【京都】東山周辺・ナラ枯れ薪割りウォーク


【山 域】 京都府東山周辺・高台寺山国有林
【日 時】 2011年12月10日(土)
【メンバー】MICKEY・矢問
【コース】 三十三間堂・拝観−清水山−東山山頂公園/薪割り−青蓮院門跡拝観
今年2011年は「国際森林年」
いつも山や森で自然を楽しませて貰っているので、なにか出来ることはしたいと思ってい
たので、先月11月は芦生の森での鹿よけネット下げ作業に参加した。

そして今回は京都の東山のナラ枯れの状態を観察しつつ、それらの伐採木を薪にするイベ
ント「京都の森を守ろう・薪割り&ウォーク」に参加することにした。
150名の募集の締め切り日に往復葉書を投函。
応募者は400名を越えたらしく抽選となり、運良く当たった。170名の参加らしい。
   
昨日マイナス6℃の雪のちらつくソウル旅行から相棒と帰国して、ゆっくり休む間もなく
朝6時に家を出て、電車で京都の七条まで行き、三十三間堂の駐車場に8時半集合

受付をして僕とMICKEYは1班になった。1班は19名のメンバー。
今日は10班まであり、1班のリーダーは先日の芦生の森での作業にもご一緒したSさん
だった。Sさんは京都森林インストラクターなので今日のルートにある木々の木は勿論、
木々の葉の特徴や実の説明を詳しくして下さる。

9:00
まずは三十三間堂の拝観から。久しぶりに風神、雷神の像を見ることが出来た。
観光客の来る前なのでスムーズに拝観できる。
MICKEYは初めてのようで、多くの仏像に感心していた。
     
9:10
三十三間堂を出発し、阿弥陀ヶ峰方面へと進む。どんぐりが沢山落ちている。
東山辺りに多いアラカシの実。道沿いに三角点様の石柱。頭は黄色いペイントがされてい
て「山」と掘られている。これは「国有林との境界線」を示す物で、「京女鳥部の森」は
「阿弥陀ヶ峰国有林」なのだ。

京都一周トレイルの「東山11番」の木柱から森に入る。
カクレミノの木や葉や実を観察。タカノツメの葉や木の説明もあり、下には多くのフユイチゴ
が成っている。これは酸っぱくない。
春の山菜時期に人気のコシアブラの木も多く、今の時期は白く透けている5枚の葉は特徴
的だ。黒い実のシャシャンボも多い。
     
カシノナガキクイムシにやられているコナラの木も多い。所々に伐倒して積み上げ
ビニールをかけ薬剤でくん蒸処理がされているのが点在している。
幼虫が春に成虫となり飛び立たないようにするためである。
     
11:10
清水山242.3m。
道標や山頂札には242.5mと地形図とは20p違う標高が記されている。

赤い実を房のようにつけたビナンカズラもある。昔は鬢付け油の代わりにもしていたそう
な。スマートなツブラジイナの木も多い。ネジキもある。珍しいネジキの大木もあった。
大木になるとねじれていないのがおもしろい。
比較的大きな葉のタラヨウもある。葉書の木として知られている。
ウワズミサクラやコバノミツバツツジの木も多い森だ。春の桜の頃はきれいだろう。

コジイの実が沢山落ちている。「皮をむいて食べてみてください」とSさん。
みんなで食べてみた。
   
「このあたりは檜がおおいなぁ」と思っていると檜皮の試験採取場があった。
神社の檜皮ぶき屋根に使われる檜皮を採取する原皮師(もとかわし)の研修にも使われてい
るらしい。皮をはいで赤くなっている檜もある。
   
   
11:40
東山山頂公園・会場。班ごとに写真撮影。
大きな釜で準備して下さっていた肉や具がたっぷり入った「ぶた汁」を戴き温まる。
お箸は京都の「みやこそま木」で作られたお箸で「京都の森を守ろう」「薪割り&ウォー
ク」と焼き印がされたものが頂ける。豚汁とおにぎりでランチタイム。
持参したテルモスのお湯でコーヒーを作りパンも食べた。続々と後ろの班が到着してくる。
   
   
12:30
ヘルメットと軍手が配布された。いよいよ薪割り作業開始。

電動式油圧式の薪割り機、手動の油圧式薪割り機を二人して体験。
小学生でも出来る楽な機械だ。長い斧を使っての人力での薪割りもした。慣れない作業で
見ているよりしてみると長い斧はなかなかコツがつかみにくい。MICKEYも頑張ってた。
広場一杯に積み上げられた伐採木がどんどんと薪になっていく。今度はそれを縄や針金で
束ねる作業。これも隙間無く束ねるのはなかなかのコツがいる。
薪にあるカシノナガキクイムシの小さな穴にニョロニョロと白い5ミリほどの幼虫が動い
ているのが見える。薪をもっと使っていた頃は幼虫の内に死んでいたので成虫が飛散せず
産卵が広範囲にならずこんなにナラ枯れが広がらなかったのだ・・・。
ナラ科の木が使われずに放置され大木になり30pを過ぎるとカシノナガキクイムシの
産卵に最適な太さの木になってしまう。

それを今度は担いで運んで積み上げていく。これがホントに重労働。男でも1束しか持て
ない人が多い中、我々夫婦は2束ずつ何往復も運び、そして積み上げていく。
女性で2束ずつ運んでいるのはMICKEYのみ。しかも次の作業である一輪車で6束ほど
積んでどんどん運ぶ作業も全く休むことなく続けている。こんな女性はただひとりだ。
雪が少しちらつくような寒さなのに薄着で汗を流して頑張っている。なんという体力。
「大丈夫ですか。休憩してくださいよ」とMICKEYはスタッフから声をかけられていた。

14:50
2時間半を過ぎて、ナラ枯れの伐採木の大量の薪の山ができた。クタクタだ。
京都府立大学の先生からの「京都三山」のナラガレの実態、木々の燃料としての薪や炭な
どでの利用の大切さと、それが無くなってナラガレにつながっている自然のサイクルの説
明を聞いた。
本日の参加者全員の全体集合写真を撮って、班ごとに会場を出発。
よく山で見る林業のモノレールの軌道とその実演とモノレールの役割の説明を聞いて下山
にかかる。
   
15:20
尊勝院・庚申堂。銀杏の黄葉がきれいだ。境内からは平安神宮の鳥居も見える。
   
15:30
青蓮院門跡に着いた。比叡山延暦寺の三門跡の1つだ。
参加賞と朝日新聞からの出来たての「特別号外」を受け取る。
青蓮院の中を見学させて頂けるというので入って見学した。ここは初めて来た。
庭が素晴らしい。「しだれ桜が咲く頃が美しそうね」とMICKEY。
 
 朝日新聞の特別号外/我々1班の写真
15:50
解散。「お疲れ様でした」とSさんや朝日新聞の方に挨拶し、四条河原町まで近道で歩い
た。平安神宮近くからはすごい人混みだった。お茶会があったのか和服姿の男女が多い。
18時帰宅。あ〜、ホントに疲れた1日だったがいい汗をかいた。
 本日のルート
 
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