【兵庫】神話と昔話の雄岡山(おっこさん)と雌岡山(めっこさん)


【日 程】2014年1月18日(土曜日)
【山 域】神戸市西区・雄岡山(おっこさん)と雌岡山(めっこさん)
【コース】①大皿池西-雄岡山241.2m
     ②雌岡山口-金棒池-梅林-雌岡山249m・神出神社
      -裸石神社-姫石神社-日本標準時子午線標示柱-雌岡山口
【メンバー】矢問、MICKEY
昼までは少し晴れ間も出るという曇り空予報。今日も午後から天気は下り坂らしい。
遠出はやめて、神戸市西区の雄岡山と雌岡山にお散歩登山+ピザランチとしよう。

ゆっくり朝8時半過ぎに家を出た。地道はがら空き。スイスイと田畑を見つつ西へと快走。
気温は3℃とでている。
   
10:25
路肩のふくらみ部分があったので駐車し、まずは雄岡山(おっこさん)へと出発。
遠くの山の上からこの雄岡山と雌岡山を見ると、まるで「オッパイ山」なのだ。

大きさも形も瓜二つの山。遠くから見ると子牛の角のように見えたので男牛(おご)、
女牛(めご)と呼ばれ、それが雄子尾、雌子尾となり、やがて雄岡、雌岡となったらしい。

道路から脇道に入ると左へ行く踏み跡と、少し先に斜め左へ行く踏み跡がある。
距離がしれているので、遠回りらしい感じのすぐ左への踏み跡を進むことにした。
何本もルートがあるようで、藪もないのでどこでも山頂まで登れる。
テープに従って歩くことにした。途中から土を階段状に浅く掘ってあり山頂へと向かう。
   
   
10:40
早くも雄岡山(おっこさん)の山頂。241.2m。
あっけなくて喉も渇かないし汗もかかないお散歩登山。
緑が丘駅の方からの立派な道もあった。

祠がある。帝釈天をお祀りしているらしい。苗木がある。桜や松を植樹しているようだ。
海が見える。淡路島も明石海峡大橋も見える。天気が良いともっと美しく見えるのだろう。
地元の人は毎日登る会があるようで、駅の方からの道で女性が一人登ってこられた。
   
下山は来た道と違うルートにした。広い綺麗にほうきで掃かれている道だ。
道なりにそのまま右へと下りれば、登り始めた地点へ行くが、親子連れが登って来たので
藪道のうっすら踏み跡を北へと進んだ。駐車地点から歩いて来たときに見た広い空き地に
出た。あとは駐車地点に歩くのみ。

11:00
駐車地点。
このまま雌岡山に登って行っても良かったが、車を雌岡山口まで移動させることにした。
   
   
11:10
雌岡山口のバス停横に駐車して、金棒池へと歩く。さっき登った雄岡山が見える。
途中に天王山牧場があり牛がいた。雌岡山には牛頭天王も祀っているので天王山とも呼ば
れている。牧場名もその山の名が由来かもしれない。

11:20
「金棒池ができるまで」という説明板があった。「雄岡山と雌岡山が、金棒を芯にして土を
盛って高さ比べをしていた所、雄岡山の金棒が折れて二つの山の間に刺さり、そのあとが
池になったという民話があります。そのために、雌岡山より雄岡山が8m低くなったようです。
また一説には弁慶が両方の山に差し込んで持ち上げたときに踏ん張った足跡だ、という
伝説ものこっています。」とある。

その説明板の横でおしゃべりされていた年配の男性2人が「天気も良くなって良かった。
2人で登るのか。仲良くてええのう。是非、裸石神社や、男女のご神体を見てきたらいい。
女性の方は見ようによっては見える。少し右手に下るとあるから。」とのこと。

