【大峰】大川口から行者還岳(1546.2m)


【行き先】大峰・行者還岳(1546.2m)
【日 付】2005年11月12日(土) 
【コース】大川口−吊り橋−関電巡視路−行者還の宿−行者還岳−大普賢岳
     −天川辻−(天川村と北山側を結ぶ古道)−吊り橋−大川口
【メンバー】矢問 単独
今日は朝3時からは晴れるというピンポイント予報だが、MICKEYは「絶対良くならない」と
独自予報で行かないという。では単独で行ってくるか〜、と朝5時過ぎに出発。

大台ヶ原方面から見たらピーク全体が南に倒れかかったように見える「行者還岳」。
大峰山の開祖、役行者があまりの峻険さに登ることを断念して引き返したのが山名の由来。
大川口の左手に吊り橋がある 左は植林・右は自然林
7:35
大川口。この北の先は99年に沢登りをし、2000年には家族でも来た神童子谷へと続く。
登山届けポストに届けを入れて橋を渡って、右の細い鉄橋の取り付きへ行く。
ぼんやりしながら10mほど登り始めるが「鉄山」方面の木札がある。「???」
「あっ、左の吊り橋を渡るのだ!」と仕切り直し。左手にある熊の注意看板と行者還岳方面
の木札がある布引谷にかかる緑のプラ吊り橋を渡る。 空は曇っていて山の上部はガスで
包まれている。「山頂付近で晴れてくれればいいのだから」とゆっくり登る。
本当に関電巡視路なのだろうか。ガイドブックのようには鉄塔も電線も見えないが。
  ( ※ 帰宅してから、今年9月の円の亡者さんのレポによると撤去されて、無くなった事を知った)
GPSで確認すると、1/25000の地形図の波線ともやや違うところにルートがある。

紅葉と赤や黄色の落ち葉が気持ちいい。左は植林、右は自然林という感じ。
展望の良さそうな所に出たが車道が見える。上部はまだガス。本当に晴れるのかな。
ラジオをつけてみる。九州、広島、兵庫、大阪ともに青空になったという。もうすぐか。
支柱は大丈夫かなぁ・・・ 下は崖だ・・・
9:00
木のはしごが出だした。今までのような楽な登山道が続くわけ無いと思っていた。
ここから5カ所ほど木のはしごが続くが、朽ちかけの部分もあり慎重に山側に体重を載せ
て進む。斜面が崩れていて登るのかまっすぐ行くのか迷うところも2度合ったが、よく見
るとワイヤー手すりが見えたり、古いテープを見つけることが出来てホッとした。
この時期の難点は「落ち葉」につきる。綺麗だが、踏み跡程度のこういうルートはすべて
を落ち葉が埋め尽くして実にわかりにくい。テープ見つけの達人MICKEYが今日は同行
していないので慎重にゆっくりあたりを見て探した。それにしても天気の回復は・・・。
霧雨のような雨が降ったり止んだりしだしたではないか。雨具の上着を着た。
岩がでだしたらもうすぐ稜線 稜線の分岐の道しるべ
9:40
稜線の分岐。一斗缶の蓋に道しるべが記してある。数年前までの山行記録では天川辻に
出るようだが、現在のルートは天川辻から少し北の小屋との中間くらいの稜線に出る。
霧雨はもう降っていないがここからの展望もきかずガスの中。風がびゅーびゅーとキツイ。
「行者還の宿」の石柱 綺麗に新築された小屋
9:45
「行者還の宿」と昭和7年の石柱前に綺麗な避難小屋。部屋は2つ有り、炊事場もトイレ
もある。男性が1人先着していた。トンネル西口から登ってきたという、堺市のUさんも
天候回復待ちだとのこと。鉄山など大峰をよく歩いておられるようだ。しばらく雑談して
いたがややガスがましになったのでUさんは山頂へ出発された。
僕は今日は急ぐ必要もないので、うどんを作って暖まってから行くことにした。
食べ終わりかけて山頂への出発準備をしていたら、またトンネル西口から登ってきたとい
う男性が1人到着。みんな天候回復を信じていたのに、どうも回復が遅い・・・。
岩間には石仏 「行者還の雫水」といわれる水場
10:50
「お先に」と先に山頂へ向かった。小屋に1時間もいたのか。珍しいことだ。
寒風が冷たいのでジャンバーを着てその上に雨具で防寒した。手袋は要らない。
5分も経たないところに新しい石柱道標。その上の岩場は修行者の祈り場のようだ。
  ( ※ この石柱道標も帰宅してから、円の亡者さんのレポでは9月はまだ基礎の穴だけだったと知った)

