【芦生】芦生研究林の防鹿ネット内外の継続植生調査 2017年8月
  2017年08月05日(土) 京都大学・芦生研究林


今日は「知ろう、守ろう、芦生の森」の夏の植生継続調査日。
初回から参加して、もう7年目。僕は16回目の参加、MICKEYは12回目である。

南丹市の担当者や部門が替わったらしく、今春の調査日は急に連絡が来たので、仕事の
調整も付かず、春のネット上げ+調査には初めて参加出来なかった。
窓口主担当の方が替わるのはこれで3回目となる。

今年は、4月末にFさんとリュウキンカとオオバキスミレの調査に1度、1泊二日で芦生研究林
に来たのみだ。

朝6時半に家を出て、吉野屋で朝食を食べて芦生へと向かった。
須後での集合は10時。美山に入ると29℃になった。
 
かやぶきの里に8時に着いたので、いつものように少し休憩し、芦生ロードパークで再度
ゆっくりと到着時間調整の休憩をした。アザミの花が元気に咲いている。
     
「おや?」ここでは見たことが無い、黄色い花の背が高く直立した姿の草本が目に付いた。
近づくと、ビロードモウズイカの花だった。明治時代に観賞用や薬用としてヨーロッパから
導入され、野生化した花と聞く。

いつものように、夏はイワヒメワラビ以外の木本類や草本類の種類がどのように分布して
生えているかや、その被覆度も調査する。ボウボウにいろいろな植物が風散布や鳥散布等
で去年と様子が違って芽生えて育っており、毎回同定がなかなか難しい。
しかも、小さな実生の葉を見ただけで判断するのは、幅広い植物の知識が必要となる。

今回はFIGO(森林インストラクター兵庫会)からも須磨から1名、明石から2名、神戸から1名、
池田から1名の計5人が参加して下さるので心強い。

9:30
須後に着くと森林インストラクター京都会のMさんの車が隣。「お久しぶりです」。
昨日と今日は研究会があるのか、学生さんやバスが多い。前研究林長のT先生のお姿も見えた。
虫除けスプレーをしっかり服の上下にかけて、集合地へ。

園部からのバスが到着。今回のボランティア参加者は22名

僕は6名チームの1班。兵庫会・須磨のOさん、大阪会・枚方のSさんも同じ1班だ。

MICKEYは2班の6名チーム。兵庫会・神戸のKさん、池田のNさん、明石のYさんと同じ班だ。
2班にはFさんもいらっしゃるので最強チーム。

Tさんは5人チームの3班。兵庫会、明石のMさん、京都会のMさんも3班だ。
Hさんは5人チームの4班のようだ。大阪会のFさん、Tさんもいらっしゃる。

Kさんの挨拶に続いてNさんから調査に関する簡単な説明。
10時過ぎに須後の事務所前からバスに乗り、地蔵峠へ。
   
   
地蔵峠では昨日から調査に入っているFさんとも合流。Fさんに資料を渡す。

途中で先頭を変わり進行。真新しいクマハギの跡があるスギがある。
沢向こうにT先生の姿が見えた。
「伊吹山の防鹿ネットのお手伝いに行けずに済みませんでした。」とお詫び。

調査地手前のガマズミの実は今年も今や赤く沢山ついている。
去年同様に、イワヒメワラビが繁茂しているだけでなくて、サワウツギやアシウアザミが
ネットの高さほどに大きくなって繁茂している。
「今年はイワヒメワラビの高さもスゴイよね」とT先生。


T先生からミニ講座。(調査終了後のミニ講座もここにまとめて記載)
★初めての参加者に、周囲の斜面を見て鹿害の説明。

★1班のところはタニウツギやアシウアザミが繁茂。
 3~4班のところはミズメ。コバノイシカグマ。
 説明場所にはイワヒメワラビ、オオバアサガラ、コバノイシカグマ、テツカエデの4種
 がほとんど。防鹿ネット内は多様性あり。ネット内外の違いの説明。
★オオバアサガラ・・・いままで見向きもしなかった鹿が、葉は食べないのだが皮剥が
 はじまり、今年は野田畑でもオオバアサガラの林が出来ていたが広く枯れ始めた。
★テツカエデ・・・これもいままで鹿は食べなかったが、食べ始めた。

調査は1班をさらに2つに分けて3~4人のチームになるのだが、今年も昨年同様に2つ
に分けられるほどはいないので、担当プロットをみんなで調査開始。
防鹿ネットを開けて、イワヒメワラビをかき分け踏みつけ通路を作りつつ進むが、ズボン
はいつものようにねばねば・・・。
   
