【紀泉】山ネット サポート山行・大福山と俎石山


【山 域】 紀泉アルプス:大福山427mと俎石山420m
【日 時】 2010年11月14日(日)
【コース】 六十谷駅−大関橋−小川地蔵尊分岐−大福山辯財天上り口
      −六十谷道・北進−大福山−俎石山−大福山−井関峠
      −小川地蔵尊分岐−六十谷駅
【メンバー】視覚障害者9名、晴眼者サポーター22名 計31名
今回の視覚障害者の登山サークル「山ネット」の例会山行は、和歌山県と大阪府の境界
尾根にある大福山427m。
天王寺での集合時間が早くて遠い。こういうときは視障者をサポートするサポーターのドタ
キャンが多いというので、応援に行くことにした。5時40分に家を出て天王寺に向かった。

3名の欠席とさらに当日欠席もあり、視覚障害者9名の参加に対して、サポーター22名と
5名ほどの不足日となった。しかも、参加サポーターの中にも足や体調が良くなくて、視覚
障害者のサポートを担当する状態ではない人もいるとのことで、今日の担当リーダーの
Yさんが困った一幕もあったが、Yさんはメンバー組み替えの工夫で5班を4班に再編成。
「これでなんとか行けるわ」とのこと。天王寺から8時13分発の快速電車に乗り込んだ。
途中の駅で合流乗り込み予定のヒラリーさん含む2名の参加女性も無事合流。
川沿いを歩いて山に向かって行く 小川地蔵尊の分岐を左へ
川沿いを歩いて山に向かって行く 小川地蔵尊の分岐を左へ
9:15
六十谷駅で初参加のヒラリーさんの自己紹介の後、各班で出発。千手川沿いを奥畑集落まで
北上していく。
周辺集落の女性に「なにか今日はあるのですか?こんなに沢山の人が来て」と聞かれた。
静かな集落に、賑やかな山ネットの人たちの談笑が響く。
1台の軽トラが猟犬を積んで抜いていった。無線機のアンテナもついていたので猟がある
のだろうか・・・。

10:00
出世不動明王参道という石柱を過ぎ、椎の木地蔵尊を過ぎ、小川地蔵尊の分岐で小休止。
往路は左へ進む。すぐにハンター達がよく利用したという尾根の道「滝谷尾」が左にある。
最近は登山道として利用されているらしいが、今日は滝谷尾を登らず右へと北進して行く。
緩やかな坂道で、えさのミミズを探し回った猪の掘り返しが続く。
サポートロープをしっかり持って やせ尾根の通過は慎重に
サポートロープをしっかり持って やせ尾根の通過は慎重に
10:40
「ここから急登ですよ〜」と大福山辯財天上り口に着いたYさんの声が無線で聞こえた。
「バーン、バーン」と猟銃の音が3度聞こえた。やはり近くで猟をしているのだろう。

昨日登山靴の購入につきあい、今日初めて登山靴を履き、山を歩くのも初めてというヒラリー
さんは「登れるかなぁ。もう汗だくなのに」と笑っている。額には玉のような汗。
「一歩一歩登れば大丈夫」「今日は楽なコースだから心配ないよ」とみんなから声。

GPSで確認すると、地形図の破線とは全く違う位置に境界尾根への登山道はついている
のがわかる。地形図の波線道はもともとは道が有ったらしいが今は踏み跡すらないようだ。

いつも元気なFさんが、顔色が悪いし身体がどうも動かないようでおかしい。
Fさんの体調を見つつラストで進むことにした。

尾根に乗りFさんの息を整える。Fさんも高低差のない尾根道の六十谷道に出て顔色も良
くなってきた。みんなの姿はもう見えないが、無線で今の状態を各班長に伝えつつゆっく
り進んだ。六十谷道は平坦な道でFさんには良かった。一部やせ尾根もある。
和歌山は冬でも沢登りに来たこともあるが、流石にまだ暖かくて、紅葉とはほど遠い。

奥辺峠で小休止。実を沢山つけた柿の木がある。この山を含む催しがある日のようで、
どんどんと下山してくる。腕章をつけている係らしきに人に聞くと、毎年は300人以上来るが
今年は少なく150人程度とのこと。
あと一息で大福山だ 大福山山頂
あと一息で大福山だ 大福山山頂
11:45
大福山山頂 427m。今日の目的の山頂だ。
百年以上前からあるという「大福山」と彫られた山号石と祠がある。ベンチもある。
地元お年寄り達の手で、下にあった山号石がここまで持ち上げられ、新しく観音様や
辯財天様が祀られたという。
大福山地蔵尊も麓から持ち上げられたらしいが、大福の地蔵尊は見あたらないらしい。
曇っているのと黄砂の影響で、山頂からの展望は今ひとつだった。

