【越美国境】黄葉真っ盛りの金草岳


【行き先】 福井県と岐阜県の県境・金草岳1,227m
【日 時】 2014年10月25日(土)
【メンバー】MICKEY・矢問 
【コース】 冠山峠-布滝の頭-桧尾峠-白倉山-金草岳(1,227m)
 
先週の赤兎山と大長山に続いて、今日も黄葉を楽しみに福井の山へ。今日は金草岳だ。

かつては金糞ヶ岳や塚奥山などとも記されているらしいが、幕末の頃以降は金草岳と呼ば
れている山。 福井県側はブナ原生林が広がっていて、楢俣自然環境保全地域。

朝3時半に家を出て、南条SAで朝食。気温5℃。武生ICからR417号を通り冠山峠へと向かう。

冠山峠への林道ではトンネル工事が始まっていた。池田町側から今年6月に着手されたのは
冠山峠2号トンネル (4.8km) のうち福井県側 2.5km の区間。

対向車が来ると困るこの林道を登り始めると、今日はパンクしそうな尖った落石が多い。
今朝は南条あたりから霧が濃く立ちこめていた。「気温が上がれば霧はスーッとはれるさ」
   
7:15
冠山峠は、2009年10月24日にMICKEYと黄葉の冠山を登るときに来て以来5年ぶり。
岐阜、一宮、なにわ等のナンバーの先着車が5台のみ。まだ駐車スペースには余裕の時間。
先着の人達は全てが冠山に行くようだ。僕らは金草岳。「静かな早朝登山が出来そうだね」
   
   
7:25
金草岳に向かって出発。
霧のつゆが細い踏み跡の登山道沿いの笹や木の葉にタップリついていて、靴やズボンは
すぐに濡れ始めた。「スパッツを着けたら良かったね」「太陽が出ればすぐに乾くさ」と
そのまま進む。しばらく行くと膝の辺りまで露でびっしょり濡れた。

ガスがまだ舞っているので景色が見えたり消えたり。しかし、青空は間違いないので安心。
   
   
   
7:35
布滝の頭1,044.6mに出ると、盆地のような町のほうが雲海に包まれているのが見えた。
「今朝は冷えていたからガスもまだ飛んでいるし雲海もまだ見られるだろうね」とMICKEY。
風が冷たくて僕たちには気持ちよい。「早朝の冷風は助かるよね」とMICKEY。

足下の植生やキノコを観察しながら進む。粘土質の斜面にさしかかると夜露で濡れていて
スリップに注意が必要だ。下りにMICKEYは特に慎重になっている。

桧尾峠までの登りにかかると右手に「水場」への下り道がある。
急な登り斜面。「帰りはここを下るのよねぇ・・・」と言いながらMICKEYは先に登っていった。
   
   
   
8:25
桧尾峠。右は桧尾登山道。まだガスが飛んでいて美しい景色は時々隠れてしまう。
「下山の時間にはすっきりと見えるさ」と僕。僕らは左への踏み跡を進む。

白倉山を過ぎてもうすぐ山頂。MICKEYはどんどん先に行って見えなくなった。
僕は木の葉の色の不思議を観察しながらのんびりと進む。尾根道の日当たりの良い
ところの葉は、アントシアニンによる赤色がとても鮮やかだ。 
   
   
数百メートル後方に足取りの速い単独男性が登って来るのが見えた。
山頂までの登り斜面にリンドウの株が2つ。朝が早いためか花は閉じている。
最後の登りを息を切らせながら先に登っているMICKEYを追う。
   
   
9:15
金草岳 1,227m。誰もいない静かな山頂。 山頂は思ったよりも狭い。
記念写真を撮って、360度の展望を楽しむ。御嶽山の噴煙も遠くに見える。
周囲の山々の名前を確認しながら風で雲海の形が乱れ始め、あたかも荒れ狂う海のように
見えてきた。静かな雲海もいいが、こういう荒れた海に見える雲海も美しいものだ。
 
男性が登ってきた。武生の方らしい。林道の尖った落石でパンクしたという。
お互いに写真を撮りあった。FT1DでAPRSを発信。無線機は静かだ。携帯も圏外。
   
   
   
   
9:35
下山開始。先に僕たちが下ったが、途中で草本観察をすべく、男性に先に行って頂く。
「あちらが武生の方向、こちらが福井方面」と遠く見える平地を指さして教えて頂いた。
男性は「時間も早いので冠岳方面にも行って見ようかな」と、おっしゃっていた。

MICKEYと二人で、素晴らしい秋色の山の斜面の景色を楽しみながら復路を進む。

オレンジ色の服の男性が前から来た。「おはようございます」
   
   
   
   
10:20
桧尾峠。先ほどすれ違ったオレンジ色の服の男性が小走りのような速さで後ろから来た。
「この道はどこへ行くのですか」と桧尾登山道のことを聞かれたので回答した。
そしてサァーッと先に下って行かれた。