堺市のUさんが山頂から戻ってきた。「あっけなく行けました」とのこと。
その先からは木はしごがしばらく続く。最初の所に「水場」のホースが来ていて、水が出
ている。磁石を見ているとルートはえらく迂回しているようだ。
あと100mという鞍部にも真新しい石柱道標がある。
水場以降のはしご 行者還岳 山頂
11:10
行者還岳山頂。山頂は「剣ケ岳」ともいわれる。
木が多いので、展望はそれほど良くないのかもしれない。何しろガスがまだ晴れず展望が
あまりきかない。シャクナゲも多いので花の時期は綺麗だろう。
三角点から東へ20mほど行くと絶壁になり、弥山、八経ケ岳へと延びる山稜を足下にす
ることが出来るのだが、ガスの中・・・。
5日前の7日(月)に大普賢岳に登って七曜岳に行ったあと、あの晴天時にここをピストン
しておけば良かったなぁ〜・・・と後悔先に立たず・・・か。

下山途中で小屋にいた男性も登ってきた。
誰もいない小屋について、再度ルートをチェック。落ち葉で踏み跡が全くわからないだろ
うし一部崩れているという情報の天川辻ルートで小坪谷へ下るのは、今日の登ってきたル
ートでの踏み跡の感じでやや躊躇するものの、無難なトンネル西口へ下りるもおもしろく
ないし。やはり、北山越えといわれる旧道の天川辻ルートで下ろう、と出発する。
天川辻の石仏 石仏前の石柱道標
11:40
鞍部。ここには古い石仏と真新しい石柱道標がある。石柱道標にも「天川辻」とある。
ここで稜線と離れて落ち葉の斜面を下り始める。落ち葉でわかりにくいものの、慎重に観
察すると赤やピンクのテープが所々にあり、心配したほどのルートではなく、気持ちの良
い秋色ルートだ。
落ち葉で踏み跡はわかりづらい 慎重に観察するとルートはわかる
天理大の道しるべが数カ所ある このあたりから涸れ沢下りとなる
古いものの、天理大の黄色の道標看板も4カ所ほどあり、歩いているルートが間違って
いないことがわかって安心する。最後の天理大の道標看板からは涸れ沢のルートで、
石がゴロゴロしていて下りにくい。途中で男性2人が鉱物採取をされていた。
静かな涸れ沢下り 樹木、野草、鉱物の採取は一切禁止
「鹿に会わなかった?水晶が見つかったよ」と石鹸大の原石を3つ4つ見せていただいた。
キラキラと綺麗だった。しかし、ここは「樹木、野草、鉱物の採取は一切禁止」と天川村
・中吉野警察とが注意看板を設置している斜面なのだが・・。
沢に出た 古い鳥居
12:55
沢に出た。もうすぐだ。ここでルートを再チェック。すぐ右手に乗り込めば沢の右岸の道が
続く。とても綺麗だ。天理大の黄色の看板もあった。石組みをしているところもある。
鳥居があり引き込まれて見にいった。ブロックの朽ちた建物の次には石組み。昔は祠でも
あったのかも・・・。奥へ進んだが道は無くなったので元の道へと戻った。
吊り橋を渡ると車道に出る 行者還岳が姿を出した
13:15
金網状の緑の吊り橋を渡ると道路。この旧道を下山路にして良かった。こういう道が好きだ。
 (ガイドブックではこの橋を「赤い吊り橋」と記されている。以前は赤かったのかもしれない)
見上げるとガスに隠れた行者還岳。ガスが飛ぶタイミングを待って写真に納めた。

13:30
車道をテクテク歩き、登山届けをした車の所へ。マイクロバスまで停まっていた。

帰路は川迫川渓谷やミタライ渓谷付近の紅葉の写真を撮りに来た車で満杯、人も一杯でと
ても走りにくかった。それにしても川沿いは見事な紅葉だ。
下市温泉・明水館
途中の下市で町営の日帰り温泉「下市温泉・明水館」で汗を流す(500円)。すいている。
国道で柿をバケツ2杯(@500円)とミカンを買って帰った。走りながらみかんを沢山食べた。
MICKEYの予報通りまだ「晴天」にはなりきらない1日だった。
本日のルート (大川口−行者還岳−天川辻−大川口)
この1つ前の記録は「大峰・大普賢岳」の記録です