【越美】残雪の夜叉ケ池から三周ケ岳


【行き先】 越美・残雪の夜叉ケ池から三周ケ岳(1292.0m)
【日 時】 2005年4月24日(日)
【メンバー】矢問・MICKEY
【コース】 今庄町・広野ダム−登山口−尾根−夜叉ケ池−三周ケ岳
山日和さんは10日に行ってダムから先のところでデブリに会い、登山口まで林道歩きで
夜叉ヶ池周辺と夜叉ヶ丸へのレポ。洞吹さんは17日に行って登山口まで車で入れて三国
岳へのレポ。2つのレポを読んで、以前から行ってみたかった残雪の三周ケ岳へすごく行き
たくなり、前夜泊でと自宅を出発。23時半に広野ダムに着くとトイレの横にチェーンが張られ
施錠されている。「5月中旬まで入山禁止」の注意書きもありダムから先の林道はなんと
「通せんぼ!」状態なのだ。今年は残雪も多く登山道の丸太橋も落ちてしまっているらしい。
「そんな馬鹿な・・・。先週、洞吹さんは車でこの林道を登山口まで行けてるのに!」
とりあえず広野ダムのトイレ横で前夜泊。夜中に4〜5台車が来たが、注意書きを読んで
「他の山へ行こう」と行ってしまった。我々もあきらめるべきなのかなぁ・・・。気温は4度。

5:10
「行けるところまで行って危険な箇所があれば戻ろう。」とチェーンをくぐり林道歩き開始。
5kmの往復プラスでは、三周ケ岳と三国岳の二座は時間的にキツイ。三周ケ岳に絞ろう。
林道の斜面はフキノトウが沢山出ている。石が多いが、どう見ても車が通るには支障がな
い。何故今日は通行できないのだろう・・。岩谷川は雪解けの水ですごい勢いと音だ。
登山口にやっと着いた! 急な斜面も終わり雪の斜面へ
6:10
登山口にやっと着いた。幹回り6.4m、樹高34m、樹齢400年のカツラの木がある。
クマ出没の注意書き。登山届けの竹筒がある。
軽く食事にして登山道を行くか尾根を行くか地形図を見ながら考える。
洞吹さんのアドバイスに従って尾根筋をとることにした。取り付き点を模索する。
少し登山道を登り、尾根登りに取り付いた。急斜面だが、木をつかみ登っていける。
雪の量がわからず、ピッケルも12爪アイゼンもワカンも持参した。尾根の取り付きが
相当な斜面でピッケルもアイゼンも要るかと思ったが取り付き点に雪はなかった。
登っている尾根筋にはイワウチワが群生していて一面に綺麗に咲いている。
仲の良さそうな木ね 雪の照り返しが暑い やぶこぎです
それが過ぎると笹とシャクナゲのジャングル地帯。雪の重みですべて枝が下を向いていて
登るにはすこぶるじゃまをする。高度も600mを越えると雪が斜面に残っている。
800mを越えるとしっかり残っているが、雪面を登ったりヤブに突入したりの繰り返しで
対応に忙しい。それにしてもシャクナゲが多い斜面の登り枝よけに忙しい。
「ザックにつけたピッケルが枝に引っかかって進みにくいよ〜(;_;)」とMICKEY。
引っかけた際にピッケルのスピッツェのゴムキャップを落としてしまったらしい(^^;)
「薮こぎの時はアンテナのように逆さ付けにせず、忍者の様にザックにセットして付けると
枝に引っかかりにくいよ」と教える。「ホントだ!進みやすくなった(^^)」とMICKEY。

「おおっ、うっすら雪に足跡がある。この前の山日和さんのかな?洞吹さんのかな?」
陽の当たるところは足跡はとけてしまうが、陰の所はうっすら残っているのだ。
 ※(この前日の土曜日に三国岳へ登った山日和さんのものだと後日わかった(^^))
雪の急斜面はステップを切ろうとしてもまだ堅くてなかなかうまくいかない。
アイゼンを付けるにも直ぐにヤブが繰り返すので付けるにも躊躇して付けずに登る。
「うわっ!」と滑り手をつくと手がしっかりぬれる位に雪の表面は堅いくせにとけている。
素晴らしい展望が始まった 夜叉ケ池へ下降
8:00
雪の尾根を歩いたりブッシュをかき分けたりを繰り返すと周囲の展望が開けだした。
太陽がぐんぐん気温を上げる。雲一つ無い。「暑いねぇ。」とすでにMICKEYは半袖だ。
雪の照り返しがまぶしくて二人ともサングラスをつける。
右カカトが痛み出した。登り斜面がきつくて靴擦れしかけているようだ。
今から行く三周ケ岳をバックに 夜叉ケ池は凍ってます
8:30
夜叉ケ丸の雪の北斜面をトラバース気味に歩き、支尾根を越えると夜叉ケ池だ。
周囲の一部が薄く見えるがまだ凍って雪に包まれて白い。誰もいない静寂の池。
「ちょっと右カカトにテーピングする」と、靴擦れ防止にテープを貼った。これで良し。
雪の県境尾根は歩きよい まだまだアップダウンが続く
夜叉ケ池の北側を回り込み県境尾根に乗った。東側の雪の山々の姿が美しい。
県境尾根は雪がまだ厚いところもあれば笹藪をかき分けて登る所の繰り返しだ。
岩場は中央突破で登る 笹の海
9:00
岩場だ。右を巻く道をMICKEYが偵察したが厚い雪の壁で回り込めないという。
岩場中央をを直登することにした。岩をつかむたびに岩を丹念に確認している姿に、下から
「まだ西横川の滑落事故がトラウマになっているようね(^^)」と下からMICKEYに言われる。

