【山 名】富士山(3775.6m)



みなさん、こんにちは。兵庫県の矢問源氏YATOH-GENJIです。
となみさん、葉桜さん、馬竜さんはじめ多くの方々にアドバイスをいただき
行って来ました\(^0^)/運良くご来光も拝めましたよ(^^)

【山 名】富士山(3775.6m)
【日 付】1997/07/29〜30
【天 候】霧雨・曇り(7合目より上は晴れ)
【ルート】富士宮新5合目−8合(泊)−頂上−御殿場口下山道7合目まで
      −宝永第一火口ー富士宮新6合−富士宮新5合(2400m)
【地 図】昭文社 山と高原地図18「富士・富士五湖」
【参考書】日地出版 地球の風1「富士と五湖」

去年からの長男との約束の富士山へ。妻と次男は今回留守番。
台風9号が熱帯低気圧に変わったけどしっかりいすわっていて
静岡や関東地方にはまだまだ雨をもたらしている・・・。

29日の午前4時に長男と2人して自宅発。
今日は移動日にして明日登山予定とした。養老から名古屋あたりまで雨。
いやな感じ。トンネルを出る度に雨になったり曇りになったり一喜一憂。
1時間ごとにサービスエリヤで休憩しながらゆっくりモード。
静岡に入ってから対向車線が大渋滞。トネル内でトラック3台と乗用車
3台の事故発生。路面がすごく滑るのにみんな130キロくらいで走行している。
用心用心。

富士I.Cを出てコンビニでおにぎり2人分として16個購入。
午後1時に富士宮新5合目に到着。気温は10度。霧雨。傘は不要。

500台駐車可能の駐車場には車が40台程度。売店で月見うどんを食べ
る。700円なり。酸素スプレー缶も売っているが1500円。私たちは
1本560円で2本持参している。突然長男が「お父さん、明日まで退屈
やし、もう登らないか」と。ガーン・・ワタイはチョー寝不足なんやぞ。
でも自分の心の中でも「良い天気を待つならもっと上で」と思っていたの
で「ホナ行きましょか」と午後2時出発。一応カッパ上下も着て。

新6合目の手前で下山途中の夫婦に「小屋の予約もせずに登るのか。雨が
降っても雪が降っても、一杯だと入れてくれ無いよ。上の売店から電話し
て予約しなさい」とおどされる。新6合目の売店で電話を借りようとする
と一般の公衆電話は5合と頂上にあるとのこと。
「この天候で団体のキャンセルも出てるから、大丈夫。泊まれる。いま
からだと、8合目か9合目で泊まりなさい」と優しそうなお母さんと兄さ
んの言葉。ホッ。参考書には団体以外は特に予約必要なしと書いてあった
けど・・。そう言えば駐車場に同時に着いたバス3台の団体もしばらくい
て登らずに帰えっちゃったなぁ。

新6合を過ぎたあたりから草木は寂しくなった。アルプスとは大違い。
霧雨も降ったりやんだりで量も心地よいくらいなので元祖6合目で
カッパを脱ぎ、おにぎり2つ食べて小休止。財布を車に忘れたという
家族連れが小屋(石室)のおやじさんに「今カネが無くたってかまわん。
誰が泊めねえって言った」と。心温まるやりとりを聞く。

7合目から5分に一回青空に3分間ほど。この辺から寝不足がたたりだし
たか、動悸が激しくなり出した。酸素も薄くなってきたかな・・・。でも
時々のぞかす青空は気持ちいい。元祖6合のおやじさんが「明日の朝は
いい天気になるぞ」と言ってくれたのも励みになった。酸素スプレーを
長男と数度深呼吸。初めて使うので楽になっているのか良くわからない。
若い女性の2人組に「ガンバって。9合目まで行ったけどバスの時間があ
り下山。8合目を過ぎると体も慣れて楽でしたよ」と。ホントかなぁ・。
楽になるのかなぁ。ガイドブックにもそうは書いてあるけれど・・・。
5分ごとの青空時に8合の石室が見えるのになかなか到着しない。
ゆっくり30歩あるいて5歩分休憩というガイドブックの歩調は寝不足の
私にはグッド。だんだんと休憩が多くなり、午後4時50分に8合目に
到着。石室には50名ほど先着。がらがら状態。受付で「予約されました
か」の第一声。新6合目での売店でのやりとりを説明すると、にこにこし
て「わかりました」と。ホッ。1人で2食付き7000円。おにぎりや
非常食、飲み物もたっぷりあるけど、北アルプスとの違いを体験しようと
食事付きにした。それにしてもサ・ム・イ。気温6度。でも風がきつくて
体感温度はもっと低いはず。フリースとダウンベストとカッパを着ても
長時間はじっと立っていられない。登っているときは暑かったのになぁ。
7合目位に雲は雲海状態。
影富士が雲海に映え、影の縁には虹と何とも言えない美しさ。

 影富士を初めて見ました


夕食は午後5時30分から交代制で名前を呼ばれる。カレーライスだった。
コンビニのカレーより小さく少ない。長男が北・中央・南アルプスの小屋
の食事との違いに驚く。「やっぱり日本一の高さやなぁ。泊まった外国の人
も驚きだろうなぁ」と。どこへ行ってもテント泊を基本にしている私たちに
はテント場も無いのはつらい山だ。食事後、急に長男が鼻血を出し驚いたが
大したことはなかった。

