【芦生】赤崎中尾根
芦生杉の巨樹の息吹を感じる「神の森」


【山 域】 京都府・芦生 赤崎中尾根
【日 時】 2011年10月23日(日)
【メンバー】ヒラリー、あっき〜、ぴょん、矢問
【コース】 須後−灰野−P840m−P832m−赤崎中尾根−赤崎谷出合−須後
 
職場の女性3人が「山に行きたい〜」と言う。紅葉の「氷ノ山」を楽ちんコースで企画した。
それが、台風の影響で予定の林道が土砂崩れの工事中で明日まで開通しないという。
しかも氷ノ山は登山大会の日らしく人も多いみたい。「こりゃ駄目だ・・・」
ヒラリーさんもあっき〜さんもぴょんちゃんも「どこでも頑張って歩きます」とのこと。

あっき〜さんは先月屋久島に行ってきたが、雨で長い距離を歩きしっかり屋久杉を見るこ
とが出来なかったという。
10月15日に「知ろう、守ろう芦生の森・芦生の森が問いかけているもの」というシンポジ
ウムを聴講した。久々に芦生に行きたくなった。「よし、芦生にしよう」と決めたものの、
前日の土曜日はすごい雨が降り、当日の近畿北部の天気は微妙に悪い・・・。
予報は朝から昼頃まで降水量は0mmの微雨となっているが、天気図をじっくり見ると、
僕の予想は降水量はしれているが朝からではなく、昼から2時頃が少し降るという予想
なのだが・・・。

午前7時、JR川西池田駅に集合。遠いヒラリーさんもみんな同じ電車でぴったり到着。
「晴れが確実なところが良いのなら虚空蔵山から立杭コース、雨覚悟なら芦生にしよう」
というと、「芦生にしましょう」と3人。美山町のかやぶきの里を経由して芦生へ向かう。
かやぶきの里ではもう蕎麦の花は終わっているが、まだ観光客が少なくて静かな時間。
車内で芦生の森の話しや、鹿のこと、京都側と滋賀側の違いなどを説明しつつ快走。
   
 まだ晴天で日差しも強い  「うわっ、トロッコがあるね」
 9:15
須後の駐車場にはいつになく車が多い。京大の学生がなにか研究か作業があるようだ。
入林届けを書く。芦生の紅葉はまだ早いのは知っているが部分部分は始まりつつある。
まだこの時間は晴天だ。登りで雨具を着るのは暑いのでできるだけ早く尾根まで出たい。

事務所の前からのトロッコ軌道を見て3人は「乗ってみたいね〜」はしゃいでいる。
「今からいやというほどトロッコ軌道を歩けし、天気が崩れる前に先を急ぎましょう」と僕。
今日は僕との山歩き2回目の3人にとってはちょっと長めのルート。僕は3年ぶりの赤崎

今回も、3人とも装備はまだ完全ではない。そして、この時期の芦生は蜂にも要注意。
あっき〜さんはご主人に借りたという少し大きめの靴以外のザックや雨具等の装備は安心。
ヒラリーさんは黒いタウンザック以外は安心。今日はおニューのLEKIのダブルストック姿だ。
蜂に攻撃されないように黒いタウンザックの上につける別色のザックカバーを貸した。
ぴょんちゃんは、靴は良いが、タウンザックに・・ありゃりゃ・・綿のズボンに、使い捨ての
合羽ときた・・・。ビニール合羽は登山では蒸れるし、弱い脇や又部分が破れれば綿の
ズボンは水を吸うしやっかいなことになる・・・。
「痛い目に遭わないと駄目なのかなぁ・・・私」とぴょんちゃんは今日もケロリ。

先日のシンポジウムでも出ておられた井栗さんの家の横を通過。軌道斜面に紫の花が咲い
ている。カエルもいる。「かわいい〜」とぴょんちゃん。紫の花はアキチョウジの花だ。
タラの木やいろんな草花や木々を説明するが、いまは花がさびしい時期。

昨日の大雨でもっと由良川が増水していると思ったけど、それほどでもなく澄んでいた。
前を歩いていた親子連れを抜いて前進前進!
   
