雪の伯耆大山


【日 時】平成13年(2001年)2月11日(日)   
【行き先】伯耆大山(弥山:1710.6m ※注1)・・日本100名山   
【天 気】曇り時々雪      
【コース】下山キャンプ場−夏山登山道−山頂−6合目避難小屋−元谷小屋
      −大神山神社−大山寺−下山キャンプ場
【メンバー】矢問&MICKEY

インターネットで大山の状況、駐車場の状況を見て10日の午後に出た。
中国道も米子道も快適。雪はない。溝口を出て、桝水原から雪道になった。
時速20キロほどで慎重に進み、下山キャンプ場駐車場へ15時30分着。
「今日の分はいいので、明日の1000円だけもらうね」と管理人さん。
トイレが真っさらになってた。熱コードもついていて水が凍らない様になってる。
北九州や大分ナンバーが多く、次いで岡山、香川ナンバー。
下山してくる登山者やスキーヤーが多い時間だった。
僕たちは徒歩で食料買い出しと夕食に。
駐在所で登山道状況や天気図、明日の予報などの情報を得た。
元谷から弥山頂上やユートピア方面に登るのは禁止されていた。
地震の爪痕のようだ。
 
夜中もどんどん車がやってくる。午前5時半で満車となった。
僕は先に起床して、テルモス用のお湯と朝食のラーメンのお湯沸かし。
車のガラスは吐く息が凍ってバリバリになってた。外にはテントが3張り位。
あとは車中泊のようだ。6時を過ぎると登山者がポツポツと出発し始めた。

6:55 僕たちもキャンプ場管理人の所に登山届けを出して出発。
多くの登山パーティはもう少し出発が遅いようだ。空いてるウチに登りたい。
夏山登山道を登り始めると雪は堅めで滑る。「アイゼンを付けるか」とMICKEY
に聞くと「まだ要らないよ」と。2合目辺りで夫婦連れを抜いて、3合目辺りで
6人のパーティを抜いた。綺麗な雪景色だ。
「気持ちいいねぇ」とMICKEY
8:00 4合目に着いた。暑くてジャケットとフリースを脱いだ。
四合目の道標前

キックステップで登る。あとのMICKEYは「楽ダワ〜」とのこと(^^;)
5合目からはやや雪も多くザクザクと登る。

五合目の祠前
行者コースの分岐で行者コースを見ると「鳥取地震で道が崩壊しているので使わないで」と
あるが足跡はある。帰路はココを使おうと思っていたのだが・・・。

6合目避難小屋前から尻セードで元谷小屋方面に急下降しているグループがいた。
六合目避難小屋 下の元谷小屋まで尻セードの準備
僕たちも帰路はコレをとることにして、さらに登る。ここからはなかなかの急斜面。
元気なMICKEYが「遅いねぇ、先に行くからね」と(;_;)
ホントに雪道に強いなぁ。疲れを知らないのかなぁ・・(^^;)
膝くらいは沈む。急斜面を登り切ったところでさらに続く斜面は雪雲の中。
ココまでは下界も綺麗に見えて展望はいいのになぁ。前夜小屋泊したのか早くも
下山してくる人の姿は吹雪の中を歩いたって感じで、服やザックは勿論、眉毛や
まつげが雪だらけ。「今のうちにアイゼンを付けとこう」と7合目辺りでセット。
六合目への急斜面を下山する人達
8合目辺りからは風と横殴りの雪がキツイ。鼻がちぎれるように感じる。
20メートルほど前の夫婦連れは「ここで下山します」とUターン。

自分の吐く息でめがねがくもる。その先は先行者の足跡もトレースも直ぐに消え去る。
ここからは5メートル間隔にある赤旗がとてもありがたかった。
視界は7メートルと言ったところか。赤旗に来ると次のがやっと見えるくらい。
旗に着くたびに帰りの為に雪を落として旗を綺麗にしておいた。
9合目辺りからは木道の上なのだろう。
木の柱や手すりロープが時折雪の中からのぞいている。「ここからも長く感じたなぁ」と
以前の感想を言い合った。今回も強風とホワイトアウト状態で長く感じた。
前にも後ろにも誰もいない。足跡もトレースも消えてる。
ふり返りふり返り帰りの為に景色を記憶した。