舗装路を登り始めると実に左方面からの風がクサイ。牧場からの牛糞のニオイだ。
「昔は家に牛もいたから慣れてるけどね」とMICKEY。「花の堆肥で牛糞もよく使った。
これも自然のニオイだしなぁ」と僕。右手に二段ベッドの様な物が見える廃屋がある。
すぐに左手一帯に梅林が開けてきた。なかなか広い。来月から再来月なら梅の花のとても
良い香りが漂うのだろう。トイレのある広い駐車場に出た。ここも梅の花の頃は車で満杯に
なるのだろう。

11:40
雌岡山(めっこさん)の山頂。249m。 登山姿の年配男性数名のグループがいた。

2つの山の説明板がある。
「雄岡山には男神、雌岡山には女神が仲良く夫婦神が暮らしていました。ある日、男神が
小豆島を眺めていると美しい女の神が見えました。男神は妻が止めるのを振り切って、
大鹿にまたがり、小豆島にでかけました。ところが、その途中、淡路の漁師が大鹿を見つけ、
弓矢で大鹿をうったのです。赤い血が海を染め大鹿も男神も海中に沈んでしまいました。
鹿は忽ち大きな赤い石になり、それが明石の地名の起こりともいわれています。
また、大鹿が沈んだそのあたりを鹿の瀬といいます。」それを読んでいたMICKEYは「男は
いつの世でも浮気をするのよねぇ」と言う。

こちらの山も海方面の展望が良いが、今日は天気が今ひとつでパッとしない。

こんな昔話があるらしい。
「大鹿と男神が海に沈んでからというもの、海が荒れて、網が流されたり、船が壊れたり、
船がしずんで何人もの人が亡くなった。人々は途方にくれて、悲しむ毎日を送っていた。
そこに通りかかった、法道仙人が人々にいった。「たすかる道はある。神様が海に沈んだ
ので、怒っておられる。神様の心をしずめるために、近くにお宮とお寺を造って、お祈り
しなさい。きっとよくなります」といった。
人々は大急ぎで、お宮とお寺を作り、盛大にお祭りをした。するとたちまち海がしずかに
なり、人々は、再び明るい生活を取り戻すことがでたという。」

山頂には神出神社がある。先ほどの雄岡山の祠と違い、立派なお社だ。
神出神社は、素戔嗚命、奇稲田姫命、大己貴命の三柱の神を祀っているらしい。

由来が石版に彫られている。
「神代に、素戔嗚命(スサノオノミコト)、奇稲田姫命(クシナダヒメノミコト)の二神が、この
雌岡山の地に降臨され、薬草を採取して住民の病苦を救い、農耕を指導された。二神
の間に多くの神がお生まれになり、そのうち大己貴命(オオナムチノミコト)がこの地で
誕生されたという。このことからこの地を「神出」というようになった。」とある。
   
11:45
裸石神社姫石神社へと北への階段を下って行く。

こんな昔話があるらしい。
「男神に先立たれた女神は毎晩さみしくてしかたがない。とうとう荒れ狂う神になって、
ふもとの村々に悪い病気をはやらせたという。沢山の人が病に倒れ、どこの家にも死人が
出る有様。このまま行けば、明日はわが身と、人々は恐れおののいていました。そこに、
旅の占い師が通りかかり、村人になぜそのように暗い顔をしているのか、と問いかけた。
占い師は人々からその悲しい訳をきくと、村人はどうすればよいのか占ってくれた。

「男神が死んで、さびしくて仕方がないから荒れ狂っている。山の背中の方に大きな岩が
ある。その岩の上で、男女のむつみ合いを演じてくれたら、心が静まる、とのことじゃ」
村人は急いでお祭りを開き、大きな石の上で、「夫婦の睦び」を演じた。すると、占い師の
言ったとおり、はやり病はピタリと止んだらしい。

まもなく、女神は大きな石の上で玉のような赤ちゃんを産んだ。女神が子どもを産み落と
したという大きな岩は台石(だいせき)と呼ばれていたが、それがなまって、「らせき」となり
「裸石」と表記されるようになったらしい。

