沢【姫路市】河原川/亀ヶ壺から松尾山


【山 域】兵庫県姫路市・河原川/亀ヶ壺から松尾山
【日 時】 2010年9月12日(日)
【コース】 堰堤奥−芦谷・河原谷分岐−亀ヶ壺(滝)−十三廻り
      −P662.3m松尾山−P620m−谷道(倒木廃道)−林道(別荘地)
【メンバー】MICKEY・矢問
「昨日はセミナーで山に行けなかったけど、たまには山か沢に一緒に行かないか」と僕。
「暑いし・・・楽な沢沿い歩きで涼しいところなら行こうかな」とMICKEY。
「ナメ歩きの亀ヶ壺に行こう」「えっ?5年前に行った和歌山の滝本北谷の亀壺の滝?
「違うよ。姫路市の雪彦温泉の近くの亀ヶ壺」「楽なナメ歩きなら行くわ」とMICKEY。
これが帰路の尾根歩きで地獄の暑さにヘロヘロになるとは、二人とも予想もせず・・・・。

朝のワンコの散歩を済ませて6時過ぎに出発。途中で朝食をとる。
福崎ICを出て、雪彦方面へ県道67号線を北上。河原口から北東へと入る。
右手に廃屋のようなバーベキュー施設を見つつ売値の付いた別荘地?を進むと別荘地で、
ログハウスが立ち並んでいる。地形図の『原』という字のあたりだ。
砂防ダムの下の水はとても澄んでいて綺麗。そこを過ぎたところの広い河原にキャンピン
グカーがあり親子とリードをつけていない犬が遊んでいた。その林道側のふくらみに駐車。

沢装束を準備していると、その柴犬大の焦げ茶色の犬がMICKEYにまとわりついて困る。
次に僕の足に抱きついたり、吠えたり噛みつくような仕草。キャンピングカーのご主人に
リードをつけて欲しいと叫んだ。「亀の壺へ行くのですか?今日は水が少ないですね」と。
左の芦谷に滝がかかる滝 綺麗なナメが続く
8:15
駐車地点から先は少し道幅が狭まり、またその先で広がる。川の水がとても綺麗だ。
左横に百葉箱がり橋があった。ここが芦谷と河原谷の分岐。芦谷に滝がかかっている。
分岐の先には廃屋があって「亀ヶ壺の滝へ約50分」と道標がある。
水も透き通っていて綺麗! 淵も透き通っていて綺麗な水!
「水量は少ないけど綺麗なナメね〜」とMICKEYが先行。「楽でいいわ〜」
「うわっ!マムシがいるよ」とMICKEY。紛れもないマムシがナメを横切っていった。
ウォータースライダーのような斜瀑 この淵も綺麗で泳げる
8:40
ウォータースライダーのような傾斜の緩い斜瀑と綺麗な淵。
「ここが、やまあそさんが泳いでいた淵だな」「透き通って綺麗な水ね〜」
斜瀑に朝日が差し込む すだれ状の滝は水が少ないね
朝日がさしてきてとても美しい。「泳いでもいいし、ウォータースライダーしてもいいよ」
「まだ濡れたくないわ。先が長いしね」
岩の下から水が出てるわ 亀ヶ壺の滝の下段
9:05
廃屋。山仕事の宿舎だったのだろう。大きめの廃屋だ。
ここからも綺麗なナメが続く。「沢上谷のような大きく広いナメじゃないけど、兵庫県の
ナメとしては長い距離続くナメね」「水も綺麗し、いいナメやね」とどんどん沢中を歩く。
「これが亀岩ね」
右から水際を登れば簡単に亀ヶ壺へ 「これが亀ヶ壺ね」
9:20
亀ヶ壺の滝。やはり今日は水量が少ない。2段20m程の滝。滝壺も小さい。
「簡単に登って行けそうね」と、左岸の水際からMICKEYが登っていく。
僕はMICKEYがサッサと登っていく姿を下からデジカメで動画を撮る。
「うわ〜、これが亀ヶ壺ね。五右衛門風呂みたいになってるよ」とMICKEY。僕も登る。

