【湖西】釈迦岳・大津ワンゲル道敗退


【山 域】 湖西 釈迦岳・大津ワンゲル道敗退
【日 時】 2008年12月28日(日)
【メンバー】矢問単独
【コース】 イン谷口−大津ワンゲル道−釈迦岳手前で敗退
      (予定は、釈迦岳−カラ岳−金糞峠−堂満岳−東稜
       −イン谷口だったが釈迦岳手前750m地点で敗退)
滋賀のD-STAR守山430レピーターが出来て、11月に湖東(東近江市)・太郎坊宮から
箕作山を登った
際に試してから「最近APRS(DPRS)のシステムも稼働したので試してみ
てくださいね」とJK3HJRさんの書き込みがあったので、湖西の釈迦岳に行くことにした。

朝5時過ぎに家を出て、名神から湖西道路に入る。車載機のIC-2820DGから守山RPTに
アクセス。反応良し。CQを出すが応答無し。APRSはきっとうまく起動しているだろう。
(帰宅してグーグルAPRS地図を見ると自車の走っている軌跡が綺麗に表示されていた)
湖西道路でのAPRS表示
車のラジオで今日の湖西は雪崩注意報も出ているようだ。無理せず注意して行こう。
早朝でまだ雪はカチンコチン 大きな雪だるま
湖西道路が県道322号にぶつかる最終まで行くと、右へは除雪されていて行けるが、
左のイン谷口へは除雪されておらず、左へ曲がってすぐに登山者は駐車していた。
行けるところまで行こうと4WDに切り替えて進むが、雪がカチンコチンに氷っていて
ワダチの上にも登れずあきらめ、僕も道路脇へ駐車。ここから歩くしかない。

7:20
先に出た2名は12本アイゼンを付けて出発。次の男性1人はスノーシュー装着。
「こんな林道歩きでそれは不要なのでは・・・」と思いつつ「人それぞれなのだろうな」と僕
は壺足で出発。滋賀特有の重い雪だ。山上方面は荒れて雲に包まれているのが見える。
林道に朝日が差してきた イン谷橋
7:35
イン谷橋のところで先ほどの先行者に追いつくが、しっかりトレースのある金糞方面へ
行くようだ。この積雪と上部の悪天候ならそれもいいか・・・と僕もしばらく歩くが、
「やっぱりそれはおもしろくない。山頂に行けなくても行けるところまで行こう」と、予定
通りに大津ワンゲルルートをとることにしてイン谷橋のところまでUターン。
管理棟・ここで登山届けを出す イン谷沿いを行く
うっすらとスノーシュー跡がついているがワンゲルルートへではなく、比良登山リフト道の
方へ向かっている。
ワンゲルルートの取り付き 丸太橋を渡る
「大津ワンゲルルートの取り付きの木はあのあたりだったな・・・」と淡い記憶をたより
に進んでいくと右手に見つけた。ここで沢の丸太橋を渡るが2本の丸太橋も積雪で滑りそ
うなので沢を飛び石で徒渉した。ここからはトレースも足跡もないので、ラッセルもルート
読みも自分の力のみとなる。「今日は良い鍛錬になりそうだ」
これだけ積雪があると体力も相当消耗するだろうが、クリスマスケーキの食べ過ぎの体脂
肪消費にはちょうど良いともいえる。
堀切状はまだ膝高の積雪だが・・ 斜面をトラバース
しばらくは堀切のようなルート。こういう所はスノーシューも取り回しに困るだろう。
今日はスノーシューもワカンも持たずにアイゼンのみ。壺足での登山に徹してみよう。
堀切状は雪がたまるので最初から膝高の雪となる。
左右の壁が高くなるところでは「雪が滑り落ちてきたら埋もれるなぁ」と注意する。
堀切での段差は登りにくい 木々にも積雪 また斜面のトラバース
斜面のトラバース地点では慎重にステップを切る。まだ雪がしまっておらずデブリも見ら
れる。帰路でこのルートを通らないためには山頂に行き予定通り左回りで下るしかないが
この積雪ではピストンだろうな・・と頭をよぎる。
石組みの所 大岩を巻き登る
石組みのあるところを左に巻くと大岩がありそこも左から巻く。急登で胸のあたりの雪を
かいて膝で固めて登る。少しの距離にも時間がかかるが、雪山の初歩訓練と思えばよい。
レスキューポイント 太ももまでの積雪に
9:40
大岩を巻き登ると「レスキューポイント・大津ワンゲル1」地点だ。遭難の際に119番で消防
本部に伝える地点で、へリコプターの絵があるプレート。お世話にはなりたくない。
痩せ尾根を進むが太ももまでの積雪になったり腰までの積雪になり、なかなか進まない。
なにせ雪が重くて足を抜くにも一苦労。次の大岩の間をそのまま登るのは足場が無く無理。
雪に埋もれているだろう木の根を掘り出して足場にして登った。一人ではホントに疲れる。
「大津ワンゲル道」の道標 スノーシュー向きの尾根?
10:15
「大津ワンゲル道(難路注意)」の道標まで来た。無雪期なら1時間ほどで来られる所に
3時間弱かかっている。3時間ほど「もも上げ運動」をしている訳だ。汗が噴き出している。
「無雪期ならもう山頂に着いている頃だな。今日は雪と戯れるのが目的となりそうだ」
強風になり、あられも時々降って顔をたたく。「痛い痛い」時々晴れ間も出るが上は荒れて
いて山頂付近は全く見えない。「山頂に行っても展望もなく帰路の体力と時間も読まないと」
尾根道を進む。時々「ドサッ」と木の上にたまった大量の雪が落ちて来て雪まみれになる。
太ももまで沈むのには慣れてきたが、雪が重くて自分の足を手で持ち上げるように助けな
いと抜けない。「2倍疲れるなぁ」
1人ラッセルはキツイ 750m地点・今日はここまでにする
11:00
750m地点に来た。釈迦岳山頂まであと標高差310m。距離にして1.4キロほど。
イン谷口が253mなので3時間半で標高差500mほど稼いだのみ。
上の天気はさらに荒れている。地形図をにらむ。「ピストンなら時間的には山頂まで登れるが
山頂では展望もなくおもしろくないだろうし、今日は無理する価値はないか・・・」
今日はここで止めることに決意した。無理することはない。
APRS(DPRS)でのグーグル地図表示
無線機ID-92とハンディーGPSをつないで、D-STARで守山RPTにCQを出す。
JR3SGJさんが応答してくださった。グーグルのAPRS地図を見てくださり、僕の位置が
表示されていて「どのあたりを登っているかよくわかりますよ」とのこと。
APRS(DPRS)は無線で交信しながらGPSの緯度経度や高度の位置情報を同時に
送信できる優れたシステムで、インターネットの地図上に送信位置がタイムリーに
表示されるし移動しても位置情報がちゃんとわかる。これは山岳遭難にも役立つ
優れたシステムだと思う。


