沢【兵庫】小田原川・掛ケ谷から高場山(797.6m)


【山 域】 兵庫県 小田原川・掛ケ谷から高場山(797.6m)
【日 時】 2008年7月12日(土)
【メンバー】矢問単独
【コース】 宮野・墓地−掛ケ谷−一ノ滝−二ノ滝−三ノ滝−池−高場山
三久安山に登っていて、高場山に登っていたやまあそさん達と無線で繋がったのは昨年の
4月。そのやまあそさんに「この沢を登るのも良さそうですよ」と最近もアドバイスがあった。
日帰り沢登りの本では上岩奥山(911.4m)に至る沢筋のように記されていたので高場山の
直ぐ横の沢だとはピンと来なかったが「掛ケ谷」の事のようだ。家から2時間ほどで着く近場。
MICKEYは今日もパスというので単独で出発。暑いときは涼しい沢で過ごすのが一番だ!

ガソリン代が180円を超えたからか、7時過ぎの遅い出発でも中国自動車道路も播但道
も空いている。神崎北で下りて県道8号を西北進し、宮野橋を渡って左折。県道67号を少し
進み、墓地の左手にある駐車用の空き地で入渓準備。

宮野からこの掛ケ谷筋を通って、高場山から東へ延びる尾根を越えて夢前町熊部へ下り、
雪彦山の賀野神社(賀野権現)に参詣する権現古道が通じていたというルートでもある。
綺麗な水だ 小滝やナメが点在
9:10
駐車地点の横は堰堤なので、すぐ上の空き地から杉林を下り入渓。水は綺麗だ。
ジャブジャブと進む。岩に綺麗な苔が多いのは入渓者が少ないからか。
大きなカエルが一匹いる。全く逃げない。右手斜面に石組みが見えてきた。
低いながらも人工的な水抜き壁穴がある。発電所跡が近いことが分かる。
水力発電所跡 大正11年から昭和4年まで
ナメには魚影も 岩間からの滝
9:25
発電所跡。説明看板を読みに上がりまた入渓。短いながらナメが続く。
一ノ滝 6m 岩間から吹きだしてる
9:45
一ノ滝。6m。左は岩壁がかぶっている。右手の岩壁にハーケンが打たれている。
今日は相棒もいないし、右から簡単に巻けるので巻いて落ち口に立ってみた。
ここからもずっと左の壁は続いているが、小滝群を直登しないのなら右から簡単に巻ける。
正面に圧倒的な岩壁が! 岩のトンネルを左へ逃げる
「うわっ!」正面に圧倒的な岩壁が立ちはだかる。行き止まりのはずがない。沢は左へと
曲がりまた右に折れるS字くびれ。曲がり際の滝が右も滑りそうだし左は足がなく登れ
そうもない。こんな所で万事休すか・・・と滝の水の落ちる所をじっくり見ると、左手に
岩間に寝ころべば1人通れそうな隙間がある。これを通れたら左手の岩場は簡単に登れて
滝の落ち口へ行けそう。ザックが岩にひっかかりながらも通れた。読み通り簡単に登れた。
二ノ滝 二段20m なかなか美しい
10:15
二ノ滝。二段20mのなかなかの美瀑。飛沫を浴びながら休憩しようと、ザックをおろして
見るとザックの口が開いており1Lのペットボトルが無い。こんなことは初めてだ・・・。
岩間を通るときに引っかけて口が開き、落としたのかも・・・。
あわてることはない。ここは沢。水はふんだんにある。滝の綺麗な水をゴクゴク飲んだ。
この滝は右手の樹林帯を巻く。一番低い地点を目指して登り左へ進むと落ち口だ。

4mの滝が2本続き、2本目は右の狭いチムニーを空身で登るのがセオリーだが、これが
また僕の体では辛い狭さで力が入らないし滑りやすい。二人組なら簡単なのに・・・。
周囲を観察。左から巻けることが分かり簡単に巻けた。