「底も見えてるし、ドボ〜ンと浸かるか?」「どうしようかなぁ・・・」とMICKEY。
「この穴に血の滴る牛の生首を投じて雨乞いをしていたとか、飢饉のときに口減らしに、
子供や老人を投げ入れたという話しもあったとか。それにしてはちょっと狭いよなぁ。
やまあそさんの知る伝説では、松尾山の城からこの亀ヶ壺まで水くみに来てた女性がこの
壺に身を投げたとか、村の若者が自分の家を訪ねてきた女性と結婚したけど、それはこの
亀ヶ壺にすむ蛇で、子供を産むところを盗み見したためその嫁が去ったという話しもあっ
たらしいよ」「あまり良い伝説はないようね・・。今日は浸かるのをやめとくわ〜」とMICKEY。
「また今度にするか・・・・。」「浸かれば〜。私が写真を撮ってあげるよ。」「今日はやめとく」
右岸を落ち口へと行くも・・・ 滝の落ち口より亀ヶ壺を見る
さて、この滝の落ち口へ行こうと右岸を登っていく。岩が立っていて木をつかむと登れる
が、その先がどうなっているか読めないので、回り込むルートを2ルートほど探すが無さそう。
えらく危ないルンゼをMICKEYが登り始めたが、先が無く下るハメに。
「ルートを知らないの?」「知らない・・・。滝から先のレポを調べるのを忘れた」「あ〜あ」

もう一度、亀ヶ壺の所に降りて、亀ヶ壺の岩に乗って向こう側(左岸)側を偵察。
岩が立っているので無理。滝の下まで降りて左岸のルンゼを登って巻くのが良さそう。
亀ヶ壺の横の右岸に黄色テープがありそれに従って下まで一旦降り、左岸のルンゼを登る。
落ち口の澄んだ水で顔を洗う まだナメが続くね〜
10:30
ルンゼを登っていると左手にテープがあり高巻きルートだと確信。うまく落ち口へと出た。
ここからもナメが続く。炭焼き窯跡もあちらこちらに点在している。30分歩いてもナメが続く。
「このへつりは私には厳しいわ」 まだまだナメ・・・飽きた〜
「もうナメは飽きたわ〜」「僕も飽きた〜。十三廻りまで行って松尾山経由で戻ろう」
これが大失敗の帰路となるとは・・・この時点ではわからなかった・・・。

二俣がありMICKEYは右へ僕は左へ。左は間違い。MICKEYが正解。
沢筋から離れて左岸の峠道を登る。山椒の木が多い。くねくねと何度も曲がり高度を稼ぐ。
綺麗なナメがまだ続く 十三廻りの峠
11:35
十三廻りの峠に出た。熊出没の注意書きもある。
林道がありこれを下ると播但線の「鶴居駅」へと行けるらしいが、今日は尾根を歩いて戻る。

沢靴から登山靴にに履き替えて日陰でしばらく休憩。MICKEYは持参の朝刊を読んでいる。
無線をつけてAPRS。うまく飛んだ。金剛山系からJH3JFFさんの声。応答するもののJFFさんは
近くに無線局がいてその抑圧で聞きとりにくいらしい。こちらは明瞭に聞こえるのに残念。
十三廻りの峠からの展望 P662.3m 松尾山
11:55
林道横の尾根筋を登る。尾根筋は人は通っているようだが、蜘蛛の巣が多くてこれが大変。
日陰は助かるが、蜘蛛の巣と風が無いのがツライ。アップダウンが続く。倒木地帯があり
行く手を阻まれる。相当歩いた気がして地形図を見たがまだP635m。
暑いし蜘蛛の巣が多いので、MICKEYの機嫌がますます悪くなる。

13:05
P662.3m 松尾山。二人ともバテバテ。地形図を見るとまだまだ先は長い・・・。
西南西へテープがあるが・・・。尾根を西へと下って沢筋へと行くルートなのか?
「次の峠で地形図の西への谷道を下って沢沿いに戻った方が楽かも」「そうしよう・・・」
谷道へ下ってみるが・・・倒木で戻る 七種山方面も見える
13:30
峠にきた。ここから西の谷道は良い道・・・と下っていくと100m程で倒木と草がぼう
ぼうで行く手を阻まれる。突き進むか。「もう倒木帯はこりごり・・。尾根道に戻ろう」
尾根道はしっかりしているが蜘蛛の巣と倒木に悩まされる。「もういや!」怒るMICKEY。
これも亀ヶ壺の沢筋と東の市川町の神崎の集落とを結ぶ峠道だったのに・・・。