尾根が北東から東に曲がった所のピークは少し禿げていて
展望を楽しみながら休憩できる。「まだ三周ケ岳は遠いね」「すごく良い天気で暑いね」
まだまだ遠いね 素晴らしい展望を見ながら登る
雪の尾根になったり腰高の笹になったり頭までの笹になったりを繰り返す。
「ちょっとこの笹の海はかびくさいよ(^^;)」とMICKEY。「雪に埋まってたからかなぁ」と僕。
しかし笹が多い尾根だ。「そう言えば洞吹さんが、ヤブの三周って言っておられたな」と思い出す。
山頂が見えてきたよ パワー全開で山頂へ

雪の展望がどんどん素晴らしくなってくる。「素晴らしいね」と二人とも感嘆の声が続く。
最後の雪の斜面をMICKEYはスピードをあげて登っていく。今日もまたついて行けない(^^;)

三周ケ岳 山頂 山頂からの展望 その1
10:00
三周ケ岳 山頂。「うわ〜、すごいパノラマ!」白山はじめこの前登った荒島岳も見える。
北東方向の展望は実に素晴らしい雪のパノラマ。展望を楽しみながらラーメンを食べる。
山頂からの展望 その2 山頂からの展望 その3
ぐるりと能郷白山、伊吹山、金糞岳、霊仙山なども見える。空は雲1つない晴天。
さあ展望を楽しみつつ下山開始 笹をかき分け下山
10:30
下山開始。逆の景色を見ながらの下山も実に気持ちが良い。
登りで直登した岩場は左(東)回りで巻いた。雪の厚くて高い壁も乗り越えた。
日差しがきつく暑くてバテバテになってきた。MICKEYはどんどん先に行く。
朝よりもとけていそうな夜叉ケ池
11:25
夜叉ケ池へ再び。やはり誰もいない。僕たちの雪上の足跡がとけて消えかかっていた。
朝より池面の縁の氷もとけているように見えた。池の周囲が水色で透けている。
暑くて、もうここで2人とも1リッターのお茶はなく、残り500cc。
登山道で下るか、登ってきた尾根を下るかを検討した。もと来たルートを下ることにした。
下りは楽だ。雪の斜面は尻セードやスキーのように滑って行ける。ウグイスが多い。
シャクナゲジャングルの枝も下りは逆方向なのでそれほどじゃまにならない。
えっ、何故登山口に車が??
12:45
登山口。11台の車がある。「えっ、車が入れたのか??」と思うと福井県森林管理組合
の車の様だ。1人の男性と会釈。入山禁止で注意されるのでは・・・とチト思った・・・・。
林道を15分ほど歩いていると後ろから先ほど登山口に停まっていたうちの4台の軽トラ
等が来て、「荷台に乗りなさい」と指で合図された。「ありがとうございます。お言葉に甘え
ます」と二人とも乗った。荷台には1人の登山の男性が先客で乗っていた。
「この時期が夜叉ケ池が静かで来たのですが、登山道がすごい雪であきらめました。入山
規制しているのを知っていますか?と言われちゃいました(^^;)」とのこと。やはり(^^;)
また通行止めのチェーンが張られた

13:10
長い林道を軽トラの荷台に乗って広野ダムのトイレ横まで。ああ、なんと楽な林道戻り。
「ありがとうございました。助かりました」とお礼を言って別れた。
車が通過するときに開けた通行止めのチェーンは、やはりまた閉めて施錠されていた。
登山口から上では、念願だった誰にも会わない静かな夜叉ケ池と三周ケ岳を楽しめた。

ダムの周囲の桜はまだ蕾で咲いていない。朝4度だった気温は19度になっていた。
「今庄サイクリングターミナル」で汗を流した。空いていて貸し切り状態で400円。
往きと同じく復りも「今庄−敦賀」だけを高速に乗り(700円)あとは地道で帰宅した。

本日の夜叉ケ池から三周ケ岳のルート
この1つ前の記録は「丹波・弥十郎ケ岳」の記録です