ここからは穏やかな谷相でナメもある。しかし倒木が時々あり、越えるのに疲れる。
太いのに折れやすく乗った瞬間にボキっと折れて右あごを枝で強打。イテテテ・・・。
少し先に、木の間越しに三段30mの三ノ滝が見える。
近くに行くと下段しか見えないだろう。この谷筋のラストの大滝だな。
三ノ滝 三段30m 三ノ滝の水を飲む 簡単に登れる1段目の滝
11:00
三ノ滝。掛ヶ谷大滝とも呼ばれているらしい。
そばまで来るとやはり一番下の段しか見えない。ゆっくり眺めながら休憩。
この滝は左から巻く。3段目の落ち口に出ようか2段目の落ち口に出ようかと思案しつつ
2段目の落ち口にドンピシャで出るようにトラバース。傾斜も苦手なほどではなく木も適
当につかめるので比較的楽な巻きである。
落ち口から下を見てから、あと1段を登る。この一段はシャワーで涼しくとても登りやすい。
ナメが続く 黒い岩盤に変わってきた
しばらくナメが続く。だんだんと沢筋も細くなってきて登山道の直ぐ横を流れる。

11:30
登山道と交差したところで登山道を進むことにした。登山道はやや蒸し暑い感じ。
出渓し、左岸の登山道へ 池が静かにたたずんでいる
11:35
池。村人が放したという赤いコイが泳いでいる静かな池だ。左折し配水口をまたいで
17番の巡視路札のある道を登れば高場山。沢で冷えた体がだんだん暑くなってくる。
配水口をまたいで左手が登り口 山頂コール開始!
沢水から出ると冷えた足がだるくなり、登りは疲れる。無線機をワッチしつつゆっくり登る。
山頂手前で鹿よけネットを開け閉めする。

12:00
高場山。さえぎる物がない展望の良い山頂。雪彦山から峰山高原に向かう林道が見える。
西に雪彦山が見え、南には七種山、明神山が見える。
北には稜線越に先月沢から登った暁晴山が見え、東には笠形山が見える。

カンカン照りが心配だったが、曇っていて風が吹いている。暑がりにはラッキーな天候だ。
濡れた衣服が乾き出す際に熱を奪ってくれて涼しい。
篠山の山に登っているはずのやまあそさんを何度かコールしたが応答無し。

雪彦林道や伐採地を見ながら行動食をゆっくり食べる。あ〜、涼しくて快適!
TQFさんも登山されているのか、やまあそさんをコールされている声が無線機から聞こえる。
ID-92をD-STARに切り替えて六甲レピーターにアクセステスト。おおっ、反応した!届いた!
D-STARで六甲レピータ−に向けCQを出してみるがワッチ局がいないようだ。残念。

いまやハンディ機とはいえD-STARでレピーターに届けば北海道から九州まで簡単に繋がる。
アメリカやドイツとの交信テストも成功している。ID-92は防水機種でもあり山や沢にはGOOD。
大規模な伐採地が見える 登山道からの三ノ滝
12:40
下山開始。やまあそさんの歩いた権現古道の峠経由で下ろうかと考えていたが、雲行き
が怪しい。登山道をそのまま下ることにした。途中の枝沢でまた水を飲めるし登山靴にも
履き替えず沢靴のまま下山することにした。
この登山道を登って下るのは面白くない感じ。しかもこの時期のこの登山道は蒸し暑い。
途中で三ノ滝のビューポイントがあったが木に隠れて上の2つしか見えないではないか。
登山道からは本滝が見えていないのだ。やっぱり涼しい沢登りがこの山はオススメだな。

13:30
下山完了。ハーネスをはずし車に乗り込むやいなや、ザーッとにわか雨が降り出した。
雨は15分ほどで止んだ。帰路の高速もがら空き。3時過ぎには帰宅できた。
暑いときは涼しい経路での登山に限る。ヒルもいなくて簡単で快適な遡行が出来る沢だ。
本日の遡行ルート 下山路は沢筋左岸の登山道利用
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