【京都北山】井ノ口山


精霊の住む太古の巨樹(芦生杉)の森

【日 時】 2003年11月23日(日)
【行き先】 京都北山 井ノ口山(779.1m)
【メンバー】 矢問&MICKEY
【コース】 原地中ノ町−ナベ谷−693峰−井ノ口山
      −ウラ杉(芦生大杉群生地)尾根
来春行こうと思っていた井ノ口山。
尾根に芦生杉(裏杉:伏条台杉とも呼ばれている)の巨樹が群生していると
エアリアマップにも載っている所だ。「岳人・12月号」にも紹介されている。
※(ただし、下記に記したようにここは私有地なので山主さんの入山許可が必要)

高気圧に覆われ今日は関西一帯良い天気・・・と思いきや、京都北部のみ降水
確率30%か・・。ま、昼からは晴れると言うし、行ってみるか。
朝5時前に家を出て、国道477号でJR八木駅前を抜けて京北町へ。
八木駅前では気温0度。ううっ寒い。MICKEYは後ろでよく寝ている。
大布施町から府道38号で原地中ノ町バス停を過ぎ、ナベ谷への橋の手前に
7時着。道中、霧雨が降っていたが青空になり朝焼けが綺麗だ。
橋の所には、ハイキングをする人へのゴミを必ず持って帰るように注意書きがある。
朝焼けで秋色も映える
7:25
「さて出発しよか〜」「うわっ、靴を間違えてるやん!」とMICKEYがにらむ。
「えっ??あっ!」MICKEYの靴とナイトンの靴を間違えて積んできてしまった(^^;)。
「3pも違うのに〜(ーー;)。どうするのよぉ・・・(;_;)」 うわ〜、ご機嫌斜めや・・・。
「バンダナを中敷き下に詰めて調整しよ(^^;)あとは靴ひもで調整できると思うし・・」
橋を渡り右手へ少し行くと左へ入るのがナベ谷。林道の工事中か?歩きやすい道。
10分も歩くと終点。丸太橋のある直進と、右折れに分岐。
どちらもテープが沢山ある。ありすぎる・・・。

「直進は片波山(湯船山)への道だろう。右へ行くよ」しばらく行くとまた分岐。
晴れていたのに霧雨が降り出した。予定の「ナベ谷峠」へは左だろうが、右の谷筋の
踏みあと道の方が明瞭。「霧雨も来たし、693峰へは右が近いので右へ行こうか」
と右俣へ。でもナベ谷峠から尾根に入る方がわかりやすいだろうとまた戻り左俣へ。
踏みあとが解らず浅い沢中を進む。「左岸上に道が」とMICKEYが見つける。
登ると明瞭な道。しかしすぐに沢中に消えた。そのまま進むも倒木と林道工事の
ためか土砂で進みづらくなる。「この靴では歩きにくいよ(;_;)右俣に行ってみようよ」
というMICKEY。「稜線がみえてるからあと少しなのに・・・」と言いつつまた右俣へ戻る。
しばらく明確な踏みあと道。テープも多い。雨具が落ちているところで道が消えた。
左はるか上に林道らしき囲いが見える。沢がその林道工事の土砂で埋まっている。

「どうする?この斜面をその靴でトラバース出来るか?左俣にもどらないか?」
「もう霧雨も止みそうにないし今日は敗退しない?」とめずらしく弱気のMICKEY。
「冷えてきたし雨具を着よう」と小休止。
雨具を着ると「もう少し行ってみよう」とやや元気になったMICKEY。
右岸の土砂をトラバースし左岸にうつる。すぐ右上に稜線が見える。「行く方向は左だけ
ど、右の尾根に乗っても左へ進むはず。一旦上に出よう。急な斜面だが登れそう。」
稜線に出ると明確な踏みあと。西北西にやや進み西へと進む。