 「ダブルストック、慣れないなぁ」 「ここが灰野ね」 
 9:50
灰野。ここからは登りになる。ぴょんちゃんはずっとしゃべっているし何かを発見するた
びに新鮮な感動の声をだして満面の笑顔。
ぴょんちゃんは、先日の登山でも汗もそれほどかかないし息もきれない。今日もそうだ。
「ぴょんちゃんはきゃしゃな体型だけどすごいパワーの持ち主かも」と僕。あとの二人は
段々と無口になり黙々と登っている。この二人のような姿がよく見る姿なのだけれど。
   
 「登りは暑い〜」  「クサリが切れてるわ」
谷筋が以前とは違いとても荒れている。台風の影響で倒木が多い。ルートもそれを避けて
つけられているようで、以前のルートとは違う感じで高度が上がっていく。
   
 秋はキノコも豊富 「美女3人組よ〜」 
 10:15
相棒のMICKEYと来たときは真新しい鎖場だったところも、いまやクサリも切れて
斜面も以前より崩れている。「慎重に足場を確認してね。ゆっくりで良いから」
倒木には秋らしくキノコも沢山付いている。もちろん毒系のキノコも沢山あった。
モミジが赤くきれいに紅葉しているところがあった。
   
 モミジも色づき開始 曇り始めたぞ・・・ 
 11:15
「ばん取り跡」に到着。いつものことだが水がほとんど出ていない「水飲み場」も通過。
そしてBAKUさんと5年前の雪の頃に頑張った大段谷山への分岐を逆方向に進む。
「暑い〜」とヒラリーさん。休憩の度に自分の呼気でめがねがくもって見えにくい様子。

「えっ!」この斜面に点在している芦生杉も折れているのがある。なんとも痛々しい。
ここ数年は芦生に来るたびに鹿害やオーバーユースでの林床や植生の変化にさびしい気持
ちになることが多かったが、いつも「デン」と力強く立っている芦生杉の姿にまだホッとして
いたところもあったのに、今回の台風の被害はこの森の重鎮老木達にも大きかったようだ。

「元気印のぴょんちゃんが先頭だとペースが速すぎる〜」とあっき〜さん。
先頭をかわり、ヒラリーさんやあっき〜さんのペースを見ては休憩を挟みつつ進む。
「お腹が空いた〜。食事までもうすぐですよね」とあっき〜さんとびょんちゃん。
「う〜ん・・・このペースだと、まだ90分ほどあとかな」と僕。
「頑張りま〜す」とあっき〜さん。

佐々里峠に向かうピークに来た。「ここから少し下ってまた登り返します」と僕。
「え〜っ!!それならショートカットしましょうよ」とあっき〜さん。
「ではそうしますか」と地形図とコンパスで確認しつつ少し回り込んで斜面を登る。
「こ、これが、道ですか・・」とあっき〜さん。「道じゃないけどショートカットルートですよ」と僕。
   
 「ここが、P840mですね」  「私は通れそう」ぴょん
 11:55
P840mにぴたりと出た。ぴょんちゃんは息も切れずに元気についてくる。
あっき〜さんとヒラリーさんは「急な登りがきつかった〜」と少し遅れてちょっとしんどそう。
「ここからは今までのような登りは無いので安心して」と僕。
「よかったぁ〜。体が重たい。足が上がらない」とヒラリーさんとあっき〜さん。
   
 「あ〜、尾根道は楽ですぅ」 「ここ、良い感じですね」 
ここからの尾根筋の木々も老木の枝は台風の影響かことごとく地面に散乱している。
「ひどい状況になってしまったものだなぁ・・。母と来た3年前よりさらにひどくなってる」と僕。

芦生の森にも及んできている「ナラ枯れ」。粉が出ている木がこの尾根にも点在している。
木材の内部まで穿孔して繁殖する昆虫カシノナガキクイムシ と、それに共生する菌 が原因と
考えられている。「紅葉でもないのに葉の赤い木が点在しているのはそれですか・・・」と3人。

僕がよくボッーと休憩する地点に来た。「良い雰囲気ですね」と3人も気に入ってくれたようだ。
   
 「立派な倒木!」  「中が落雷でこげてるのね」
 「倒木も太いですね」「ブナが生えてるもっと太い倒木にもうすぐ会えるよ。」と僕。
向こうから男性が来た。「こんにちは」と僕。
袋を持っておられる。「見せて上げよう」と採取したらしいナメコがはいった袋を開けて
女性陣に見せていた。男性が過ぎ去ってから「矢問さん、この森ではキノコも花もとって
は駄目なのよね?」と女性陣。「そのとおり」と僕。しばらく行くとまた別の男性が少し離
れた地点でキノコを採っていた。「姿からすると地元の人かもね」と僕。

