【沢】南紀 高田川・内鹿野谷から白見山


【行き先】 南紀 高田川・内鹿野谷から白見山(925.9m)
【日 付】 2001年11月24日(土)〜25日(日)
【コース】 1日目:学童水車小屋〜左岸導水路〜堰堤〜右岸郷尽谷出合・入渓
          −二条12mの滝−ナマズ口の滝13m−一枚岩13mの滝
          −一ツ落の滝40m−栂ノ戸滝40m−二俣手前でテン泊
      2日目:テント場−二俣・右俣−白見山(925.9m)−十字路のコル
          −仙道−テン場〜導水路〜口高田集落〜駐車地点
【天 候】 晴天
【メンバー】矢問&MICKEY

自宅を午前0時15分に出発。午前4時30分に168号線「道の駅・熊野川」
に着いて仮眠。6時30分に起きたら濃霧。川からどんどん水蒸気が上っている。
「晴れるさ」ゆっくり朝食を食べて、13キロほど先の水車小屋へと移動。
県道230号に入ってしばらく走ると正面の山肌に大きな滝が見える。

水車小屋に着いたときにはピーカンの青空。

8:25
一泊の荷物は重い。出発。左岸の民家横を通り堰堤へと向かう。導水路のパイプ
が数本走っている。8:40壊れた堰堤の所で右岸に渡り前進。

8:53左からの郷尽谷との出合。ここから内鹿野谷へと下り右岸際を進む。

細かい砂地はフカフカ。右から枝谷。
淵あり大岩あり倒木ありで結構暑い。「静かで良い感じ」とMICKEY。
ゴーロが続く。

右岸に炭焼きの窯跡もある 「倒木が多いわねぇ」

10:15

小滝を越えると左からルンゼ。4m程のナメを越えると二条12mの滝。「ゴー
ロのあとにこういうのってホッとするなぁ」右を巻くと、滝の落ち口上に1本丸
太の橋がぶら下がってる。虎ロープが斜面にあり手はそれに頼るのかも。「こん
な丸太を通れるカイナ。ゆれるし怖いし、落ちたら滝に吸い込まれる。BAKUさん
たちもここを通ったのかなぁ。ちょっと戻ってもう少し巻くぞ」巻いて沢に降り
た。左から水越谷。右を進む。トユ状の小滝を越えると左にグイッと曲がる。

12mの滝の落ち口 こんな丸太を右から左に渡れない(^^;) 綺麗にトユ状になってる

10:40
前方にナマズ口の滝13mが見えナメが続く。「暑いねえ」としばし休憩。「フリ
ースなんか要らなかったかも」ここは水際の木をつかんで直登する。
「気をつけろよ〜」と上から見守る。

ナマズ口の滝・13m 水際の立木をたよりに登る

ここからはトユ状のナメと広いナメがしばらく続き、谷は左に大きく曲がる。

11:25
一枚岩にかかる13mの滝。ここも右を登る。

すると「うわ〜すごいぞ!一ツ落の滝や〜」落差40mは圧巻である。
「全然急ぐことは無いので大休止しよう」

この40mはすごい!

MICKEYはいつの間にか半袖のTシャツ。ホントに暖かい。滝よりの立木の直登も
可能らしいけど、こりゃ巻きマッセ〜。でも壁がなかなか立っている。
右の壁を登る。汗がしたたり落ちる。
登りすぎと右にやや行きすぎるので左にルートを調整しつつ進む。なかなか手強
い。「あれっ、滝の落ち口より上や。」すでにその上の栂ノ戸滝40mの横を巻き
あがってる形となった。「このまま登り切るぞ〜」と言ってると稜線に出た。
滝の右中腹ってところ。小休止。風が冷たくて気持ちいいが、2人とも汗だく。

その上に続く40mの滝

「ホントに冬かいな。暑いなあ」「風が冷たくて丁度良いね」稜線を少し進み、
また壁登り。左へルートをとりつつ沢から離れないように注意して登る。

12:43
ルンゼ状のところを降りると「ピッタシカンカン(^^)v」すぐ10mほど下に落ち口。
立木もあるが安全を期してロープで落ち口の横に降りる。5mの滝を左から
越えてナメ滝6mを越えると二俣(13:00着)右を進む。