   
角の木杭が腐っているものや折れているものがあった。竹串が春に付け替えられていない
ようで倒れたり折れていたり・・・。区画の紐もほとんどわからなくなっている。
以前のように春のメンテ作業ができていないと、草木が繁茂する夏場に困るのだが・・・。

まずはいつものようにブナの生存本数の確認と、枯死を調べる。そしてそこに生えている
草本類の範囲を破線で記して種類を記す。木本は実線で図示し、本数と種類を記録する。
「これはタニウツギ、これはツボスミレ、これはスゲ、これはハシカグサ、これはアカシ
デですね」等々と、1班はサワウツギジャングルとアシウアザミジャングル状態。
カエデの実生があったが、種類が特定できなかった・・・。ブナ実生が6本新たにあった。
   
   
今年もアブが沢山寄ってきたので、蚊取り線香をぶら下げた。
「これはなんだろう・・・」と確証がつかないときは2班のFさんに教えて頂いた。

多様性の調査はサブプロットを25に分けて1つは1/25なので0.04として計算する。
パッと広さを見て判断し記録する。今回は前半を僕が記録し、後半はSさんと初参加の
Oさんの2人の女性に託して経験してもらった。

ランチタイムは僕はお茶漬け。MICKEYはパン(ざるそばは持ち帰り)。
今回はYouTubeで話題になっていた「強力ハンド扇風機」を持参していたのでウチワで
あおぐより風が来てとても涼しかった。三段階に風の強さを調節できるのも良い。
虫が寄ってくるので、蚊取り線香もつけた。こちらも強力な「森林香」だ。
   
   
午後は各班の残った調査も予定より早く終えたので、T先生が「ウツロ谷へ行きましょう」と。
途中で「クマハギ」の説明会を5分ほどして下さった。。

時間を取り返すべく急ぐT先生の歩く速度にはみんながついて来られていない。
「先生、後ろに誰もついてきていませんよ。ペースを少し落としましょう」と僕。
「戻る時間を考えたら、ペースを落とせないけどなぁ」と少しペースダウン。
   
   
野田畑のオオバアサガラの林になっていたところが、全て枯れている。
鹿の低嗜好性のオオバアサガラの葉は食べなくても、去年もそうだったが樹皮を食べて
しまうため、10メートル近く育っても枯れてしまうのだ。 
   
野田畑のイワヒメワラビジャングルを過ぎるとウツロ谷の調査区。10年経った植生の
変化や、オオバアサガラの樹皮を鹿が食べた真新しい姿を見ながらT先生の説明を受けた。

時間が押しているので、大急ぎでバスの待つ長治谷へと歩く。

15:30
バスで須後へと戻った。

係の方の挨拶後、一旦解散。そしてアンケートを配布。これではすぐに記して渡せない。
「添付メールでも良いです」とのことだが・・・。

車で帰宅準備をしていると「これ、要りませんか」とMさんが複数持参された秋海棠と
双葉葵の苗を1つずつ下さった。「有り難うございます。育ててみます」

すると女子の大学生が来て「アンケートをお願い出来ませんか」と。
鹿の頭数調査にも来ていたというSさんだった。「覚えていなくてゴメンね」と僕。

「今年も頭数調査に来る?」と聞くと「あれはとてもしんどくて・・・」との答え。
「宿泊棟にいらっしゃるT先生にも宜しく言っておいてね」と言って別れた。

15:40
南丹市の係りの方や、Fさん、Mさん、Hさん、Kさん、Oさんはじめ、皆さんにお別れ
の挨拶をして芦生研究林を出発。帰路での気温は32度になっていた。

春から河鹿荘のラストオーダーが14時になり、Fさんとの春の植生調査の時はかえで御膳を
食べることが出来ずに帰宅したが、MICKEYが問い合わせてくれて「事前に予約していた
だければ用意できます」とのことで、17時に夕食を予約してくれている。

河鹿荘に着いて、モンベルカードで割り引きでお湯につかって汗を流せば食事時間になる。
お湯から出る時に、少年サッカーチームが入ってきて超満員になった。ぎりぎりセーフ!

かえで御膳と鹿カツを頂いた。カエデ御膳の内容がやや前と変わっていた。
「やはりかえで御膳はおいしいね」とMICKEY。食後にソフトクリームも食べた。

いつもの途中にあるファミマでコーヒーブレイクし、19時半帰宅完了
明日はMICKEYの実家に今年もイチジクを沢山頂きに行く。
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