白髪岳(722m)


【行き先】 丹波山地・白髪岳
【日 付】 1998年4月29日(みどりの日)
【天 候】 晴れ
【参加者】視覚障害者 4名
      晴 眼 者 11名   合計15名
「山ネット」のサポーターとして山ネットグループ山行に参加

大阪駅7時55分発の各駅停車福知山行きにJR川西池田駅から合流。
ナイトンも参加。ホームではKABAさんが「オーイ、乗れよーぉ」と合図を。
なんと予定より多く、合計15名の参加。久しぶりの再会者とも歓談。

KMさんからの天城山の感想文とKHさんの府民の森ハイキングの俳句を
編集室へとMTさんから預かる。また、視覚障害者の山を楽しむ会「山ネット」の
名簿登録用紙を頂く。さらにカステラまで。ナイトン早速「頂きまーす」。
古市駅に9時7分に到着。トイレが男女兼用で1つで混雑。
男性陣は我慢せよの号令もかかり、女性優先。

9:15
駅前で3人一組のグループ分けをして出発。
私はKHさんをサポートしてHZさんの誘導に続き1班。
ナイトンはMTさんグループで最終班。

駅を出てすぐに古い街並みが続く。「左大阪、ありま、右はりま」の立派な
石標のたつところを右にとり、しばらく国道を歩き天神川沿いに住山の集落を
めざす。辺りの田圃にはもう田植えを待たんばかりの準備がされている。
早いもので、蛙の声も。茅葺きの農家もまだ残るのどかな風景。

正面には白髪岳の立派な山容が見えてくる。道ばたで農家の主婦がおかきと
甘納豆を販売している。「帰りに買うからお茶用意しといて」とKABAさん。
帰路は違うはずなのに、うそはイカンよ。SJさんは得意の山菜とり。

やがて松尾山(687m)との分岐を左にとり白髪岳方面へ。舗装路から砂利
道の林道になる。日陰では涼しいが、太陽が当たると暑い。
「暑い暑い」の声。白髪岳登山口手前の陰で10分間の小休止。
ユング夫人から大好きな豆餅を頂いたり、パイナップルを頂いたり、また
飴やらミカンやらもいろいろな人からおすそ分け。

10:37
登り開始。
尾根道は良く踏まれていて木も多く気持ちの良いコースだ。
南尾根の共同アンテナのところで右手に松尾山がよく見える。

いよいよ荒々しい岩肌が見えだした。一つ目は正面から攻めずに右の巻き道を。
すぐにロープや鎖場にかかる。みんな今までの林道で疲れたのがうそのように
はしゃぎながらスリルを楽しんでいる。サポーターは必死で安全確保。
途中で会ったグループがみんなその岩登りのパワーと技術に驚いていた。
ナイトンは近道の鎖場を登ったり力があり余っている様子。
岩の上に立ったり下ったりと女性陣の目もスリルに輝いていた。
KHさんも今日は絶好調。KGさんも元気元気。
ちょっといつもよりユングさんが疲れ気味。「ファイト!」
登り切ると岩稜部を伝ってしばらく歩く。

12:10
白髪岳山頂(721.8m)到着。KHさんも二等三角点にタッチ。
360度さえぎるものが無く最高の展望。
北側は篠山盆地と多紀アルプス。この北側の味間地区は兵庫県下では第一の
茶所で、霧が深く昼と夜の温度差が大きく、古くから上質の茶の産地。

東側は松尾山、その向こうに見えるはずの愛宕山、三国が岳、弥十郎ガ岳は残念
ながらかすんで見えない。
南側には千丈ガ岳や虚空蔵山はよく見える。9月にはこの虚空蔵山に登るとMT
さん。きれいな山の姿をしている。西側では高山や妙見山がのぞいている。

SJさんの山菜天ぷらやウドの酢味噌あえをおいしくいただいた。
山頂には30人ほどの人たち。その天ぷらの手際のよさに感心していた。
3人の地元の人とHTさんやMTさんが歓談。「篠山地区支部長」に任命。
この支部長もSJさんの山菜の知識に脱帽。全員で記念写真を撮った。
眺めは最高です 岩場も怪我が無くて良かったね
13:05
下山開始。急なロープ場が続く。後ろ向きで下りながらサポート。
誰よりも滑って転んでいたのは「篠山地区支部長」。
細い道がつづき、KTさんも3度ほど滑ってしまった。
HZさんの「四つ辻で休憩するぞー」の号令。

13:54
四つ辻までもたずに、休憩コール。ほとんどの人がここで飲み物が無くなった。
KHさんは6月の俳句の題材が「夜釣り」と「つばめ」らしく、「釣りは任せて
下さい。つばめも家のそばには巣がたくさんありますよ」と私からつたないアド
バイス。

14:10 出発。しばらくして四つ辻。ここを左にコースをとり文保寺方面へ。
細い細い道が続き、サポーターは必死で安全確保。やぶつばきの花がたくさん
落ちている。HZさんが「のど乾きにはこの葉っぱをかめばいい」と。
「うわー、すっぱい」とあちらこちらから声。
谷川まではまた急なロープ場の下りと細い細い道が続く。シャガの花がたくさん
咲いている。
谷川ではHTさん、KHさんたちが「おいしい、おいしい」とのどを潤した。

15:00
文保寺到着。小休止。イチョウの大木がある静かな寺。
天台宗 千手両観音がご本尊 全盛期21ケ坊・・明治以降は三ケ院
15:15
山門の1メートル30センチほどある願掛けの大わらじに触れる。
「篠山地区支部長」が希望者の荷物を篠山口駅までここから運んでくれると。
その上、疲れている4人も乗せて先に駅へ。
ここからは田圃と住宅が点在する。

15:58 篠山口駅
臨時快速ホリデー号に乗り帰路へ。がらがら状態でゆっくり座れた。

川西池田駅で皆さんとお別れ。
天気もよく、事故もなく、楽しいグルーブ山行であった。

                   (98/04/29(水) 18:54 矢問(やとう)
10年後の2008年6月1日 「白髪岳から松尾山の記録」へリンク