左の立木の縁を登る 擂り鉢のような左側を慎重に進む

8分ほどで登山道のしっかりした丸太橋がかかる所に来る。

右岸は伐採の杉で一杯だ。さらに5分ほど
進むと怪しい二俣。「これが二俣かなぁ。この先にまた二俣あるのかも」といい
つつ、キンゴさんやBAKUさんはテン場をどこにしたんだろうと探すが適地は無い。
少し戻った左岸にテント1つは張れる場所を発見。

14:00
整地してツェルトを張る。その間にMICKEYは焚き火の薪集め。「このツェルト広
いね。なかなか良いやん」とMICKEY。「キンゴさん達は橋の手前でテン泊したみ
たいよ」とキンゴさんの記録をプリントアウトしてきたようだ。「もっと早く言
え〜(^^;)。ここもええところだしここにしよう」落ちてる丸太をのこぎりで切ったり、
夜の食事の準備も出来たし、遅い昼食をとって寝不足の僕はお昼寝タイム。
「ポカポカ陽気で最高やねぇ(^^)v」「水もおいしいし(^^)」

今宵のお宿(^^) 左の河原で食事

17:30
夕食はみそラーメンとおにぎり。焚き火にアルミ箔につつんでさつま芋も放り込
んだ。月も星も綺麗だ。「僕の部屋より暖かい夜やなぁ。焚き火の横は汗が出る」
「結局フリースはお荷物だったねぇ」「シュラフカバーだけでよかったなぁ。シ
ュラフも荷物や」と、MICKEYは初めての沢での夜を充分楽しんだようだ。

靴下も直ぐ乾くね〜(^^)

20:30
火の始末をして、明日のために早めの就寝。
暑くてシュラフから上半身は出して寝た。

6:00
うっすら明るくなり、焚き火の用意をしてお湯を沸かしてMICKEYを起こす。霧も
なく澄みきった空だ。「みそ汁作るね〜」「ウン頼むわ〜」ご飯もうまい!
火の始末と後始末をきっちりして、ツェルトに不要な荷物はデポして出発準備。

7:30
さあ出発。昨日怪しいと思った二俣は右を進むと50mほどで伏流となり岩壁で
行き止まり。「これとは違う。先に進めばちゃんとあると思う」と言って3分も
経たない内に二俣。「これやな!僕らはキンゴさんのアドバイスに従って右俣へ
行こう」直ぐに水は切れてゴーロとなる。「御在所岳の一ノ谷よりはましだけど
岩が多いね〜」とMICKEY。朝起きて直ぐに岩だらけの急な登りはこたえる。暑い
暑い(^^;)右から涸れ沢が入る。どっちか悩むが左が方向的にも正しいので左に
直進。(帰路でこの右の涸れ沢から降りてくることになった)
どこまで涸れてるのやら・・・。

朝からゴーロの登りはキツイ(^^;)

8:04
登山道の橋にぶつかる。左には梯子もある。「帰りはこの右から降りてくる予定」
とMICKEYに教える(しかし帰路は涸れ沢をそのまま下降したのでこの橋より少し
下に出た)

8:20
水がチョロチョロと出たと思えば、また右から細い涸れ沢。どっちも涸れてるの
でホントに悩む。「これもどう地形図を見ても左に進むべきやね」と、左に進む
とナメが上に続く。「おおっ、すごいナメや!傾斜があるから注意しろよ」「ナ
メの上に落ち葉の絨毯とは秋色やねぇ(^^)」150m以上も続く。
少し傾斜が緩くなりまた傾斜のナメが続く。

長いナメだ〜! ナメに落ち葉の秋色絨毯

8:30
壁のように立ちはだかる13mの滝。「どっちから登ろう・・・」右の立木を手
にして登る。「待て。このルートダメや。落ち口まで行き着かない。もう少し上
のバンドを伝うよ」とMICKEYに指示。落ち口からまた30mほどナメが続きゴー
ロと倒木帯となる。そしてまた20mほどのナメのあとまたゴーロ。また二俣右
は涸れているが左のチョロチョロ水が垂れてる方より幅広。偵察に左へ登るが直
ぐに土になる。方角からも右俣をとる。倒木が多い。また二俣。左は涸れている。
右に進む。溝状の流れがある。倒木とゴーロになる。急登となってくる。