8:55
稜線を進むと、テープだらけの693峰に出た。ナベ谷峠からの踏みあと道も南からある。
「このテープの数はつや消しやなぁ(ーー;)」不必要なほどある。
「ここから先は綺麗な稜線道が見えるね(^^)あっ、お気に入りの紺の帽子を落として
きちゃった〜(;_;)」とMICKEY。ありゃりゃぁ・・・。
大きな芦生杉が出だしたね 穴に動物が住んでるかな? 立派な太さねぇ
あとは少し西に進みずっと北北西進すればよい。「おおっ、すごい巨木(@_@);」
と稜線やその左右の斜面に芦生杉が次々に現れる。「芦生の京大研究林で巨木と
の対面には慣れてるはずが、太さと数のレベルが違うなぁ」「すごいわ〜(^^)」
と上を見たり左右を見たり二人とも何回「うわ〜、すごい!」を繰り返したか。
芦生杉の特徴の伏条更新で、幹が根に近いところからいくつも別れて蛸の逆立ち
状態の樹形が見事だ。その太さが今まで見たものより格段上!
霧雨も上がり霧がよけいに幻想的にする。
「いい雰囲気やなぁ」「ここ、いいねぇ。敗退せずに来て良かったわ〜(^^)」
「神秘的で精霊が住んでいそうな感じがするよなぁ。ホントにスーッと心が落ち着く感じ」
「お母さんにも見せてあげたいわ〜(^^)でもこの尾根筋に並行してすぐ右下(東側)に
ついてる林道が気になるね。この裏杉群生地を守られるかなぁ。なんでこんな林道が
要るのかなぁ・・・・近すぎるし裏杉の根も傷ついてるのと違うかなぁ・・・」
尾根筋「うわ〜」の連続(^^) これもなかなか立派 伏条更新で蛸の逆立ち状
登りの傾斜がややきつくなり出す。軽く朝食にした。
霧が晴れて日差しが出てきた。
「うわ〜、綺麗な自然林。いろんな顔を持ってるなぁ」道はさらにやや左先に進
むが、そのまま行くと鍋谷山(859m)へ行ってしまう。
「もうそろそろ右に注意して」
綺麗な冬枯れの自然林ねぇ ここから少し下れば井ノ口山 井ノ口山の三角点にて
9:55
テープが多くなった所で右尾根筋下りに入る。
東の方の秋色の山々が綺麗に見える。
「井ノ口山→」と小さな板きれがぶら下がっている。
「せっかく登ったのにまた下るの?」とMICKEY。
「地図をちゃんと見ろよ〜。下って行くと井ノ口山の三角点がある。
あともずっと下るだけ(^^)」
「もっとゆっくり行ってくれよ」
「ゆっくり行ってるよ(^^)」MICKEYは速い(ーー;)
たった5分で「井ノ口山」の三角点に着いた。
そこから少し下るとエアリアマップにある芦生杉の巨木の群生地。
保護されてる芦生杉の巨樹 別の角度から見たら・・ さらに別の角度から見たら・・
最も太い樹齢千年とも二千年ともいわれている立派な杉の周囲は保護のために今年の春に
ロープの柵が張られたらしい。「これは大切に守りたいね」「でも柵がない杉も立派なものばかり。
どれもこれも大切にしたいね」柵の外から観察した。
保護の柵はされていないものの、あちらこちらにも巨木がある。
南斜面にも立派な巨木群の姿が沢山遠くから見ることができる。
これもデカイ! おおきな芦生杉があちらこちらに
少し下ると台地状の落ち葉の絨毯が気持ち良いところ。落ち着く雰囲気だ。
「林道口へ」というしっかりした新しい道標がある。
「天気もいいし、まだ早すぎるけど、荷物を減らすために食事にしない?」
落ち葉の絨毯の台地で食事タイムとした。
予定ではそのすぐ東の尾根を南下する予定だったが、テープと踏みあとがしっかり
しているこの尾根を「林道口へ」の道標と踏みあとに従ってそのまま下りることにした。
11:10
うるさいくらいのテープに導かれて、井ノ口谷林道に出た。「この山、テープが
多すぎるよね。すごく不似合い」「どうしてこんなにテープが多いのだろう・・・」
テープもリボンも多すぎると思う。林道をテクテク歩く。良い天気で気持ちいい。
大きな靴でチャップリン歩きになり、スタート時はご機嫌斜めだったMICKEYも
「あ〜、気持ちの良い静かな山だったね〜。大満足(^^)」と機嫌が良い。
15分ほどで林道出口。その手前右手の斜面から長くつの男性。
今日初めての人との出会い。山主さんだった。m(..)m
「今日は猟師がたくさん入っていたんだよ。犬に会わなかった?猟期に入った
ので気をつけてね」と。北摂の山と同じくここらの山も猟期であるらしい

出たところに「私有地・山林につき許可なしに立ち入らないで下さい」と看板
「私有地・山林につき立ち入り禁止」の看板
ナベ谷のほうはハイカーへのゴミの注意書きの看板があったが、この井ノ口橋へ
の斜面は入山許可の申請が必要な私有地である。

製材所前を通り元のナベ谷入り口近くの駐車したところへ11:30着
帰りも地道で2時間で帰れた。

【 重 要 】
井ノ口山へは東の井ノ口橋から登るのが、エアリアマップや地形図で見ると
近道だが、この井ノ口林道の入り口の看板を見ても解るように、このルート
自体私有地であり、許可無く立ち入りは禁止になっている。
井ノ口山の山頂から東側はほぼ私有地。
つまり山地主さんの許可なくして井ノ口から登ることも下ることも本来でき
ない。とくに最近は勝手に巨木を訪ねる人が増え、木々に悪影響が出て
いるという。あまりにマナーが悪いと、また入山禁止も当然あり得る。
井ノ口山の台杉の群生地はあまり知られていないが京都市指定天然記念
物にもなっている。山歩きは踏み跡を外さないようにして台杉はじめ多くの
素晴らしい木々に決して傷をつけたり踏み荒らしたりしてはならない。
また「猟期」に入山するのは大変危険でもある。
 ★入山の際には、「京北町役場」などに問い合わせの上、入山することを
   おすすめする。
 ★また山主さんへ直接許可を求める場合は早朝や夜は避けてFAXで。
   FAX: 075−746−0067
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