この岩は巨大な岩がわれて女性自身のシンボルのような形をしている。江戸時代京都の吉
田神社の神官が片方だけ置いておくのはほくない、と地元の人に勧め、男性のシンボルで
ある陽石を作らせた。この時代から、女性のシンボルは姫石神社の御神体となり、男性の
シンボルは裸石の御神体となったという。
   
   
右手に裸石神社。「なにも無いね」とMICKEY。「ご神体は大抵は本殿の裏手にあるはず」
と回り込んで、格子ガラスの窓からのぞくと、沢山のアワビの貝殻と男性のシンボルの
ご神体が見えた。その根元には女性のシンボルもある。
この御神体である「彦石」は折れた神社の鳥居で作られたらしい。

「鬼ににらまれてるよ」とMICKEY。すぐ横の斜面に鬼瓦が置いてあった。

お賽銭箱にも貝殻に「子宝に恵まれるように」と願い事を書いていくつか入れてある。

「僕らはもう子宝に恵まれたから、夫婦円満をお祈りしたらいいね」と僕。
「息子達が将来子宝に恵まれる様にと祈っておくわ」とMICKEY。
   
裸石神社からさらに少し下った左手に、女性のシンボルを祀ってあるという姫石神社

「これが登山口でおじさんが言ってた、見ようによっては見えるはず、という岩だな」
「女性のシンボルが姫石神社の御神体。男性のシンボルが裸石神社の御神体なのね」

もとの道を登らず南西路を進んだ。 
   
   
一旦舗装路に出て、「にい塚」をぐるりと回って、南への土道を下った。
舗装路を左(東)へ下った方が駐車地点には近いのだが、せっかくだから南へと下り、
「日本標準時子午線標示柱」を見てから戻ることにした。
それは鳥居をくぐり、右手の神出中学校の入り口横にあった(12:05)。空には青空。
車に戻るべく、車道をのんびりと東進。途中にまた神出神社の大きな鳥居があった。

12:15
駐車地点の雌岡山口バス停横。
ザックにお茶を入れていたが、二人とも昔話の2山では1度も口にせず。
楽ちん散歩登山で、喉も全く渇かなかった。
「日暮れまで時間がたっぷりあって、先週の馬ノ鞍峰と大違いよね~。」とMICKEY。

歩数計を見ると、今日はたったの8,684歩、2,334kkal、燃焼脂肪32.8g、6.8kmと標示。

ランチは久々に異人館街近くの「アズーリ」で美味しいピザと決めていたが、電話で聞く
と2時半なら席が取れるという。1時過ぎにそこを通るのでそんなに待てない。2時なら
これまたよく行く宝塚のマサニエッロ(第1回「真のナポリピッツァ」オリンピック(ナポリ
本部主催)の金メダル獲得)に着くことができる時間だ。
2時半のランチラストオーダーにも間に合うので、今日はマサニエッロに行くことにした。

マサニエッロで、大好きなクワトロと、最高のモッツェレラのピザを食べて、次男も好き
なクアトロを1枚土産に買って、3時半に帰宅完了。気温は8℃になっていた。
丁度雲が厚くなり天気が怪しくなってきた。明日は全国的に冬型になり崩れる予報だ。 
 本日のルート
 
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                【翌日のおまけ散歩低山登山】

翌日19日は二人とも先週と大違いで、歩き不足。
朝、家の用事を済ませてから、いつものように舎羅林山へお散歩登山。

今日の早朝には雪がうっすらとあったが、昼にはとけて消えた。
久々に東多田公民館横を通って、鳥居や井戸のあるところから山頂に出てから、岡本寺へ
下るルートにした。

山頂付近で、急に風が強くなり雪が予想外にきつく舞って来たので、大急ぎで下山。
すぐに雪は止んだ。岡本寺の駐車場に出るところは以前と違い、木の扉がついていた。

歩数計は7.5kmで、歩数9,535歩、登り1,320歩、2,377kcal、燃焼脂肪30.9gと表示。
   
 翌日16日の舎羅林山へのお散歩登山ルート
 
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