12:35
雷杉。この杉もどんどんと外側が崩れてきて空洞も短くなり全体的に低くなってきている。
   
 これも折れたか?  「う〜ん、美味しい〜♪」
赤崎中尾根に入ると、なんとこの尾根も台風の影響大。
老木の枝が辺り一面に散乱しているではないか・・・。
以前の様子を知っている僕にとってはなんとも痛々しい姿に変わり果てている・・・。

「お腹が空いた〜」との声で、いつもの食事場所より少し手前のモミジの紅葉の横で食事
にすることにした(12:50)。「もう足がパンパン。攣りそう」とヒラリーさん。
「これを飲んでおいて」と芍薬甘草等を手渡す。
「あっ、薬を渡すなんて、山では立場が逆だな。」と、気がついて自分で笑ってしまった。

「ちゃんとお箸は持ってきたよね」というと、ヒラリーさんが「あっ・・・」と。
「誰か一人は忘れるかなぁ、と1人分だけ予備あり〜」と僕。「ホッ」とヒラリーさん。

食事を始めたら弱い霧雨が降り出した。念のために雨具を着る。
気温が低いせいか、今日は蜂も虫たちも寄ってこない。ラッキーだった。
   
 「幻想的〜」  お気に入りの芦生杉
 13:35
下山開始。霧雨が降ったり止んだりなので雨具のフードをかぶったりはずしたり。
ガスっぽくなってきた。「なんか幻想的で良い感じ〜」との声。

途中の芦生杉には雷が落ちた様子。周囲にこげた炭状のかけらが多くあった。
「ここの尾根はなかなかルートが取りにくい起伏があるので要注意。慎重にいくよ」と僕。
   
 変わらず鎮座  これも折れたか・・・
僕の好きな芦生杉の所へきた。この大杉は台風の影響をもろに受けることは無かった様子。
「よかった。元気でいてくれた」その他にも大きな芦生杉があちらこちらに点在する。
あっき〜さんは先月行ったという屋久島との雰囲気の違いを味わっているようだ。
「フワフワして歩きやすい。この尾根は足に優しいですね」と、ぴょんちゃんの足取りは軽い。

「ここからは急下降です。持つ木も減ってるけど足場を確実に見つけてゆっくり注意して
下って下さいね」と僕。草木が減ってる・・・。しかも霧雨なので滑りやすい急斜面。
ぴょんちゃんはここでも身軽。体も実に柔らかいのでうまく下りるのには感心する。
   
 「めがねが曇って足場が・・」と、ヒラリーさん 「この下りはキツイ」と、あっき〜さん 
ヒラリーさんはめがねがくもって足場がよく見えず困っているが、すごく頑張ってる。
あっき〜さんは傾斜度にビビリが入りつつも足を踏ん張って頑張って下って来ている。
「沢の音が聞こえてきたでしょ。もうすぐ出合です。さらに急になるから慎重に!」と僕。

14:45
赤崎谷出合。やや水量が増えていた。どこがみんなには渡りやすいか探していると、身軽
なぴょんちゃんは飛び石でひょいひょいと対岸に先に渡った。それに続いて僕、ヒラリー
さん、あっき〜さんと渡った。
   
 飛び石で徒渉  さて、歩け歩け♪
時間があれば小ヨモギにも寄る予定だったが、天気も今ひとつだし、橋が落ちていて水
量が多いので渡りにくい。みんなも慣れない急下りで足が疲れたようで、パスすることに。
「あとはこのトロッコ軌道を須後まで歩くだけ」「あ〜、良かった〜!」と3人が同時に。

由良川は朝よりも水量が増えている。しかし、濁るまでにはなっていない。
久々に歩けた芦生の森。しかし来る度に以前の森の姿が無くなっているのが悲しい。
 
 「到着しました〜♪」
15:40
須後の研究林入り口に到着。「無事到着〜」「11kmほどかなぁ。よく頑張ったよね」
「2万歩ほど歩いたわ」と、腰につけた歩数計を見るヒラリーさん。「さあ、帰りましょう」

山ではあれほど元気なぴょんちゃんは、車には実に弱くて酔いやすくて無口になる。
車では全くの逆転で、あとの二人が「ぴょんちゃん、大丈夫?」と気遣っている。
道の駅でしばしトイレ休憩しつつ帰路へ。JR川西池田駅で皆さんとお別れ(18:20)

「次回は軽めの山で、おいしいモノを食べに行きましょう」と3人。「了解、了解」と僕。
「事故も無くみなさん頑張ってくれてありがとう! また次回も楽しく歩きましょう!。 
みなさん、最低限の山のグッズは少しずつで良いので着実にそろえて下さいね〜」
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