「ここで食事にしま〜す」とMさんの号令で、おのおのランチタイム。
テーブルベンチもあるが展望のきく斜面で食べることにした。ヤマユリの保護柵がある。
VX-8にてAPRS位置情報発信/兵庫県経由で四国へ飛んだ
VX-8にてAPRS位置情報発信/兵庫県経由で四国へ飛んだ
Mさんが初参加のヒラリーさんに、僕とはもう15年来のつきあいということを話しているの
を聞きながら、VX-8にてAPRSで位置情報を発信した。

天気予報では和歌山北部は昼から30%の降水確率だったが、今日は持ちそうだ。
「俎石山が一等三角点本点で有名で、すぐそこなのにね」というと、Mさんは「行きたい。
痩せ尾根を後ろからサポートして欲しい」と言う。「私も行きたい」という声が広がった。
標高も大福山より俎石山が7m低くて、片道15分程度だ。待って休憩するヒラリーさんや
その他数名を残して、視覚障害者とのサポート編成をして俎石山へと向かった。
一旦下ってやや痩せた尾根道を北進。
一等三角点本点に触れるYさん 一等三角点本点に触れるYさん
俎石山の山頂 一等三角点本点に触れるYさん
12:35
俎石山。立派な一等三角点本点だ。しかし、角が割れていたり修復の跡が痛々しい姿。
三角点に埋め込まれた丸い黄色い物は、国土地理院が埋め込んだICタグである。

Yさんはじめ視障者の方達は三角点に触れて満足そう。
記念写真を撮り、北の展望所に行っても今日は黄砂と曇り空で関空方面も見えないだろう
から、行かずにみんなの待つ大福山へ戻ることにした。

大福山に戻る途中、D-STARの有田レピータにカーチャンクすると、有田市のJR3EQGさ
んが、応答して下さり、メリット3ながら先日のJARL和歌山支部でのD-STAR講習会に
伺ったことを話すと、急用で行けなくなり会えずに残念だったとおっしゃって下さった。
FさんとYさんのお祝い さて下山。下り坂に注意して。
FさんとYさんのお祝い さて下山。下り坂に注意して。
大福山に戻り、FさんとYさんの喜寿の祝いをろうそくの付いたバウムクーヘンで祝った。
しばしの休憩時間に、六甲山からCQを出されていたJG3MBLさんに応答。
2年前の9月に六甲山からと四国の剣山から繋がったことがあるので2年ぶりだ。

13:20
大福山から下山開始。復路は井関峠を経由して戻る。サポーターの的確な指示もあり、
急な下りにもKさんはじめ、みんな本当にうまく足運びするようになったと思う。
今日初参加のヒラリーさんは、視覚障害者の方達が、自分よりしっかりとした足取りで
登ったり下ったりするのを目の当たりにして、目を白黒させている。
井関峠の東屋で小休止 ろくろ坂途中の「大福の名水」
井関峠の東屋で小休止 ろくろ坂途中の「大福の名水」
13:45
井関峠。東屋もあり小休止。懺法ヶ嶽の横を通り、バベ尾の登山口を右に見て、ろくろ坂の
途中に3本出ている大福の名水でのどを潤す。

14:55
牛神さまの祠前で小休止。沢山の牛の置物が備えられていた。
朝の分岐点の小川地蔵尊の所に出た(15:05)。
無人販売所で、地元の柿や梅干しや小芋やネギを買う人もいた。下見の時に買ってみると
安くてとてもおいしかったという。川沿いの道から下の河原をのぞくと、うり坊が走っていた。

15:50
六十谷駅からみんな無事乗車し、それぞれ便利な駅で解散となった。
今日初参加のヒラリーさん、「登山靴の安定性には感心したし。良い靴を買ったねぇと皆さんに
言ってもらえたし、足も痛くなかったし、よく歩けたものだと自分に感心したわ〜」とのこと。
初めての登山靴での歩行と登山のヒラリーさん、筋肉痛が出ませんように。

18時半に帰宅完了。天気予報が外れて丸一日天気が持ってくれて本当によかった。
本日のルート 六十谷駅から時計回り
この1つ前の記録は「【比良】黄葉期の武奈ヶ岳」の記録です