点を通過する。地形図を見るともうすぐ右から林道が迫ってくる所だ。
Ca700m地点あたりからブナが出だした。一瞬だがガスがはれて薄い青空が。
「良い雰囲気の所ね〜」とひいちゃん。「ホント、いいわ〜」とバーチャリさん。
幻想的な雰囲気 立派なブナがあれば寄り道
「もうすぐブナの老木があるので、そのあたりでランチにしよう」と山日和さん。
「矢問さ〜ん、先に行って雪スコでテーブル作っておいて〜」と後ろからグーさん。
ヤブコギでゴアの雨具にかぎ裂きを作ったようだ。「ゴアのリペアテープで直すといいよ」
立派なブナ とっちゃんが小さく見える
13:00
風が吹き出して寒い。雨後の湿気でガスもはれない。風の当たらない所を探すがうまく
行かない。ブナの老木より少し上に登ってそこをランチ場所にした。
雪スコでランチテーブルのセッティング。「いただきま〜す」「乾杯〜」
女性陣やふ〜さんからチョコレートやいろんなものが回ってくる。「ごちそうさま〜」
さて食べよう あたたまるよね〜
無線機VX-8DでAPRSにトライ。位置情報を発信。うまく反応が返ってこないが、どこかの
無線局のI−GATEが受けてくれているだろうか・・・。
Google地図に表示された僕らの位置情報
(ちゃんとGoogle地図には位置が出ていた!。60kmほど北の芦原温泉近く、福井県
あわら市のJH9YVW局のI-GATEが電波をキャッチして下さっていたのだ!
これで家にいるMICKEYにも現在地が伝えられている)
「エエ雰囲気や」と山日和さん 稜線に出た
14:00
出発。時間が遅いので音波山のピークはあきらめて、そのままピストン予定が「もう少し
藪の少ない楽な尾根で下る?」という山日和さんの言葉に、グーさんが反応し結局山頂を
目指すことになった。寒いのでkissyanと僕が先に登りを開始し始める。
「えっ、下るのと違うの?え〜っ、まだ登るの〜?」とグーさん。
その尾根はここから標高差70mほど登り、県境尾根を西進した山頂の少し先の北尾根。
「しゃ〜ないなぁ。行くか〜」とグーさんも動き始める。

この登りも立派なブナが点在する。普通ならガスで展望も無くてつまらない登りが、若い
ブナ林に立派なブナが点在していて、ガスでかえって幻想的な雰囲気をかもし出している。
15分も登ると県境稜線。ここから西進する。ガスが濃い。
折れた幹を持つブナ
右斜面に折れた幹を持つ立派なブナ。当然ながら寄り道。「すごいなぁ」と幹をトンネル。
「もうすぐ山頂ね〜」とひいちやん 音波山 山頂
14:25
音波山 872.6m。「やっぱりピークを践まないとね〜」とみんなから声。
今日2つ目の三角点地点。ガスで展望が無いのが残念。記念写真。
山頂のすぐ近くの立派なブナを見に こりゃすごい!
山頂から少し西へ行った右斜面にも立派な千手観音のような立派なブナの古木。
「ここでこそ記念写真撮らないとね」と、またまた記念写真。さて下山を急ごう。
下るぞ〜 「ドテッ」続いて「ドテッ」 尻セードのグーさん

北尾根に入るのをトラバース気味にルートを取る山日和さん。
一旦谷筋に下り、少し登りかえし尾根に乗る。谷筋へは尻セードあり、スノーシューで
スキーもどきありでビユーンと下る急斜面。バタンとバーチャリさんが前のめりに転ぶ。
助けようと次に下って行くとっちゃんが手をさしのべて「ウワッ」同じくバタンと倒れる。
シャッターチャンス!(ごめんね〜) この斜面にも立派なブナが点在する。
どんどん下れ〜 気持ちいいね
なだらかな雪の斜面はスノーシューにぴったりだ。「良い感じの尾根よね〜」と女性陣。
「あっ、マンサクが咲いてる」とひいちゃん。黄色い花がついていた。

