弥十郎ケ嶽


【山 行 日】平成11年3月6日(土)
【行き先 】弥十郎ケ嶽(715.1m)・・兵庫県50名山の1つ
【メンバー】矢問源氏とその妻MICKEYの2名
【天  候】晴れ
「うわぁ、なんていい天気。こんな日に家の中にいるなんてもったいない。」
と思っていたら妻も同じ事を考えていたようだ。本当は昨夜から遠出した
かったんたせけど・・。
 出発するにももう遅いし、近場へ行こうということになり、丹波の弥十郎
ケ嶽へ向かう。息子達は昨日期末テストが終わり「今日はゲームしまくる」と
留守番の立候補。早く出よう。もう9時30分だ。
 兵庫県道12号線を北上。篭坊温泉の後川あたりから登山口があるはずだが
良く知らない。国道372号線まで行って日置東で右折。畑市の集落あたりから
登山口があるはずと目星をつけたが、畑市への入り口がわからない。国道沿い
の家の前に出ていた奥さんに聞くと、「ホウカベ神社の前の橋を渡りなさい。
ずっと行くと畑市の部落があるのでそこで訪ねなさい」と。
「ホウカベ」とは「波波伯部」と書く。橋を渡り右への車一台の細い道を行くと集落が。
所ジョージのダーツの旅じゃないけれど「第一村人」はいないぞ。
どんどん進むと荒れた「薬師野ケ原キャンプ場」があった。弥十郎ケ嶽の登山
案内板も。兵庫森林浴50選に昭和59年に指定とか。

10:57
キャンプ場に車を置いて、ゆっくり出発。きれいな良く踏み固められた道。
砂防ダムを過ぎると、すぐ杉林に入る。僕たち夫婦以外誰もいないので静かな
もの。妻も「貸し切りの登山は気持ちいい」と。ホントにいい道が続く。
階段もなく自然の土道。杉があちらこちらで根本から倒れている。台風の傷跡のよう。
杉と杉が風でゆれてきしむ音がなにか不気味。
誰かがしゃべったようで、何度も足を止めた。
 途中できれいなせせらぎ沿いに歩き出し、気持ちいい。「こんなせせらぎの水
でコーヒー飲んだらおいしいらしいよ。妻恋地蔵さんならそうするだろうなぁ」と
言いながら進む。苦しくもなくいい感じの勾配が続く。30分経ったところで少し
展望がある所に出たので休憩。
「ガサガサガサ」と動物の走る音が向かいの斜面でした。
「熊じゃないよね。鹿かな。狐かな。猿かな」と怖がる妻。「カウベルをリュックに
つけて歩いてるし向こうから僕たちを避けてくれると思うよ・・・」そこを出発して少し行くと
滑り台のような岩場が10メートルほど。苔がついていて滑る滑る。お助けロープも
張ってあるが使わず登る。しばらくすると大きな岩場。そして直径5メートル以上もある
洞穴の口がのぞく。道はそちらに向かっている。
「やめようよ。熊がいそう。巻き道していこうよ」と固まる妻。
「大丈夫と思うよ」「どうしてそんなことが言えるの」と・・・口論してどうするねん。
僕が先に進み調査。
奥まで見える所まで。「山嵩弥十郎洞窟」という真新しい細い木札が突き刺してある。
さっきの休憩時に動物の気配があったのでよけいに不気味だった。
入り口を横切って進む。「静かで気持ちいいなぁ」と何度もいいながら進むと
左右の分岐。右に進みかけると「左の奥の方に立て札らしきものがあるよ」と妻。
左へ進むと「弥十郎頂上方面」の立て札。妻の正解。右に行っていても合流する
コースなのだが、一般コースはこちらの様子。
頂上手前は少し道が細い。人の声がする。

12:05
頂上到着。約1時間の手軽なコース。三嶽などの篠山北部の山がきれいに見える。
天気が良くて、さわやかな気温でホントに展望を楽しめる。
「2等3角点715.10m」とある。頂上では7名ほどが食事をしていた。
反対側の後川方面から登ってきたらしい。僕たちも食事の準備にかかる。
ここでドジ。ホワイトガゾリンのバルブがゆるみすぎてガソリンがストーブにたまって
火が大きくなりすぎた。そのままたまった分を燃やそうとしていたら風で周りの枯れ
草に少し燃え移る。落ち着いて踏み消した。ほんの10センチ四方だけど大事に
いたらずセーフ。コッヘルをとるとき取っ手が熱くて軽いやけど。
妻が「囲炉裏の人たちならこんなドジしないでしょ」と皮肉。「なんのなんの。
ぶんさんは北山でもっと大々的に焦がしてよ」と。みじめ・・(;_;)。
南側の景色も見に行った。帰ってからカシバードでの展望と比べて妻に見せる
ために手帳に簡単に写生しておいた。

12:50
次回は後川方面からの登りで来ようと言いながら、来た道を下山開始。
こんどは、囲炉裏の村民に後川からのコースを教えてもらおう。
やはりこのコースはだ〜れもいない。またまた貸し切り。いい道なのに。
5分ほど下ったら左への道もあるが、テーピングもないし、草は生えてるし
「コースからいってもきっと合流するから今度はこの道で下山しよう」と言っても
MICKEYは聞き入れない。じゃ、ピストンするか・・。
今度はあの洞窟前も余裕。写真も撮った。ただし入る勇気はなかった・・・。
大雨の時やビバークには大きないい穴。
ゆっくりゆっくりと歩いて下山。軽トラックが砂防ダムの所にとまっていた。
猟犬の檻がある。「猟師にも会わなかったなぁ」と言ってると「オーイ戻れ」と
大きな声が遠くで聞こえた。犬を呼んでいるのだろう。
13時50分車へ戻る。登りも下りも「貸し切り」の大満足のお散歩登山。

帰宅してからカシバードで展望の復習。妻が「すごい。良くできてるわねぇ。
見た山の名前が全部わかるのもいいわね」と感動してた。