10:00 頂上小屋到着。2階入り口に回ってピッケルとアイゼンを外し、中に入ろうと
したらアイゼンを付けた女性グループが3人登って出てきた。
中にはいると、6合目小屋前で先に出た中年男性が着替えと食事をされていた。
僕たちも休憩。窓の1つの外を除雪してあるので光が差し込んでヘッデンは要らない。
小屋の中はパトロール隊の方々の除雪で全く雪はない。
パトロール隊のホームページの通りだった。
MICKEYはワッフルとコーヒー、僕はパンとお湯に少しブランデーを入れて。
頂上小屋の中でひと休み
MICKEYも「少し私もブランデーを垂らして」と。「うわぁ暖まる」とにこにこ顔。
小さなペットボトルに入れてきたMICKEYのお茶は見事にシャリシャリのシャーベット状態。
やっぱりテルモスの熱いお湯はありがたい(^^)v
女性2人と男性1人がアイゼンを付けたまま入ってきてあちこち歩く。
小屋の中では外すのをリーダーは教えていないようだ。
小屋の中が空いていて良かった。

10:25 弥山頂上へ。めがねがくもるのでゴーグルを付けた。
地震で5メートル落ちたという頂上の石柱も全て雪の中。また今回も頂上展望無し。
頂上を示す赤旗の前で写真を撮って下山開始。スゴイ吹雪。
頂上を示す赤旗の前で
戻ってみると頂上小屋前は20人を超す多くの人達。さらにどんどん登ってくる。
下山の途中、やはり8合目辺りまでは風と雪がきつかった。8合目から6合目までは
多くの登山者との道の譲り合いで時間を食った。
早めに登っておいて良かった。
雪雲から出ると、上での吹雪が嘘のようにまた展望が開けている。
すごいスピードの尻セード!!
11:15 6合目避難小屋でパトロール隊の方に頂上小屋の状況を聞かれた。
この小屋のすぐ横から元谷小屋に向けて高度差250メートル以上の尻セードで
下りることにした。先行する人のスピードを見てチト恐ろしくも・・(^^;)

「ウワ〜ッ」すごいスピードだ。ピッケルを横に構えてスピード調整。
速い速い(@_@);。MICKEYが「楽しい〜」「すごい〜」と余裕で滑ってくる。
恐いモン知らずかいな・・・(ーー;)。ホントに「一気に下山」とはこのことだろう。
堰堤の手前からは徒歩になる。以前ここを息子達と登りコースに使ったなぁ。
長い長い尻セードは、MICKEYも僕もホントに童心に戻り満足した。
ただ、僕たちに続いて尻セードで降りてくる人達がアイゼンを装着のままで急下降
してくるのでそれが恐ろしくて恐ろしくて(^^;) はずしてよ〜
ふり返り、今滑り降りた距離を見てまたまた感動!すごいことをしたモノだ(^^)
堰堤から元谷小屋までの雪原
元谷小屋横を通ると、テントが5張りほど。山スキーの様だ。
大神山神社の手前の林道からも尻セード。雪の中の大神山神社も美しい。
あと一息で大神山神社だ

大山寺を通り、下山キャンプ場に12時20分着

管理人室のポストに下山届けを出して、帰路についた。
桝水原スキー場の所は駐車場が空くのを待つ車で大渋滞。反対車線で良かった(^^)
「この先の駐車場は空いてましたか」「チェーンは要りますか」など何度も停められて
質問を受けた。スキーの人も大変だねぇ。

大山は何度来ても頂上から展望に恵まれない(;_;) 
6合目から上の素晴らしい伯耆大山の展望もキットいつかは見てみたいと思いながら
帰路についた。   あ〜、尻セードは楽しかった(^^)


注1: 国土地理院中国地方測量部は弥山の三等三角点の標高が2000年10月の
鳥取西部地震により三角点がずり落ち、新しい三角点で再測量し1.12m
低くなり、1709.43mとなったと2001年5月30日に発表した。
     
この山行記録の前は黒尾山の記録です