1つの布団で2人寝る。まだ半分以上空いているのに、詰めていく。
午後8時消灯。隣のおじいさん、息子さんとその子供の3人連れは5時過ぎ
から食事の時以外眠っておられたが、頭は枕においているものの体は私のス
ペースまで「くの字型」で陣地取り。一度はクレームを言ったが、初めての
登山の様だしお年寄りにガミガミ言う気もしないし我慢した。一番端の長男
が潰れないようにだけはカードした。夜中に何度も窮屈で眠れないと3人で
話をされるが、おじいさんと息子さんは大イビキで何時間も寝ているのに、
本人は気づいていない。この石室で最もイビキは大きかった。子供さんやお
じいさんがトイレに行くときはスーパーの袋のガシャガシャが数分続く。
ザックの中身を探し回る。結局わたしは、子供のスペース確保のブロックと
大イビキとで10時から12時までの2時間だけ眠れたような気がする。
観光地化されている富士登山ではマナーなんてないのかなぁ、と寂しい。
午後8時を過ぎても何人も泊まりの人が入ってきた。結局満床となった。

午前2時20分に隣の3人組は出発準備。午前2時30分に頂上ご来光の為
の起こし号令があり、3時まで電気がつく。石室前のご来光組には午前4時
30分に起こし号令がある。みんなより30分遅れの3時にのんびり出発し
た。フリースは着ずにダウンベストとカッパの上着で。

星がきれい!!!すっきり晴れている。下界の街の灯もよく見える。
寝不足ですぐに呼吸が荒くなる。長男は消灯からぐっすり寝ていたのに
頭が痛いという。一歩一歩超スローペースで進む。人は少ない。5〜10
メートルに1人位。途中には気分が悪くうずくまっている2人連れが何組も
いた。9合目で30分早く出た人たちと一緒になった。
酸素スプレーで小休止。体が少しだるい。軍手をしていても指先が寒さで
痛い。下の方に雲がわいてきた。我慢してくれよ、雲さん。9合目からは
さらに人との間隔が広がった。9合5勺からが長く感じた。あたりは明るく
なりはじめ、ライトもいらなくなった。

4時30分頂上到着。雲のおかげか、少し日の出が遅れていた。

さすがに寒いなぁ


4時50分に「ワァーッ」という歓声とともにご来光。太陽に当たるところ
のみ暖かい。「酸素を吸うと老化が早まる」といいながら長男は酸素スプレー
で休息。そのあと気象観測所まで行き、頂上売店でおみやげと朝食をとった。
頂上郵便局から両親宛に「木の板はがき」を出し、登頂証明をもらい、奥宮
で次男の学業お祈りなどをして、長男がお鉢巡りはしたくないと言うので、
6時35分下山開始。

 御来光は感動したよ おはちの縁で「気分悪い・・」


御殿場口登山道で7合目まで行き、宝永第一火口を降りて新6合目への
経路をとった。
7合9勺の赤岩八合館で親切なお姉さんに地図を頂き案内を聞き再出発。
霧が出始め、7合5勺の砂走館で雲に入り何も見えなくなる。
下山者も会わず不安。トイレ代50円を支払い再出発。
7合目の日の出館での分岐がわかるかなぁ。
8時に日の出館到着。道を伺うと「フェンス沿いにいけ」と。
小屋を出て80メートルほどで三叉路。迷うなあ。まっすぐ先にある
フェンス沿いには踏み跡がない。左手25メートルほどにあるロープ沿いには
踏み跡があるけどなぁ・・・。言われたとおりにしよう。しかし、結局10分
ほど歩きにくいフェンス沿いを不安なまま歩くとそのロープと合流。クソッ。
長男も「ロープ沿いに行け、と言ってくれればいいのに」と怒る。
分岐を右へとり大砂走りと分かれる。右手に宝永第一火口。今から行く道が
雲の切れる度に見える。「ギエッ、これ降りていくの」と長男。私も同じ気分。
砂走りと同じくくるぶしまで砂に埋まりながら降りる。長い・・・。途中で
2度長男の靴の中の砂はらい。「スパッツを着けろ」といっても「行ける」と
頑固。下り始めて15分ほどで二また。右かまっすぐか悩む。
長男と地図をにらみまっすぐをとる。30分かかって火口へ。ベンチがある。
周りは雲が消えて晴れた。十二薬師の赤岩がはっきり見えスゴイ。
ここで大休止。食事をとる。
長男は「気持ちが悪い、気持ちが悪い」と、我慢していたキジうち。
「オォ、スッキリした」と笑顔に戻る。ウソのように呼吸も楽。
「花の種類も数も少なく味気ないなぁ」とポツリ。
7合分岐までに途中出会ったのは下山者3名と登山者8名。7合分岐から火口ま
では誰にも会わず。つぶれた石室や、雲の中でのコースどりに不安はあったものの
こちらの下山コースは貸し切り状態で良かったと思う。長男も同感とのこと。
10分ほどの緩やかな登りで新6合への分岐。9時30分に駐車場に無事到着。
頂上で分かれて先に来た道で下山した滋賀からのグループと同時到着となった。
昨日来たときと違い、車が300台ほども停まっていた。

 あとは、付録の行動。富士山スカイラインを東へ、御殿場方面へ行き自衛隊
駐屯地から山中湖方面へ。手前の温泉(900円)で汗を流し、河口湖方面へ
進路。富士急ハイランドで日本一の登山のあとに、世界一の高さと速度を誇る
ジェットコースターのその名も「フジヤマ」などに乗り、体はさらにガタガタ。

 めっちゃコワかったぁ・・・

河口湖でブラバス釣りもボウズとなり、午後6時に中央自動車道河口湖I.C
から長野まわりで帰路へ。
途中で5時間ほど寝て31日午前7時帰宅。妻と次男が朝食で迎えてくれた。

   ★ 矢問 YATOH★