守山RPRから生駒RPTへもアクセスしたがQSO中だった。
生駒RPTの声も直にメリット5で聞こえるが、ID-92の5Wではダイレクトには生駒へはここ
からはダイレクトでは届かない。「ドサッ」と雪が落ちてきてまた雪まみれ。
このID-92という無線機は防水仕様なのでこういうときも助かる。お茶タイムにして休憩。

じっとしていると、ぐんぐん体が冷えてきて震えだした。「さて天気も回復しないし下山するか」

11:30
下山開始。5分ほど下ると雪スコを持った男性が登ってきた。
「スゴイ積雪ですね。予想外です。ここまでのトレースはあなたのですか。とても助かり
ました。この積雪の中を1人でよくここまで登りましたね。疲れたでしょう。雪山ルートの
目印を付けに来たのですが、釈迦から北小松へ抜ける事がこの積雪じゃ出来そうもない。
山頂からピストンになりそう。行けるところまで行ってみます。」
「お気をつけて」と笑顔で分かれた。

登ってきたときにルートどりで「ここに目印があればいいな」と思っていたところに来たときは
無かった青い荷造り紐がくくられていた。不要な所には全くつけない山慣れした人の目印の
つけ方だと感じた。

しばらく下ると、別の年配3人組の男性が登ってきた。出発が遅くても一旦トレースが着くと
楽に登って来られるようだ。3人いればこの後も交代で登るのも疲れず楽だろう。
しかし荒れた天候だし、時間をよく読んで安全に下山して欲しいと祈りつつ行き違う。

下りはやはり楽だし速い。苦労した岩場やトラバース地点もつい先ほど学習済みなので
難なく進むことが出来る。「これなら山頂に行ってピストンしても良かったかな」と少し頭を
よぎるが「やはりあの山頂付近の天候では今日は下山にして正解」と自分に言い聞かせる。

12:30
大津ワンゲル道の登山口の丸太橋に出た。
3時間半かかった登りを1時間でここまで下った。積雪の下山はでこぼこ道より楽だ。

12:45
車に到着。すぐ近くの「比良とぴあ(600円)」で汗を流し、出てきたときは霧雨が降っていた。
ザックの中に残っている遅い昼食を食べつつ帰路についた。

湖西道路を走りながらD-STARで守山RPT−生駒RPTにてJJ3WPSさんとQSO。
今回守山RPTのAPRS情報を下さったJK3HJRさんともQSO出来た。
桂川SAでD-STARで京都嵐山RPTにCQを出すとJH3BUMさんが応答してくださった。

今日は予想外の積雪登山が出来た。山頂には行けなかったが、良い鍛錬になった。
(今日の荒れた天気で、日本各所の山で遭難が発生しているニュースが流れていた・・・)
本日のルート
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