立ちはだかるナメ13mの壁 またナメだよ〜(^^) 倒木やゴーロと格闘(;_;)

9:05
沢すじが消え、左にも行けそうだが、直進する。
杉林なので薮こぎではなく良かった。

9:13
稜線に出た。一応左(南)の方にも偵察に行く。間違いない。右(北)へと進む。
白見山の西のピーク。北側が開けてて景色が良い。登山靴に履き替える。

9:35
東進し、白見山(925.9m)のピーク。そこから東南東へどんどん尾根筋を下る。
途中でやや南よりに下り左に見える尾根筋に、軌道修正。

10:00

コルにあった どんどん下る

コルに着いた。「ここが十字路のコルかな?」左には道らしきものはないが、前
方は登りになる。右に赤テープが1つ。右の仙道らしき踏み後を下りるが、伐採
の倒木が多すぎてで全く踏み後はわからなくなる。左手のルンゼ状になったとこ
ろを下りていくと、今朝登った右俣の沢筋が下に見えた。
高度はあの登山道があった橋より下になってる。
途中で道は右に行ってたのかな?
まっ、正解なのでいいや(^^;)

10:18
今朝登ったゴーロの広い沢筋に出た。しばらく休憩。
そのまま二俣まで下り、先にMICKEYが進む。

10:40
「ツェルトが見えたよ〜」のMICKEYの声。テン場に到着。
ちょっと早めの昼食タイム。そしてデポした荷物を整理してザックに詰め込んだ。

11:40
テン場を出発して、右岸の登山道を進む。そして橋を渡り、導水路を進む。石垣
を積んでしっかりと作られている。取水のパイプもずっとその道を走っている。

12:04
新宮営林署の小屋。そこを過ぎると導水路は看板のあるところで左に急に曲がる
のだが、直進に踏み後があり急降下している。「キンゴさんたちはコレを下りた
のかなぁ。地形図ではわかりにくいなぁ」「このまま導水路に沿って行ったら口
高田の集落に出るのでしょ。遠回りでも良いじゃない」そのまま導水路をすすむ。
今度は右の杉の木にペンキで「イナダ・・・十二・・・」とわかりにくい字。そ
こも右へ小さな尾根の様になっていてかすかな踏み後がある。「迷わず導水路沿
いに口高田に行こうよ」「えらく遠回りになるよ。車道を相当南に戻ることにな
る。」「時間もあるし、秋色の集落もいいんじゃない?高田特産品センターもあ
るし」とのMICKEYの言葉に従い、直進。遠回りはしんどいけど(^^;)

12:30
どんどん進むと山も杉林から自然林になり色とりどりの葉が青空に映えて美しい。
突然アスファルト道になった。林道の終点らしい。しばらく道なりに下り、途中
から林道をはずれて、右の森の中に入って導水パイプ沿いに下りた。口高田の一
番上の家の畑に飛び出た。畑の柵を開けて道に出た。畑仕事をしているおばさん
に「ここは口高田の集落ですか。」とたずねた。「そうですよ。登山ですか。大
変ですね(^^)」。静かな村をハイキング気分で下り、13:35水車小屋に到着。

口高田からの白見山 口高田と高田の中間点より

そこから5分ほどで高田グリーンランドの雲取温泉。550円/人。大浴場に僕
はたった2人、MICKEYは1人占めでの良い湯だった(^^)v
大浴場は薬湯もある。露天風呂は乳白色。

14:40
帰路はMICKEYの希望で、太平洋側周りで帰ることにした。魚を買ったり、結婚し
た年に歩いた懐かしの串本の橋杭岩を歩いたり(幸運にも引き潮)、収穫したて
の蜜柑を買ったり寄り道三昧(^^;)。往き220キロ帰りは320キロの走行で
20:30帰宅。やっぱり南紀は暖かい、そして遠い。いい一泊沢登りでした。

この一つ前の山行記録は「秋の前鬼川・本流沢登り」の記録です