ヤドリギの種子を包んだヒレンジャクの糞が糸を引いてブナの枝からあちらこちらに
透明のゼリー状にぶら下がっている。「誰かの鼻水みたいむと笑い声。

子熊の足跡があちらこちらに・・・親熊も近くにいるのでは・・・「以前、この尾根を下
った時も沢山の熊の足跡があった」と山日和さん。熊の住みかと近い尾根か。
ここもちょっと急だった もうブナともそろそろお別れ
このいい雰囲気の雪斜面ももうすぐおしまい。もうすぐ急斜面が続く。
左手斜面には雪解け水が轟音で流れ落ちている。
「林道への徒渉点は以前飛び石で渡れるくらいのくるぶし程度のチョロチョロ水量だった」
と言う山日和さん。
「上流があれだけの水量・・チョロチョロそんなわけない・・」濁流の徒渉を覚悟した。
そろそろ藪が・・・ 「ゲキヤブや〜」とグーさん
だんだんと藪がうるさくなってくる。「また山日和ワールドや〜」とグーさん。
「藪が出たら山日和ワールドと言わずにブナ林で山日和ワールドと言って欲しいなぁ」と
山日和さん。どっちも山日和ワールドに違いない。ヤブコギ有りでスノーシュを脱ぐ。
「エッ、あの水量の川を渡るの?ウソ。水の中に入って?」とバーチャリさんは目を白黒。
「山日和さんのオフは徒渉もつきものなんですよ。メモしておいてね」と僕。
下に濁流の川が見える 徒渉点の水量を見つめる山日和さん
16:05
徒渉点を見つめる山日和さん。濁流が音を立てている。右先には林道が見える。
「最後やし、濡れて渡るか〜」「足を水圧で飛ばされないようにしないとね」と言って
先行して徒渉しかけた山日和さんのストックが濁流に流されて行った。「ア〜・・・」
濁流の水圧のすごさを目の当たりにした僕たちは、ふ〜さんの提案でザックのショルダー
ベルトをお互い持ってのスクラム徒渉を試みることにした。
「行くぞー」「うわっ」と水圧で足を取られるバーチャリさん。
「足を上げたら水圧で飛ばされるよ。沢登りの徒渉の要領ですり足気味で」「了解〜」
渡り終えて川を見つめる 積雪の林道をどんどん戻る
水は膝よりやや上まで水圧で登ってくる。雨具もスパッツも意味なさない水量と水圧。
もう靴の中は雪解け水で水浸し。まあ、あとは林道を歩くだけだし大丈夫だ。
「バーチャリさんも山日和オフの洗礼をほとんど受けましたね」と僕。
「藪あり、急斜面有り、徒渉有り、今日は無いけど闇下あり、ですね」とバーチャリさん。
グーさんは上流でもう少し浅くてマシな徒渉点を探して単独で渡ったようだ。
流れていった山日和さんのストックが無いかをながめる面々。見つからない・・・・。
「無事下山できました」
スノーシューを装着。靴の中は沢登りのあとのような感じ。
そして朝来るときの教訓で、スノーシューをずっと雪が切れるあたりまで林道を履いて
歩いた。16:45巡視路の橋の所を通過、17:00お地蔵様の祠を通過。

17:05
林道の駐車地点に到着。ここでふ〜さんとお別れ。自宅で採れた柚を頂く。
残りの者は冷えた体を温めるべく、花はす温泉へと向かう。
この温泉は2006年2月にMICKEYとホノケ山に登った帰りに入ったことがある。
温泉後にみんなで食事会。
予報がはずれて雨が長引き、上谷山には登れなかったが、山日和さんの代替え案の
音波山での楽しい山行ができた。
「山日和さん、ありがとうございました〜」19時40分解散。

休憩無しに高速を飛ばしたが、米原−彦根の渋滞。APRSで車の軌跡を見ていて心配して
くれていたMICKEYから「遅い!」とメールが来た。
同じくAPRSの車の軌跡を見てJE3RLLさんが無線で「お疲れ様〜」と声をかけて下さり
しばし高速道路を下りるまでQSOしながら走行。
往復442km。帰宅したのは22時半過ぎになった。今日もよく歩いた。
本日のルート
この1つ前の記録は「【比良】残雪期の武奈ヶ岳」の記録です