先ほどの松尾山で西に尾根筋を下っていくのはこの谷道が下れないからかもしれない。
P620m ヘロヘロで休憩 この先の岩向こう淵にドボン・・・
14:30
P620m。「あとは下っていくだけだから、元気を振り絞って歩こう」「暑い!もういや!シンドイ」
最後の水を分け合う。暑い!。しかし、ここからもアップダウンが続いた・・。
「嘘つき〜!」と怒鳴られるが反応する元気も無い。暑い時期にこの尾根ルートは最悪だ。
あの涼しいナメの沢筋を、そのままピストンするのが涼しくて良かった・・・。あとの祭り・・・。

あの林道の別荘地と東の市川町の谷の集落を結ぶ道に地形図上はぶつかる手前でスーッと
テープにつられてP520mの方に行きかける。「違う。谷道に行けなくなる。戻ろう」
戻って南下。しかしそれらしい谷道へのトラバース道がない。ピンクのテープと白いテープが
藪の中に見える。「突っ込むしかないか・・・」と斜面をテープに向かって突っ込む。
MICKEYと少し離れてしまい、MICKEYが「なんでこんなひどいルートを選ぶのよ!」と怒り爆発。

谷道らしき植林帯にやっと出た。仕事道がうっすらとあるので下るが、崩れやすい。
どんどん下り右岸の仕事道を進むと、道が消えて倒木帯にぶつかった・・・。「なんてこった・・」

もう体力も気力も限界になり座り込む。左岸沿いに鹿よけネット。大抵はネットのどちらかに
踏み跡があるはずでMICKEYが偵察するが、左は草がぼうぼう。
「行くしかないか」・・」とネット沿いに倒木を越えつつ進む。足は疲れてふらふらだ。
イバラや山椒のとげで服やザックが引っかかりまくる。暑い。のどが渇く。

少し冷静に考えると、ここも倒木で進めない谷道となっているのでP520mに行き、谷道の
右岸尾根を下るルートがましなのかも知れない。地形図の谷道は2本とも今は駄目だ!

鹿よけネットのドアがあった。やはり・・・。歩くのはネットの向こう側の草ボウボウの所のようだ。
最後の丸太橋を通り枝沢の岩の間を通過し、淵の左岸の岩を滑らないようにと下っていると
「あっ!」滑ってしまい、淵へドボンしてしまい、右肋骨を強打した。体全体がびっしょり濡れた。
「くそ〜!あと50mで終わりなのに・・・。}ドボンしたので体が冷えたのがせめてもの救いかも。
後続のMICKEYには、右へ淵を巻くと楽に降りられることを伝えた。「了解」素直だ・・・・。

16:20
沢を飛び石で渡ると別荘地のログハウスの芝生に出た。沢でMICKEYは顔を洗っている。
やっと倒木の尾根と倒木の廃道になっていた谷道が終わった・・・。

「私はここで寝転んで待ってるわ。ザックを置いて空身で車をとりに行って」「了解」
ここから10分ほど林道を歩いて車に。クーラーをガンガンかけてクールダウン。
MICKEYも車に乗るや「クーラーってありがたいわ〜」とクーラー嫌いのMICKEYも。

雪彦温泉で汗を流して、二人とも冷たいコーラ+コーヒー+アイスクリームで生き返った。
「ホントにひどい下山ルートだった!登りだらけで暑いし倒木だらけ!」「ごめん・・・」

結論:亀ヶ壺は滝の上部もナメが続くが、ピストンした方が気持ちよい沢歩きができる!
    雨後の水量の多いときがナメもさらに良い感じになりそうでオススメかも。
    晩秋や春先の涼しい時期なら今日の尾根ルートももう少し快適だっただろう。

本日のルート
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