僕らも後ろからゆっくりと斜面を下って行くと、男性は左手下の水場に寄っておられた。
   
   
   
   
ツルリンドウの花は派手さが無いが、赤く鮮やかな実はとても目立つ。
毒では無いので、MICKEYと共にその実を1つかじってみたが、甘くも美味しくもなかった。

単独男性が2人、4人の男女グループ、また単独男性2人とすれ違った。冠岳方面よりは
人が少なくて静かな山歩きができる。木本類の実や、草本類の実をかじって味を確かめた。

段々と気温が上がってきた。バテが出てきた。MICKEYは先に行って見えなくなった。
景色を楽しみつつ、マイペースで歩く。陽が当たって黄葉が一段と鮮やかに見える。
   
11:15
冠山峠に帰着。先に到着していたMICKEYが車の多さに驚いていた。
林道沿いも含めてざっと見ても100台はある。今から冠山へ登る人も多々いるようだ。
地図も持参していない若者グループも「こっちだろう」と冠山へと向かって行った。
山頂でご一緒した男性も車の所にいらっしゃった。冠岳には行かなかったのだろうか。
紅葉見学の年配者の福井ナンバーの対向車(4台ほど)に注意しながら長い林道を下った。

ランチはボッカしただけになった。志津原のかずら橋を過ぎたところの地元のお母さん達が
運営するお店で、できたてのアップルパイと出来たての手作りきびだんごを頂いた。
   
   
渓流温泉・冠荘で汗を流す(500円)。ツルツルになる気持ちの良い湯だ。

「さて、食事だね」大野市や勝山市のようには、そば屋が全くない農地が広がる。
「お蕎麦を食べたい」とMICKEY。「やはりこの時期、新そばがいいよね!」と僕。
県道262号線・武生インター東線を走り、真柄町の越前蕎麦発祥の地「越前そばの里」
新そばを目当てに行き「福井定食(おろし蕎麦+ソースカツ丼+味噌汁)」を食べた。

周囲は蕎麦畑。蕎麦の生産工場(武生製麺)もガラス越しに見られた。

ソースカツ丼は二人とも駒ヶ根の明治亭派だが、この店のソースカツ丼もおいしかった。
駒ヶ根はカツが大きく厚くてキャベツ入り、福井は薄めのカツに甘いソース味がしみこむ。
以前、別の店で食べたソースカツ丼は美味くなかったが、「ここのはアリね!」とMICKEY。

次男のお土産も買って、日本シリーズのTV観戦に間に合うように、モスバーガーで
フォカッチャを買い、17時50分に帰宅完了。日本シリーズのTV観戦に間に合った。

本日は往復505km走行。二週連続で良い天気の日に福井の山の黄葉を楽しめた。

日本シリーズ第一戦は、タイガースがソフトバンクに勝った! 

 【 翌日のおまけ編 】

翌日の10月26日(日)は京都の宝ヶ池連続学習会の第4回目。「さて、京都へ行くか!」
「生物多様性を学ぶ」というテーマのうち、今日は鳥類の勉強会だ。MICKEYと出席した。

 今日は京都府立大のF先生がメイン講師で、その学生さんたちも大勢参加して、宝ヶ池の
横の森と山(送り火の「法」の字の山)を10時から14時まで歩きつつ、鳥の声や姿を観察した。

この時期、この周囲には留鳥と冬鳥42種がいるというリストを頂いたが、開始時間が遅くて
確認できたのは16種程度であった。アカゲラがしっかりと見られたのが印象的であった。

この山裾も攪乱によりできたギャップに、ナンキンハゼが入り込んで繁茂している。
ナンキンハゼが勢力を伸ばすと、段々と森林生態系が崩れていく。
   
   
   
   
   
   
14時からは、この山裾の松ヶ崎地区の水路や神社を見学。古地図をもとに、昔からの歴史や
御所の米を作る松ヶ崎100人衆のことも学んだり、その集落の変遷も写真や現地を歩いて
確認した。お祭りも今日のようで、縁日も出ていた。

松ヶ崎立正会では、昔の農具の見学と説明を受けた。昔、MICKEYの家にもあった物のほかにも
このあたり特有の「深田」の農具や、牛ではなく馬で耕した理由なども学ぶことができた。
16時に解散となり、Fさんと地下鉄で途中までご一緒し、芦生研究林の調査のことを伺った。

昨日の登山と今日の散策でやや疲れ、睡眠不足もあって二人とも帰路の京都からの電車では
人身事故でのろのろ運転となり、時間もかかったので、ぐっすり寝てしまった。
 冠山峠から金草山へのルート
 
   この1つ前は「【加越国境】黄葉真っ盛りの赤兎山と大長山」の記録です